専門家による2021年Eコマース10のトレンド予測

この記事のタイトルとURLをコピーする

2021/04/23

2020年に起きたパンデミックは、消費者にとってもブランドにとっても、デジタルイノベーションを加速させました。マッキンゼーによると、ブランドは10年間のデジタル成長をわずか3ヶ月間で経験したとも言われています。

では、2021年は、Eコマースブランドや消費者にとってどのような年になるのでしょうか?

YOTPOが行ったEコマース業界の専門家へのインタビューを元に、今後の予測と実行すべき戦略をご紹介します。

1.D2Cブランドが増加

アフターコロナでは、より多くのD2Cブランドが登場します。適切な戦略を立て、トップに立ちましょう。

Sharma Brands

2021年には、D2Cブランド同士のコラボが生じます。アメリカのデジタルマーケティング企業・Sharma BrandsのCEOであるNik Sharmaは、ブランド間の連携が新たなレベルに達し、消費者間の交流や購買を促進すると予測

従来のデジタルチャネルでの広告費用が急速に増加しているため、業種を超えた複数のブランドが同じ顧客を狙う状況に。D2Cブランドが協力することで、より深いレベルで顧客とつながる機会が生まれます。

今後、より多くのブランドが連携し、強力なファンを生み出すような事業を共同出資で立ち上げ、ブランドの新たな顧客を獲得していくと予測しています。

Nik Sharma, CEO, Sharma Brands

Sharmaは、D2Cブランドがより深い顧客とのつながりを築こうとするときのポイントとして、「分析を活用しましょう。顧客が誰なのか、他に何を買っているのか、オンラインで何を読んでいるのか、どんな番組を見ているのか、などを理解することが重要です。」と述べています。

Common Thread Collective

アメリカのEコマース支援企業Common Thread CollectiveのVP RevenueであるScott Kramerは、D2Cを販売して売上を伸ばす企業が増えていることから、Eコマースの競争はますます激しくなるだろうと述べています。

2021年は、D2Cブランドが差別化をする方法を学ぶ年になります。

Scott Kramer, VP Revenue, Common Thread Collective

より多くのD2Cブランドが参入し、消費者の注目を集めようとしている今、すべての企業は持続的な関係を築くために創造性を発揮すべきです。

Krameは、「LTVを高め、より多くの収益を得ようとするならば、ブランドは、顧客とより強い関係を築くために、どのように他社との差別化を図るかを真に理解する必要があります。営業コストとマーケティングコストは、今後も上昇し続けるでしょう。」と言います。

Statement Agency

イギリスのインターネット代理店・Statement AgencyのHead of Group MarketingであるEmma Phillipsは、「店舗での販売とEコマースのチャネルの連携は強固となり、買い物客はオンラインとオフラインのチャネルを行き来するようになる」といいます。2021年には、長年D2Cを行ってこなかったブランドが、このダイレクトチャネルを構築して売上を伸ばしていくことになるでしょう。

世界的なパンデミックにより、オンラインショッピングの習慣が加速し、ブランドにとってお客様と強固な関係性を構築することがますます重要になっています。通常の顧客との接点が寸断される中、Eコマースへの移行は、メーカーにとって今後も続くトレンドであると確信しています。

Emma Phillips, Head of Group Marketing, Statement Agency

パンデミックが終息しても、消費者は以前の買い物の仕方に完全には戻りません。新しいオンラインショッピングの習慣は維持され、小売業の売上高に占めるEコマースの割合は、買い物客が店舗に戻ってくるにつれて若干減少するかもしれませんが、大多数の消費者にとっては主要なショッピングチャネルであり続けます。

2.コネクテッド・コマースの台頭

2021年、ブランドの次なる展開はコネクテッド・コマース、チャネル間でのシームレスな相互接続されたブランド体験の台頭です。

Astound Commerce

「オムニチャネルは常に未来のものでしたが、COVID-19により、マルチチャネル・マーケティング戦略の必要性が10倍に加速しました。マーケティングチャネル間のつながりを構築し、それぞれのデータを戦略的に活用することは、買い物客の獲得と維持において、これまで以上に重要な役割を果たすことになるでしょう」と、アメリカのIT企業・Astound Commerce、VP Client PartnerのAndrew Liebowitzは述べています。

