フェイクレビューの実態から見る、 ECサイトのあるべき姿とは

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ECサイトで顧客の購買行動に大きな影響を与えるレビューですが、これには「フェイクレビュー」が混じっていることがあります。

フェイクレビューとは、通常のレビューとどのように違い、いったい誰が書いているのでしょうか?
フェイクレビュー経験者とのインタビューを通じて明らかになったフェイクレビューの裏側と、今後のECサイトのあるべき姿をご紹介いたします。

1.レビューが顧客の購買行動に与える影響

ECサイトでは、商品選びの際に現物に触れることが出来ないため、実際に商品を購入した人の口コミである「レビュー」の価値が重要です。

下のグラフは、実際にレビューがどれほどネットショッピングの購買行動に影響を与えているのかを示しています。

   購入・選定時にクチコミがどの程度気になるか(単一回答)
商品購入・選定時にレビューがどの程度気になるか(単一回答)

[引用]「購買行動におけるクチコミの影響」に関する調査:(2) 8割が選定時にクチコミの影響を受けており、クチコミが購入の決め手になる人は4割。

「gooリサーチ」が国内15歳以上の男女(計2,107名)を対象に行った「購買行動においてクチコミが与える影響」についての調査によると、全体の81.6%(「非常に気になる」と「気になる」の回答の合計)が商品の購入・選定の際に、「レビューが気になる」と回答しています。

しかし、こういったECサイトのレビューの中には、実は「フェイクレビュー」が混じっています。例えばカメラを購入した際、レビューでは星5の評価だったのにも関わらず、実際に送られてきた商品はただの偽物だった、といったこともあります。

「フェイクレビュー」は“偽”といっても、実際のECサイト上では他のレビューと一緒に並んでいます。

それでは、「フェイクレビュー」とはどのようなものを指すのでしょうか?

2.フェイクレビューとは?

フェイクレビューとは、

製品を販売する企業が物品や金銭を見返りにして、通販サイトやSNSで偽の高評価レビューを書かせる行為

[引用元]「フェイクレビュー」の投稿を依頼した企業が訴訟を起こされて罰金を命じられる‐GIGAZINE」

です。

ECサイトにある通常のレビューオファー施策と混同されやすいですが、以下の違いがあります。

〇通常のレビューオファー施策
レビュアーは純粋に商品目当てで購入し、レビュー投稿後クーポンなどの報酬を受け取る。

〇フェイクレビュー
レビュアーは、商品目当てではなく、レビュー投稿後の報酬が目当てで購入し、レビュー投稿後物品や金銭などの報酬を受け取る。

ECサイト上のレビューは商品購入に大きな影響を与えていますが、それにつけ込んだフェイクレビューは世に蔓延しており、根絶するのは困難です。

今回、フェイクレビューの実態を掴むため、フェイクレビューの経験者にインタビューをしました。私たちがインタビューした人物は、中国のコミュニケーションアプリであるWeChatを用いたフェイクレビューを経験し、Amazonのフェイクレビューの世界に精通しています。

3.フェイクレビュービジネスの“実態”

フェイクレビュー企業とは?

Q:フェイクレビュー企業は具体的にどのようなことをするのですか?
A:私が関わっていたフェイクレビュー企業は中国とアメリカにオフィスがあり、Amazonで新しく商品販売したいブランドをサポートしていました。具体的には、ネーミングや商品写真の取得、レビュー・商取引の獲得などを行います。彼らの商取引自体は実際には偽造でありません。なぜなら、厳密に言えば実際に商品を仕入れているからです。

フェイクレビュー企業はWeChat上にグループチャットを持っており、Amazonで新しく商品販売をしたいブランドをそのグループチャットに招待し、そこでブランドとやり取りをしています。ブランドは招待されたら、レビューが欲しい対象商品を公開します。中にはレビューが欲しいブランドもあれば、ただ購入数を伸ばしたいブランドもあります。

