ECサイトの購入に影響を与えるAR(拡張現実)の効果とは?

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2020/04/07

いま注目されている「AR」とは、「Argument Reality」の略で、日本では「拡張現実」と呼ばれています。

現実の風景に、バーチャルな視覚情報を組み合わせることができる技術で、例えばカメラで撮影した自分の顔に眼鏡を”バーチャル試着”するなど、ECサイトでも導入が進んでいます。

3/24にはKDDIとFacebook Japanがスマートフォン向けECサイト「フューチャーポップアップストア」を立ち上げ、InstagramのARカメラ機能で試着し、商品購入に誘導するサービスが始まりました。

本記事では、ECサイトにおけるARの役割について、実際に導入しているECサイトを事例にご紹介します。

1.モバイルEコマースの拡大とAR

モバイルネットワークやインターネットの速度はかつてないほど速くなっており、人々はより頻繁にスマートフォンで買い物をするようになっています。

実際、モバイルEコマースが2021年には全体の72.9%を占めるようになると予測され、AR技術を活用する土壌が整いました。


[引用]statista|Mobile E-commerce is up and Poised for Further Growth

現在、Pokemon Goなど多くの人気アプリゲームでAR技術が活用されていますが、実は大規模なインフラにも採用されています。

例えば、ノルウェーの公共交通システムでは、バスの停車駅やルート・距離などを、スマートフォンを道路に向けるだけで確認することができます。


[引用]venturebeat|Mobile AR is evolving faster than you think

このように、あらゆる業界で活用されているAR技術ですが、ECサイトに活用することで何が実現するのでしょうか。

2.ARショッピングで顧客体験のパーソナライズ

ECサイトにおける限界の1つは、店頭のように商品を試すことができないことです。

店頭では、商品に触れたり、服や靴を試着したり、商品を開封したり、オンラインではできない商品とのやりとりができます。

そのため、ECサイトは購入の意思決定する上で、基本的に判断材料が不足している状態です。

これまでもEコマース企業は、ECサイトでよりより購入体験を実現するため試行錯誤してきました。

例えば、
・本屋のウェブサイトでは、レビューを掲載したり購入前に本の第一章を読むことができる「覗き見」機能の実装
・ファッション小売店では、歩いている時に靴がどう見えるのかなどを紹介する商品動画の作成
・衣料品サイトでは、身長や体重、体型などが異なるモデルの着用写真を掲載
・ライブチャットを活用して、スタッフがユーザーからの質問に即座に答える環境整備
など、顧客のニーズを敏感に取り入れています。

しかし、ARによって、買い物客は商品をより「リアル」に体験できるようになり、デジタル体験を次のレベルに引き上げることができます。

実際にECサイトで活用されている事例をご紹介します。
バーチャルメガネの試着です。

顔の大きさや形、特徴などの視覚的な情報を利用して、試着することで、買い物客はメガネを「かける」ことができるようになりました。

写真の例はVint & York Eyewearのウェブサイトからですが、SpecsaversEyeRimEyeconicなどは、デスクトップとモバイルの両方でバーチャル試着を提供しています。

メガネに100ドルをかけるなら、「買う前に似合うかどうかを知りたい」というのがユーザーの本音です。

アイウェアのようなパーソナライズされた商品を販売する場合、より多くの人が世界中で商品体験できるよう、ARショッピングを積極的に導入していくべきです。

3.モバイルARが購入の意思決定に影響を与える

ARがモバイルデバイスを意思決定ツールに変え、ECコマース業界に大きな影響を与えます。

これまでのモバイルECサイトの多くは、使いづらいものでした。
しかし今は、通信速度も速くなり、ECサイトのUXもモバイル最適化が進み便利になっています。

ここにAR技術を組み合わせることで、服や自転車など、あらゆる商品にカメラを向けると、すぐに買い物に必要な情報を得ることができます。

下記はサムスンBixbyの例です。


[引用]Samsung Developers|Bixby Vision: Creating Intelligent Camera Experiences
SamsungはSyteとの戦略的パートナーシップを結びマーケットプレイスを強化しています。

多くの買い物客が、「目に見える」ことで購入の意思決定が可能な状態になり、モバイルECサイトにとって大きな付加価値となります。

そして、これはモバイルARの氷山の一角に過ぎません。

モバイルARは、これまで試すことができなかった化粧品のお試しも可能に。

下記のように、AR技術によってスマートフォンカメラで撮影した自身の顔に、さまざまな口紅の色をバーチャルで試すことができるようになりました。

4.ARで実店舗の購買も強化

ARの恩恵を受けられるのは Eコマースの小売業者だけではありません。

同じ技術を使えば、実店舗の買い物客が閲覧から購入に至るまでのプロセスを支援することもできます。

特に大きな買い物(高価な家財道具やリフォームなど)をする場合、消費者は購入までに多段階のプロセスを経る必要があります。

オンラインでインスピレーションを得るために閲覧し、店内を見て写真を撮り、自宅にサンプルを持ち込み、ショールームを訪れて塗料チップを取り、タイルやカーペットをカートに入れて持ち歩く。

ARは、このような購入プロセスを、店頭でのショッピングと連動させることで強化することができます。

例えば、蛇口を購入する場合、ショールームに行って実際に試してみて、仕上がりや価格について質問したいと考えます。

しかし、「バスルームのシンクにどんな風に映るのか知りたい」とも思いますよね。

ARを使えば、店頭に行って自宅で試してみたい蛇口を見つけてから、自宅に戻ってデジタル映像でバスルームに映し出すことができます。

VADOのようなメーカーは、以前は装飾用コンピュータソフトウェアの領域であったARを利用して、消費者市場を強化しています。

また、店舗で家具を見て気に入ったとしても、実際に自宅に置いた時にフィットするかどうかわかりません。

実際に、購入後に合わせてみてサイズが違ったり、部屋に合わずに返品につながってしまうケースもあります。

Magnolia Marketでは、ARを使って家の中に商品を「置く」ことができます。

店頭で気に入ったものを見つけた買い物客は、アプリに保存されたアイテムを持って帰宅し、インテリアに加え、気に入ったものがあればその場で購入することが可能です。

また、お店に行く前に、自宅でいろいろなアイテムを試すことで、その商品が自分に合っているという確信を持って店頭にいくことができます。

このようなイノベーションは購買決定を助け、ユーザーが購入するかどうかを考えている間、あなたのブランドや商品を常に念頭に置いておく機会を与えてくれます。

5.まとめ

調査によると、40%の消費者が “ARを使って製品を体験する機会があれば、より高い買い物をしたいと思う “と回答しています。

ARによって、顧客がオンライン上でも購入の意思決定をしやすくなりました。

ECサイトにARを活用し、顧客体験のギャップを埋めることができれば、コンバージョン率や平均購入金額の向上も期待できます。

是非、自社の施策に取り入れてみてください。

※本記事は、「What AR means for shopping in 2019」を翻訳・加筆修正したものです。

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勝見 理恵 MarTechLab編集長

勝見 理恵 MarTechLab編集長

2012年ギャプライズ入社。 5年間Web集客コンサルタントとしてクライアントワークに携わり、リスティング広告からFacebook・Instagram・TwitterなどのSNS広告まで幅広く活用。 ClicktaleやOptimizelyを活用したサイト改善コンサルタントを経て、現在は自社のマーケティング担当。

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