カゴ落ちとは?もたらす弊害と8つの改善策

この記事のタイトルとURLをコピーする

2021/10/19

Eコマースの売上を伸ばすための最善策の1つは、カゴ落ちを減らすことです。

Baymard Research Instituteによると、カゴ落ち率は平均69.8%。買い物客の10人に7人は、購入を完了する前にECサイトを離脱しています。

しかし、チェックアウトのデザインを改善するだけで、コンバージョン率を35.3%向上できる可能性もあります。

本記事では、カゴ落ちの原因、影響、8つの改善策について、ご紹介します。

1.カゴ落ちとは?

カゴ落ちとは、買い物客が商品をカートに入れたものの、購入する前にサイトを去ってしまうことです。FinancesOnlineによると、買い物客の10人に7人は、購入を完了する前にECサイトを離脱しています

カゴ落ち率は、

[購入が完了した総数]÷[作成されたカートの数]=[購入完了の割合]

(1-[購入完了の割合])×100=[カゴ落ち率]

で求められます。

例えば、先週の購入完了数が400件で、その間に買い物客が実際に作成したカートの数が1,000件だった場合、

400÷1,000=0.4

(1-0.4)×100=60%

となります。

2.カゴ落ちする10の原因

Baymard Research Instituteによると、カゴ落ちの原因トップ10は以下の通りです。

・追加費用(送料、税金、手数料)が高すぎる:49%
・購入のためにアカウントを作成する必要がある:24%
・配送に時間がかかりすぎる:19%
・チェックアウトプロセスが長すぎる、または複雑すぎる:18%
・クレジットカード情報を入力するのに十分な信頼性が得られない :17%
・注文の合計金額を事前に確認または計算できない:17%
・サイトがエラーまたはクラッシュした:12%
・不満足な返品ポリシー:11%
・支払い方法が少ない:7%
・クレジットカードが使用できなかった:4%

物流やテクノロジーに関連する問題は解決が難しいですが、残りの問題は、より良いUXデザインで防ぐことができます。次の章から詳しく解説していきます。

追加費用(送料、税金、手数料)が高すぎる/注文の合計金額を事前にチェックできない

商品をカートに入れる時、買い物客は商品の価格を確認し、その金額を支払う意思があります。しかし、送料や税金などのコストを考慮していないと、お客様が支払いをしようとしたときに、突然その価格が跳ね上がってしまうことがあります。

例えば、80ドルのジーンズを買おうとしていた人が、チェックアウト時に送料と税金で17ドルが加算され、合計金額が100ドル近くになったとします。これではジーンズが高すぎると感じ、カゴ落ちしてしまうかもしれません。

購入のためにアカウントを作成する必要がある

ブランドや小売業者としては、ユーザーがアカウントを作成することにメリットがあります。

例えば、ユーザーの好みを知ることができ、パーソナライゼーションの取り組みの精度を上げることができます。また、ユーザーにとっても、支払いや配送に関する情報を保存することができるため、再び買い物をする際に便利です。

しかし、すべての買い物客がこのようなメリットに興味があるわけではありません。実際、ユーザー名とパスワードを作成し、その情報を確認して覚えておくというステップが増えることで、買い物客が離れてしまうこともあります。 

チェックアウトプロセスが長すぎる、または複雑すぎる

チェックアウトのプロセスに複数のページがあったり、入力項目やクリック数が多すぎたりすると、商品を購入したいという熱意よりも面倒くささが勝り、離脱してしまう可能性があります。

クレジットカード情報を入力するのに十分な信頼性が得られない

以前よりも多くの人がオンラインで買い物をするようになっていますが、顧客の財務情報が流出した例はいくつもあり、多くの人がオンラインでクレジットカード情報を入力することに抵抗を感じています

サイトがエラーまたはクラッシュした

ECサイトが不安定だったり、各ページの読み込みに時間がかかったりすると、買い物客はイライラしたり、チェックアウトプロセスに対する信頼を失ったりすることがあります。特に、サイトがクラッシュして再読み込みされると、二重に請求されるのではないかと不安になり、支払い情報を再入力することを躊躇します。

不満足な返品ポリシー

服、靴、ジュエリー、インテリアなど、オンラインで購入する場合、実際に商品を見たり、試着したりする機会はありません。だからこそ、多くの人は、注文した商品を返品する際には、全額を返金してもらいたいと考えます。

そのため、返品に制限を設けることは、買い物客を遠ざけてしまうリスクがあります。また、チェックアウトページでしか返品ポリシーを伝えていないブランドは、カゴ落ちのリスクがさらに高くなります。