Q:あなたが担当した業務を細かく教えて下さい。
A:はい。私はカメラをAmazonで買い、商品を受け取りました。その後、個人間送金アプリのVenmoを通じて代金が返されました。要するに、私は無料でカメラを手に入れ、ブランドの売り上げを上げた、ということになります。時には、6割引きなどの大幅割引を提供される場合もあります。

そして、商品を購入後、レビューを書きます。近年Amazonはレビューの検閲にシビアになっており、レビューを書く際に言及すべき内容や、全アングルから撮影された写真の必要枚数などに関するフォーマットがあります。

Q:ほとんどのフェイクレビュー企業がそのように動いているのでしょうか?
A:別のビジネスモデルも存在します。レビュアーとしてグループに入るために、フェイクレビュー企業に20ドルほど支払わなければならないものです。そうすることで、商品を手にした後レビューを書かずに姿を消すような人たちを対処出来ます。

多くのブランドは無料で商品を提供しますが、無料で商品を渡すだけでなく、さらにいくらか支払うことでインセンティブを与えることもあります。5~10ドルほどの少額ですが、割に合います。レビューを書き終えた後、その商品を売ることだって出来ます。

フェイクレビュー企業は頻繁にレビュアーのAmazonアカウントを参照します。これは「あなたはAmazonであと少なくともX回商品を購入し、高評価のレビューを書かれなければなりません。」といったポストをその人のWeChatストーリーズに投稿するためです。ブランドにとって、そういった自社の商品を高評価するアカウント/ユーザーを獲得するのは間違いなく高くつきます。

フェイクレビュー企業とWeChatグループ


Q:あなたが関わっていたフェイクレビュー企業の本拠地はどこにありますか?
A:中国です。たしか上海の隣にある杭州にあると思います。この企業はいくつか別の商品の収納庫をアメリカにも持っています。

Q:あなたはどのくらいの期間、そのWeChatグループのメンバーでしたか?また、どのようにして見つけたのですか?
A:2か月ほどです。WeChatのストーリーズで、Amazon上のレビューを依頼する投稿を見るので、フェイクレビュー企業のことは知っていました。私がいたグループはそれほど活発ではなく、週に一度しか投稿がありませんでした。もっと大きいようなグループには、WeChatのストーリーズに毎日投稿しています。

私がWeChatグループに参加したのは知り合いがきっかけで、その企業の面接を受けました。たしか貿易会社だったと思います。事業の詳細を聞くうちに、彼らが行っていることがどのようなことか理解しました。

そのグループにはそんなに多くの人が参加しているわけではなく、20人しかいません。通常、グループ内は100人程度です。ブランドはグループチャットのレビュアーに対して、商品ごとに必要レビュアー数が書かれたオーダーを公開します。レビュアーは、簡単にフェイクレビューの仕事を貰えます。

人々がフェイクレビューに手を出す理由

Q:そもそも、どうしてあなた含め多くの人がこのような事業に手をだしたのだと思いますか?
A:私の場合ですと、単にフェイクレビューの経験をしてみたかったのと、この事業を私に依頼してきたフェイクレビュー企業に知り合いがいたからです。

他の人は、多くの場合、金銭的な理由だと思います。このグループが成長すれば、フェイクレビュー企業はこの事業で間違いなく儲けられます。ブランド側は販売促進のためにフェイクレビュー企業にお金を出します。もし商品のレビューや購入数が全くなければ、その商品は目立ちません。なので、このアルゴリズムが成り立つのです。私たちがやっていることはブランドがAmazonで成功するような新規商品販売ビジネスを手助けする非常に大事なステップなのです。

私がアメリカに来て以来ずっと、ありとあらゆる手段を尽くして儲けようとする人々を見てきました。アメリカでは労働認可のせいで、稼ぐのが難しくなっています。

レビュアーに手を出そうとする学生はたくさんいると思いますが、彼らは逮捕されて自身のキャリアに傷がつくのを恐れて、慎重になっています。

フェイクレビューは見破れるのか?