Eコマースの次の進化は、コネクテッド・コマースです。 どのようなチャネルであっても、お客様はブランドが運営するサイトで買い物をしているのと同じパーソナライズされた体験を得ることができます。

Andrew Liebowitz, VP Client Partner, Astound Commerce

Adroll

加えて、アメリカのソフトウェア企業・AdrollのChief Marketing OfficerであるJason Finkelsteinによると、カスタマージャーニーはますます複雑になるといいます。

「会話型コマース(チャットや音声)やAR、コネクテッド・テレビ、新しいアプリ、サービスなどのコネクテッド・フィジカル・リテール体験、その他のタッチポイントの増加に伴い、消費者は購入前に多くの接点を経験するようになるでしょう。ブランドは、買い物客とより直接的な関係を築くことに注力する必要があるでしょう。」と Finkelsteinは述べています。

オンラインでもオフラインでも、ブランドはあらゆるタッチポイントで魅力的な体験を提供する必要があり、それには強固なデータを活用することが重要です。

ユーザーのプライバシーへの関心が高まるにつれ、ブランドはファーストパーティデータの取得と、より深く直接的な顧客関係の構築に集中しなければならなくなります。 

Jason Finkelstein, Chief Marketing Officer, Adroll

LiveArea

「2021年には、コネクテッド・デジタル戦略にマーケティングデータを活用することで、チャネルを問わず売上を伸ばすことができるとアメリカのIT企業・LiveAreaのHead of Strategy and ProductであるChris Hogueは述べています。

Hogueは、「COVID-19によるトラフィックの減少、顧客の健康への懸念、買い物パターンの行動変化などを受けて、ブランドは、獲得から購入、フルフィルメントまでの顧客体験においてデジタルが果たす役割を再評価しています。これにより、デジタルに投資する競合他社の数が増え、消費者をデジタルを駆使した独自の購買ファネルに引き込むことができるようになりました。」と述べています。

現在、注目を集め、顧客を惹きつけ、維持することはかつてないほど難しくなっています。COVID-19が登場する以前は、多くのブランドがデジタルマーケティングやEコマースを、二次的なエンゲージメントチャネルや収益源として捉えていました。 しかし、もはやそのようなことはありません。

Chris Hogue, Head of Strategy and Product, LiveArea

3.SMSマーケティングが急成長

SMSマーケティングは、Eコマースブランドにとって最も急成長しているチャネルです。2021年には、その成長がさらに加速すると予測しています。

YOTPO

すでに、SMSマーケティングは、Eコマースブランドの収益の20%という驚異的な数字をもたらしています。

イスラエルのWebマーケティング企業・YOTPOProduct Marketing ManagerであるKim Winterは、「2021年には、ブランドはSMSをよりクリエイティブなものにし、パーソナライズされたメッセージや、より包括的なブランドアイデンティティ、ロイヤルティプログラムのようなブランドコミュニティの他の構成要素との統合に新たな焦点を当てるでしょう。 」といいます。

2021年には、より多くのブランドがSMSをEメール、ソーシャル、有料広告などの他のマーケティング戦略に統合することで、モバイルファーストの会話型チャネルは、より速いペースでROIを押し上げるでしょう。

Kim Winter, Product Marketing Manager, YOTPO

今年、ブランドは、パーソナライズされたモバイルチャネルを活用して、お客様とより深いつながりを構築していきます。これまで、顧客との関係構築は、Eメールやソーシャルメディア、店頭、電話での顧客サービスなど、従来のマーケティングチャネルで行われてきました。これらのチャネルはどれも重要ですが、SMSのように、いつでもどこでも、個人的で直接的な会話による利便性を提供するものではありません。

米国ではすでにSMSを使って商品を勧めたり、割引を提供したりしていますが、EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)でも同じことが行われるようになると予測しています。

Listrak

アメリカのデジタルマーケティング企業・ListrakのSenior Strategic Partner ManagerであるLeah Beitlerは、「89%の消費者が、関わりのある企業からのテキストメッセージを望んでいるにもかかわらず、この貴重なチャネルを顧客へのアプローチに採用している小売業者やブランドは、わずか48%に過ぎません。」と述べています。