支払い方法が少ない

オンラインショッピングが始まった当初と比べ、今日ではクレジットカードだけではなく、コンビニ払いや銀行振り込み・キャリア決済・QRコード決済など支払い方法が増え、それらを好む買い物客も増えています。

支払い方法を複数用意し、プロセスを簡単かつシームレスにすることは、買い物客が他のブランドや小売店に移ることを防ぎます。

3.カゴ落ちによる4つの弊害

カゴ落ち率の高さは、オンラインブランドや小売業者に4つの主な影響を与えます。それぞれを見ていきましょう。

1. 収益の損失

カゴ落ちの直接的な影響の1つは、収益の損失です。

例えば、カゴ落ち率が60%、各カートの平均注文額(AOV)が150ドルの場合、利益が週に60,000ドルである一方で、放棄されたカートからは、週に90,000ドルの損失が発生。年間では、470万ドルを失っていることになります。

カゴ落ち率を下げることで、本来得られるはずだった数千ドル、数百万ドルの収益を取り戻すことができます。

 

2.新たな顧客の獲得、ロイヤリティを築く機会を逃す

現在、ブランドの成功には、顧客やコミュニティとの関係が不可欠です。ポジティブなオンラインショッピング体験は、ブランドの評判を高め、より多くの顧客を惹きつけ、ロイヤリティを築くのに役立ちます。

カゴ落ちしたお客様は、カートに入れるまでに経験したポジティブなオンラインショッピング体験をソーシャルメディアに投稿しません。長い目で見れば、カゴ落ちは、コミュニティを構築し、ロイヤリティを高める機会を損なうことになります。

3. パーソナライズが最適化できない

パーソナライゼーションエンジンが商品を推奨するために使用する主要なデータの1つに、お客様の購買データがあります。商品への「いいね!」、「保存」、「カートに入れる」などのサイト内での行動も、お客様の好みに関する貴重な情報を提供しますが、最も影響力のあるデータは、お客様の購買データです。

カゴ落ちは潜在的な購買データの量を著しく減少させるため、レコメンデーションの質が最適ではなくなる可能性があります。

4. 在庫に正しく反映されない

実店舗で、Aさんがラスト1着となった紺色のカーディガンをカゴに入れて店舗内を見て回っている時、Bさんは紺色のカーディガンの在庫が0なので、欲しくても買えません。Aさんが買わないと判断し棚に戻すより先にBさんが店を出てしまうと、買ってくれたかもしれないBさんを失うことになります。

このような状況は、ECサイトでも起こります。一部のECプラットフォームでは、複数のお客様がまったく同じ商品を同時にカートに入れることができません。例えば、オンラインショッピングサイト・ASOSで商品をカートに入れると、ASOSはその商品を1時間保留にし、1時間が経過すると、その商品はフロアに戻ります。商品がフロアに戻った時には、もっと買う気のある別の買い物客が、すでに別のサイトに移動している可能性があります。

さらに、お客様が購入を完了しない限り、実際の在庫レベルは影響を受けません。つまり、買い物客が特定の商品をカートに入れたことは在庫に登録されても、実際に購入されるまでその商品の在庫レベルが減少したことは表示されません。

4.カゴ落ち率が高いときに確認すべき3つのポイント

1. チェックアウト時のUX

多くの買い物客がカートを見ているときや、チェックアウトの途中で離脱している場合、考えられる理由は以下の通りです。

・チェックアウトのプロセスが長すぎる、複雑すぎる。
・送料が高額
・返品ポリシーが望ましくない

買い物客の信頼を得て、購買意欲を高め、チェックアウトのプロセスを可能な限りシームレスにするには、スムーズで摩擦のない支払いプロセスが必要です。

2. 競合他社との違い

Statistaの調査データによると、カゴ落ちしたお客様の31%は最終的にカート内の商品を購入するために戻ってきますが、25%は最終的に競合他社で購入しています。競合他社に買い物客を奪われている場合、考えられる理由は以下の通りです。

・競合他社がより良い価格を提供している
・競合他社の方がチェックアウトのプロセスが早くて簡単
・競合他社の方が信頼性が高いと感じている
・競合他社のほうが配送が早く、返品ポリシーが充実している

買い物客が自社のサイトを離れた後は追跡できないため、何が原因で競合他社に流れているのかを正確に特定するのは困難です。そのため、競合他社に買い物客を奪われている理由リストを見つつ、原因を推測しましょう。

例えば、次のような状況にあるインテリアの小売業者だとします。

シーズンオフの商品 :あなたは昨シーズンのラグをすべて15%値下げすることに決めました。しかし、競合他社が同じラグを25%値下げしていました。この状況は、「競合他社がより良い価格を提供している」に当てはまり、顧客は安い方の商品を購入します。