Q:フェイクレビューを書く際のフォーマットはどのようなものですか?
A:それはブランドごとに違いますが、記入必須の内容はあります。星5で50語以上、商品を受け取ったときの感想、包装をどれほど気に入ったか、商品をどれくらいの期間使うと思うか、商品ページ上の写真と実際の商品を比較してどうか、などです。

フェイクレビューはたいていユーザーのプロフィールをクリックすることで見分けられます。もし、プロフィール写真がなかったり、ランダムな購入履歴が数多くあったりすれば、おそらく偽のアカウントでしょう。

Alibabaではフェイクレビューは非常に見分けやすいです。実際のAlibabaで掲載されているレビューは15語程度で、そのほかの文章はそもそも文が成立していないこともあります。文字数を埋めるために書かれているのです。

Q:フェイクレビューのグループではどのような商品を最も多く見ましたか?
A:羽毛布団のような家具や家庭用品が多いです。そういった商品は安価のため、ブランドにとって無料で提供しても痛手になりません。他にも様々なブランドのメイク用商品も多く見ます。

フェイクレビュー事業は、Amazonに新たなブランドを作り、新たな商品を販売して、その商品でやりたいことを何でもやります。ご存知のように、Amazonでは見たこともないようなブランドが様々な商品に存在します。フェイクレビュー企業は一つの同じ商品で多数のブランドを作り、どのブランディングが最も成功するのかを試しているのです。一つが上手くいかなくても、別のを試せばいいだけです。

Q:Alibaba商品向けの似たようなフェイクレビュー企業を見ることはありますか?
A:Alibabaを用いるブランドは、プライス・ポイントが低いため、Amazonを用いるときほどは儲けられません。Alibaba上で販売する人はAmazonでより高い値段で販売したいのです。

Alibabaのサイトでフェイクレビューを調べると、数多くのサービスやブランドが見つかり、実際に多くのフェイクレビューが投稿されているのが分かります。私のAlibabaのアカウントは私用で使っているので、それをフェイクレビュー用にしたくはありません。それに加え、Alibabaにフェイクレビューを投稿してもそんなに儲けられません。インセンティブがあまり良くないですから。

4.まとめ: ECサイトのあるべき姿とは


EコマースがAmazonとブランドの二者によってほとんど成り立ってしまっている現代において、Amazonが商品市場を独占したのは驚きに値しません。その中で、Amazon自身もフェイクレビューの対策していますが、ブランドが企業としてフェイクレビューをコントロールするのは難しいです。

フェイクレビューに対して企業が出来ることは、自社ECサイトに注力することでしょう。企業が成功するには、価格や機能性で差別化をはかるだけでなく、顧客が本当に信頼できる“真”のレビューを集めた自社ECサイト作りに目を向けなければなりません。そうすれば、顧客の購買意欲はより促進され、ブランドのファンを増やすことが出来ます。

ただ、レビュー収集に関するノウハウや開発工数の問題があって、自社で質の高いレビューを数多く集めるのは、決して容易ではありません。

そんなとき、YOTPOのようなマーケティングツールが役に立ちます。YOTPOがあれば、効率的にレビューを収集することが出来るのです。

顧客からのレビュー集めにお困りのあなた、YOTPOを使ってレビュー収集率を上げてみてはいかがでしょうか?

YOTPOについての詳細は下記をご覧下さい。
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※本記事は、「Inside the Fake Review Economy on Amazon | Yotpo」の翻訳・加筆しています。

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長谷川竣一

長谷川竣一

マーケティングチームで海外経験を活かしてインターンしています。東京外国語大学ドイツ語科4年。アメリカ・アトランタ生まれ、東京育ち。大学時代体育会サッカー部所属、ドイツ交換留学。TOEIC965、Goethe Certificate C1(ドイツ語ビジネスレベル)取得。

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