SMSは、小売業者が最も高い収益の可能性を引き出すための手段であり続けます。 SMSは、Eメールに比べて1通あたりの収益が2.5倍高く、クラス最高の獲得戦略では1日あたりのSMS登録者数が24倍になり、クラス最高のプログラムではクリック率が20%以上になっています。

Leah Beitler, Senior Strategic Partner Manager, Listrak

4.Googleショッピングの強化

2021年、Googleショッピング戦略の最適化は、Eコマースブランドの秘密兵器となるでしょう。

YOTPO

オンラインショッピングへの関心が高まる一方で、消費者の注意力はますます低下しています。新規顧客とリピーターを同様にコンバージョンさせるには、検索やGoogleショッピングの結果など、カスタマージャーニーの初期のタッチポイントが重要です。

より多くの質の高いレビューによって、できるだけ早い段階で消費者の関心を引くことがますます重要になっています。YOTPOのProduct Marketing Managerである Olivia McNaughtenは、「来年は、ブランドがGoogleショッピング戦略をさらに進化させることを期待しています」と述べています。

Googleの検索結果の上位に表示されるようなレビューを増やすことに加えて、ブランドは収集したレビューの質にも注意を払う必要があります。

Olivia McNaughten,Product Marketing Manager,YOTPO

Googleショッピングの検索結果で自社のブランドを最適化することで、より多くのトラフィックを獲得することが可能。McNaughtenは、「買い物客が貴社のサイトにたどり着いたとき、豊富で情報量が多く、思慮深いレビューが表示されていると良い」と推奨しています。

「2021年には、レビューリクエストにAIを活用して、より賢い質問をしたり、お客様が書くべき適切なトピックを提案したりすることで、コンバージョンにつながる質の高いレビューをより多く集めることができます。」

製品レビューに加えて、Googleサイトのレビューの収集にも注力すべきです。これにより、初期のタッチポイントで製品を最適化することができ、2021年にはさらに重要な収益チャネルとなります。

5.モバイルを中心とした体験へと移行

アプリからソーシャルショッピングまで、消費者はあらゆる行動をモバイルに切り替えています。実際、消費者の起きている時間の27%以上が携帯電話を使っている時間だと言われています。

消費者がこれまで以上にモバイルに時間を費やしているため、ブランドはそれに追いつくために体験をアップデートする必要があります。

モバイルに最適化されたショッピング、SMSマーケティング、ソーシャルコマース、ロードスピード、機能的なUXなどが、Eコマースブランドの基礎となるモバイルファーストのマーケティング戦略の柱となるでしょう。

Klarna

買い物客はすでに、スタイルや美容に関するアドバイスを友人や家族、同業者からオンラインで求めています。「カタログやランウェイで最新のトレンドを知るのではなく、買い物客はソーシャルプラットフォームや友人と過ごすようになり、何を買うかは周囲の人々によって決定されるようになったと、フィンランドのフィンテック企業・KlarnaのHead of US、David Sykesは述べています。

私たちは、ソーシャルショッピングという現象が今後も継続(および増加)すると予測しています。 これは、消費者が新しいブランドをお互いに共有することを促すものです。 ソーシャルグループ内での推奨という行動傾向が続く中で、ブランドの認知度を高めるためには、消費者とその友人がいる場所にブランドが存在することが重要になります。 

David Sykes, Head of US, Klarna

デジタルネイティブなD2Cブランドは、ソーシャルショッピングをリード。彼らは、買い物をするブランドとの本物の交流を求める現代の消費者に、どのように話しかけるべきかを知っています。Eコマースブランドはソーシャルプラットフォーム上で自然に存在することで、消費者がいる場所で出会うことができます。

Shopify

Eコマースが成長を続けるにつれ、企業とお客様の間のオンラインでの対話を促進することがますます重要になってきます。Shopifyは社内のデータを調査した結果、2021年に定着しそうなトレンド、特に便利なショッピング体験に焦点を当てたトレンドをいくつか発見しました。

独立した小売業者は、顧客がオンラインで過ごす場所で顧客と出会う方法を多く採用しています。 パンデミックが始まった3月から4月にかけて、Shopifyのチャネル統合によるFacebookやInstagramでのマーケティングでは、月間アクティブユーザー数が36%増加しました。この傾向は今も続いています。