送料 :競合他社は送料無料ですが、あなたは送料無料ではありません。チェックアウトページでは、ラグの送料としてさらに40ドルが加算。この状況も、「競合他社がより良い価格を提供している。」に当てはまり、顧客は送料無料のブランドで購入します。

3. 在庫と買い物客の関連性

カゴ落ちは、在庫の見直しが必要であることを示している場合があります。買い物客がカゴ落ちしたのは、あなたが販売している商品を欲しくないと判断したからである可能性があるからです。

もちろん、ブランドや小売業者は、それが理由であるかどうかを確かめる方法を持っていないため、カゴ落ちに基づいて商品選択を改善する方法を学ぶことは困難です。

一方で、購入完了のデータを分析することで、その商品が買い物客にとってどれだけ関連性があるかを知ることができます。わずか数日で完売した商品は、明らかにヒット商品です。再入荷して在庫を増やし、買い物客の要求に応えられるようにしましょう。

5.カゴ落ちを減らす8つの方法

1. モバイル体験を改善

Statistaの2019年の調査データによると、Eコマースでの購入の67.2%はモバイルで行われています。同時に、Barillianceの2019年の調査データによると、モバイルはカゴ落ち率が80.8%と、他のチャネル(タブレットでは77.3%、PCでは73.9%)と比較して、最も高いチャネルともなっています。

モバイルは、Eコマースの中で最大のシェアを占めるチャネルであり、最もカゴ落ち率が高いチャネルでもあるため、モバイル体験を改善することは非常に有効です。

モバイル体験を改善するために、小さなモバイル画面でチェックアウトフローがどのように見え、どのように機能するかを確認してください。簡潔さとスピードが重要です。確認する時に、考慮すべきポイントは以下になります。

・チェックアウトプロセスの各ページで、お客さまがタップして入力する場所は小さすぎていないか?
・ページ数が多すぎて、各ページのロード時間が長くなっていないか?
・買い物客は途中でカートの中身を見たり編集したりできるか?
・変更するために「戻る」ボタンを押させていないか?
・必要な情報は明確か?例えば、コスト、返品ポリシー、配送予定日などが前もって明示されているか?

2. 複雑さを軽減し、クリックを最小限に抑える

チェックアウトのプロセスをできるだけ短く、わかりやすく、迅速にすることで、買い物客がイライラして途中で離脱する可能性を減らすことができます。

Baymard Instituteによると、大規模なEコマースブランドや小売業者は、チェックアウトフローを改善することで、コンバージョン率を35.26%向上させることができます。いくつかの改善例をご紹介します。

必要な項目だけを入力

取引を実行するために必要な情報だけ登録を求めます。例えば、支払いを完了する前に、Webサイトでの体験を評価してもらったり、メルマガを購読してもらったりすることはやめましょう。

買い物客にアカウントの作成を求めない

アカウントを持っていないお客様には、ゲストとしてチェックアウトできるオプションを提供します。これにより、急いでいる人でも、アカウントを作成して情報を確認することなく、すぐに手続きを済ませることができます。

関係のない商品をおすすめに記載しない

チェックアウトページにおすすめ商品を掲載することで、お客様に別の商品を追加してもらうことができるかもしれませんが、ランダムで無関係な商品画像を表示してしまうと、逆効果になることがあります。

その代わり、チェックアウトページでは、ターゲットを絞って商品をおすすめし、お客様がサイズや色の好みを選択するためにチェックアウトページを離れることなく、これらの商品をすぐにカートに追加できるようにしましょう。

お客様がチェックアウト情報を保存できるように

買い物客の中には、配送先、請求書、クレジットカードの情報を保存したいと思う人がいます。これにより、次回以降のチェックアウトプロセスを短縮することができます。

3. ECサイトの信頼性を高める

信頼性の欠如がカゴ落ちの原因となっている場合は、支払いのセキュリティを再検討する必要があります。

まず、自社の技術インフラがPCI DSS(クレジットカード業界のセキュリティ基準)に準拠しており、不正防止ツールが装備されていることを確認。また、チェックアウトページには、決済セキュリティシンボルやバッジを表示することをおすすめします。これらを見せることで、セキュリティ面で不安を感じるお客様を安心させることができます。

また、お客様の信頼を高めるためにソーシャルプルーフを利用することもできます。ユーザーが撮った写真、レビュー、星評価といったUGCをサイトに表示することで、サイトから商品を無事に購入した人がたくさんいることを、初めて買い物をする人に示すことが可能です。

4. さまざまな支払方法に対応する

今日の消費者は、様々な方法でお金を使用します。お客様が最も安全で、速く、便利だと感じる方法を選択できるようにすることで、コンバージョン率が上がります。ここでは、サイトに追加できる2つの支払い方法をご紹介します。 