Fatima Yusuf, Director of Partnerships Ecosystem, Shopify

Shopify社のレポートによると、迅速で無料の配送、会話型のコマース、買い物可能なソーシャルメディアなどの機能は、独立した小売業者が利便性と信頼性を実現するために役立ちます。

2021年には、イギリス、スペイン、フランス、カナダ、ドイツの若年層のオンラインショップ利用者は、高年齢層と比較して、引き続きソーシャルメディア経由で購入する傾向が強いと考えられます。

YOTPO

YOTPOは、特にソーシャルプラットフォームがコマースを強化すると予測。FacebookやInstagramはマーケットプレイスを構築していますし、TikTokはShopifyの事業者がTikTok上で広告を配信することを可能にしています。

ブランドはソーシャルプラットフォームを活用してターゲット層を絞り込み、認知度を高め、ユーザー生成コンテンツとブランドコンテンツの両方で定義される強固なアイデンティティを構築することが容易になります。

Josh Enzer, VP of Strategy,YOTPO

2021年には、ブランドがソーシャルでの販売によって新たなオーディエンスを獲得しようとするだけでなく、ソーシャルプラットフォーム自体も、コマースを促進するためのインフラの構築に力を入れていくでしょう。

Tapcart

アメリカのインターネット企業・TapcartのSenior Content Marketing ManagerであるGabrielle Woodenは、「今年は”モバイルコマース”が注目された年でした。」と語ります。

2021年には、モバイルコマースがさらに進化し、特にEコマース分野では、コードレスのモバイルアプリがトレンドとなるでしょう。

Gabrielle Wooden, Senior Content Marketing Manager, Tapcar

2020年第2四半期のモバイルアプリの利用率は前年同期比で40%増加し、アプリへの消費者支出は270億ドルと過去最高を記録。これは、パンデミックの影響が大きいです。人々が外出を控えているため、モバイルの利用率は全体的に上昇。「来年に向けて、第3四半期、第4四半期と、この傾向が継続して高まることを期待しています」とWoodenは述べています。

Statement Agency

商取引がモバイル化するにつれ、ユーザーの期待の高まりに対応することがますます重要になってきます。

2021年には、ユーザーの期待に応えることが、一回限りの買い物客を生涯の顧客に変えるための基本的な役割を果たすと予測しています。 効果的なデジタルマーチャンダイジング、オムニチャネルのショッピング体験、顧客ロイヤルティの提唱などを通じて、ユーザーが期待する機能を提供することが、ユーザーの関心を維持する唯一の方法です。

Emma Phillips, Head of Group Marketing, Statement Agency

ワンステップチェックアウト、スピーディなロードタイム、直感的な体験、パーソナライズされた商品の提案、迅速な配送、オムニチャネル体験など、ユーザーの期待に応えるには多くのことが必要だと、Statement Agencyの Head of Group MarketingであるPhillipsは言います。

6.パーソナライズな体験にAIを活用

新しいニュースではないことは承知していますが、人工知能は今まで以上に急速に増加しています。パンデミックの影響で、買い物客を惹きつけ、買い物の過程で飽きさせないパーソナライズされた体験を作る必要性が高まっています。

Justuno

消費者のオンラインショッピングの習慣は高まっており、それに伴いユーザーの期待も高まっています。すべてのトラフィックを1つのランディングページに誘導したり、件名に名前を入れただけのメールを送信したりするだけでは、もはや十分ではありません。

消費者はパーソナライゼーションを求めています。「AIを活用してコンバージョンを改善し、パーソナライズされたオンライン体験を実現することで、企業はマーケティング活動の成果をより早く、そして全体的な成長戦略に幅広い影響を与えることができるようになるでしょう。」とアメリカのインターネット企業・JustunoのDirector of MarketingであるJane Serraは述べています。

今年はインテリジェントなマーケティングツールが増えました。 マーケティングにおける人工知能の利用は、効率的に市場を拡大しようとしているEコマース企業にとって、さらに普及すると予測しています。 AIは、ブランドが投資しているマーケティング費用からより多くのものを提供してくれるでしょう。

Jane Serra, Director of Marketing, Justuno

2021年には、よりスマートなサイト体験買い物客の好みのチャネル経由で送られるカスタマイズされたレコメンデーション、パーソナルチェックアウト、自動ロイヤリティ還元などが実現するでしょう。

もしあなたのブランドが、まだAIを搭載したアルゴリズムの助けを借りずに顧客へのマーケティングを試みているのであれば、2021年はAIを搭載したアルゴリズムの助けを頼ることに踏み出すべきです。

7.マーケットプレイスの活用

2020年、それまでダイレクトチャネルを選択していなかった小売企業は、買い物客の好みをより深く理解する方法としてD2Cに注目。ニーズを反映してブランドを刷新しました。多くの企業は、完全なD2Cモデルを採用するのではなく、D2CチャネルやD2Cサブブランドを追加して、ダイレクトショッピングを好む顧客にアプローチしています。

2021年、オンラインまたは実店舗で、さまざまなブランドの商品を販売する小売業者であるマーケットプレイスは、こうしたD2Cスタイルの体験を提供することに注力します。

Astound Commerce

ほとんどの買い物客は、自分がマーケットプレイスで買い物をしていることに気づきません。Best BuyやHome Depotからオンラインで商品を購入している人は、これらのブランドから直接商品を購入していると思っていますが、実際にはマーケットプレイスで買い物をし、他の企業から商品を受け取っています。 

Eコマースビジネスは、顧客のいる場所にいる必要があり、顧客は絶対にマーケットプレイスにいます。ここにはバズワードや哲学はありません。

Andrew Liebowitz,VP Client Partner,Astound Commerce

一流の体験を確実に提供するために、ブランドはカタログとサプライチェーン・ロジスティクスをしっかりと管理する必要があります。ブランドのロイヤルティと期待は、たとえ自社ブランドのEコマースサイトでなくても同じなので、ブランドはすべてのチャネルで同じ期待を提供できるようにすべきです。

Leibowitzは、「マーケットプレイスを使って、製品、価格、メッセージをテストしてみてください」と勧めます。

どのような製品であっても、マーケットプレイスは、自社製品を販売していないときでも、顧客とのつながりを継続的に構築するシームレスな体験を提供することが求められます。

8.サブスクリプションビジネスの増加

2020年には、パンデミックの発生により、ブランドは長期的に収益を増加させる方法を模索する必要がありました。サブスクリプションビジネスはそのための新たな手段に。

2021年では、サブスクリプションビジネスを活用するEコマースブランドの数は増加し、マーケティングチャネル全体で大きく統合され、最適化されるようになるでしょう。

ReCharge

アメリカのEコマース支援企業・ReChargeのGrowth Marketing ManagerであるChase Aldertonは、「2020年は、誰もが望むような状況ではなかったものの、ほぼすべての業種で大規模な成長を遂げた年でした。2021年、再注文と顧客エンゲージメントの手段を構築することが、ブランドが予測可能性と拡張性を構築するための主要な手段になります。」と言います。

歴史的にサブスクリプションベースではなかった製品や業界での成長が期待されます。 特に、顧客に真の価値を提供すると同時に、LTVの向上と継続的な顧客エンゲージメントチャネルというメリットがあるサブスクリプションモデルを採用する小売業者は増えています。

Chase Alderton, Growth Marketing Manager, ReCharge

サブスクリプションビジネスに参入するブランドが増えるにつれ、競合他社との差別化を図る方法が必要です。メリットを提示し、利用者の心を掴みましょう。

9.パーソナライズ化が収益の原動力に

2021年には、パーソナライズ化をさらに強化する必要があります。

Adroll

今や買い物客は、自分の好みを予測して提供してくれることを好むだけでなく、期待しています。

ブランドの成功には、顧客との関係性を最大限に深めることが重要です。 ブランドが顧客を理解し、いつ、何を、どのように、コミュニケーションするかを絞り込める戦略が大事になります。

Jason Finkelstein,Chief Marketing Officer, Adroll

2021年には、オンラインで買い物をする人の数が格段に増え、注意力も低下し、購入前の接触回数も増えます。ブランドが、適切なメッセージと既存の関係なしに、買い物客にアプローチすることは難しいです。

AdrollのChief Marketing OfficerであるFinkelsteinは「この状況を避けることはできません。Eコマースのマーケターは、より洗練されたものにならなければなりません。」と述べています。