①振込やデジタルウォレット – クレジットカードでの支払いを希望しない買い物客は、コンビニ払いや銀行振り込み・キャリア決済・QRコード決済の利用を好む可能性があります。

②BNPL(Buy Now, Pay Later)サービス – BNPLは後払い決済サービスのことです。CB Insights社によると、2020年にアメリカ人がBNPLサービスを利用して消費する金額は200億ドルから250億ドルと推定されています。世界的に見ても、後払いの購入額は2025年までに1兆ドルを超えると予想されています。

ECサイトにこのオプションを追加することで、別の支払い方法を求める消費者の要望に応えることができるだけでなく、AOVを向上させることができます。BNPLサービスを追加することで、AOVが20%~30%向上したという小売企業もあります。

5. 送料・返品情報は早めに明示

買い物客は、チェックアウトページで、送料、遅延、返品などの情報を知らされることを好みません。返金不可などの詳細な追加情報については前もって知らせましょう。

例えば、サイトにウィジェットを追加して、買い物客に居住地を確認してもらい、配送料の見積もりを提示することができます。また、PDP(商品詳細ページ)に返品・交換のポリシーを掲載し、買い物客が商品をカートに入れる前に、買った後の情報を知ってもらうこともおすすめします。

6. 定期的なチェックアウトフローの見直しでバグを回避

新しい機能を追加したり、在庫を更新したりした後は、プロセスがスムーズに流れるかQA(Quality Assurance:品質保証)を何度も実施してください。エラーがあったり、読み込みに時間がかかったりすると、カゴ落ちの原因になります。そのため、一貫した品質保証とユーザビリティテストが不可欠です。

最終的に、Webサイトのバグやクラッシュの多くは、より丁寧なメンテナンスによって回避することができます。お客様に最高の体験をしていただくために、時間をかけて慎重かつ頻繁にQAを実施してください。

7. 商品を追加するたびにカートの合計金額を表示

買い物客が別の商品をカートに追加するたびに、これまでに追加した商品とその合計を表示します。お客様がチェックアウト時にカートの金額を見て、買い物をやめてしまうことを防ぎます。

8. カゴ落ちした買い物客へのフォローアップ

お客様がカゴ落ちした理由は、商品に対する不安や懸念があった場合や、単に気が散ってしまった場合などが考えられます。カゴ落ちした買い物客をフォローし、残した商品を思い出させることで、戻って購入するように促すことができます。

調査によると、広告で買い物客をリターゲティングすると、カゴ落ち率が6.5%減少し、オンライン売上が約20%増加します。カート放棄者を呼び戻すには、Eメールも効果的です。99 Firmsによると、カゴ落ちした顧客へのメールの開封率は41.1%です。

6.まとめ

カゴ落ちを減らすためには、原因をできるだけ多く特定し、その一つ一つに対処していくことです。

カゴ落ちを減らす方法は下記の8つのポイントを参考にしてください。

1. モバイル体験を改善
2. 複雑さを軽減し、クリックを最小限に抑える
3. ECサイトの信頼性を高める
4. さまざまな支払方法に対応する
5. 送料・返品情報は早めに明示
6. 定期的なチェックアウトフローの見直しでバグを回避
7. 商品を追加するたびにカートの合計金額を表示
8. カート放棄した買い物客へのフォローアップ

まずは、自身のECサイトのカゴ落ちの原因を突き止め、適切な解決策を実行しましょう。

アパレルECのコンバージョン率を向上する、画像認識AIテクノロジーSyteはこちら

※本記事は、「8 Proven Tactics for Reducing Shopping Cart Abandonment」を翻訳・加筆修正したものです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

梶田真衣

2020年2月入社。マーケティングチームのインターン生。オーストラリアへの留学経験あり。

関連記事一覧

タグから探す
DX(デジタルトランスフォーメーション)
SMSマーケティング
マーケティング全般
市場・競合分析
AR(拡張現実)
画像認識AI
VOC(voice of customer)
BI(ビジネスインテリジェンス)
D2C
EC
ロイヤリティマーケティング
リードジェネレーション
インサイドセールス
インフルエンサーマーケティング
UGCマーケティング
SNSマーケティング
コンテンツマーケティング
メールマーケティング
ソーシャルリスニング
サイト改善
レコメンド
パーソナライズ
ABテスト
UI/UX
ヒートマップ
LPO
アクセス解析
サイト集客
SEO
Googleショッピング
アドフラウド(不正広告)
広告最適化
リスティング広告
SNS広告
Amazon広告
営業・顧客管理
プロジェクト管理