Justuno

オンラインショッピングの増加に伴い、ブランドは、オウンドメディアの各チャネルでパーソナライズされた体験を提供する必要があります。

JustunoのDirector of MarketingであるJane Serra氏は、「すべてのステップをパーソナライズする」と言います。「オーディエンスのプロフィール情報を利用して、パーソナライズされた商品を訪問者に提案。お客様の体験をクロスデバイスで追跡し、常に同じようにカスタマイズされた体験を得られるようにします。」

より深い顧客データを活用して、あらゆるチャネルでより直接的でインパクトのある顧客体験を構築することで、ブランドはカスタマージャーニー全体を把握するためのあらゆる機会を最大限に活用することができます。

10.ロイヤリティプログラムの重要性が高まる

2020年、消費者は頻繁にブランドを乗り換えていました。2021年では、ブランドは新規顧客のロイヤリティを維持するために、D2Cのブランド体験を倍増させ、顧客が関心を持つ活動を支援し、ロイヤリティプログラムを拡大すべきです。

YOTPO

パンデミックは、消費者の行動に変化をもたらしています。YOTPO社のProduct Marketing ManagerであるKatie McKeever氏は「経済的な課題の増加に伴い、消費者は価値や利便性を重視するようになり、より安い、または入手しやすいという理由でブランドを選ぶことがあります」と発言。

新しい買い物客の流入は、顧客維持のチャンスでもあります。すべての新しい消費者に、付き合う価値があるブランドであることを証明することが不可欠です。ロイヤリティプログラムは、オンラインでもオフラインでもお客様を第一に考えた感情的な絆を築くことで、付き合う価値を証明することができます。

パンデミックが始まって以来、約30%の消費者が、ブランドへの親近感を感じたことが理由でブランドへの忠誠心を高めています。そのため、ブランドが何か特別なものを提供していることを示すことが重要です。

2021年、ロイヤリティプログラムは、コミュニティと安全性の感覚を生み出す必要があります。 消費者が価格を気にして罪悪感を抱くのではなく、自信を持ってブランドにお金を使ってくれるように、消費者との関係を築くことが不可欠になります。

Katie McKeever, Product Marketing Manager, YOTPO

新規顧客にとって魅力的なロイヤルティプログラムを維持するには、顧客に合わせたタイミングが重要です。毎年特典が変わることのない、単純で画一的なロイヤリティプログラムの時代は終わりました。ショッピングシーズンやホリデーシーズンに合わせてキャンペーンを行い、週末や1日、あるいは1時間だけであっても、期間限定の特典やオファーで買い物客を惹きつけることができます。

まとめ

2021年は、SMSマーケティングが成長するなど、モバイルを優先した取り組みがトレンドとなります。

また、D2Cブランドやサブスクリプションビジネスの増加など、さらに多くの企業がEコマース業界に参入、市場規模は拡大していくと予測されます。そのため、既存顧客を新規参入企業に奪われないために、パーソナライズ化やロイヤリティプログラムがますます重要です。

レビュー収集やロイヤリティプログラムなど既存顧客を維持する施策を実行できるUGCマーケティングツール・YOTPOはこちらから。

※本記事は、「10 eCommerce Predictions for 2021, From the Experts」を翻訳・加筆修正したものです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

梶田真衣

2020年2月入社。マーケティングチームのインターン生。オーストラリアへの留学経験あり。

関連記事一覧

タグから探す
バックオフィス
Web接客
DX(デジタルトランスフォーメーション)
SMSマーケティング
マーケティング全般
市場・競合分析
AR(拡張現実)
画像認識AI
VOC(voice of customer)
BI(ビジネスインテリジェンス)
D2C
EC
ロイヤリティマーケティング
リードジェネレーション
インサイドセールス
インフルエンサーマーケティング
UGCマーケティング
SNSマーケティング
コンテンツマーケティング
メールマーケティング
ソーシャルリスニング
サイト改善
レコメンド
パーソナライズ
ABテスト
UI/UX
ヒートマップ
LPO
アクセス解析
EFO
サイト集客
SEO
Googleショッピング
アドフラウド(不正広告)
広告最適化
リスティング広告
SNS広告
Amazon広告
営業・顧客管理
プロジェクト管理