チャットボットで顧客の不安を払拭!ECサイト活用事例まとめ
ECサイトのチャットボットは、2016年にFacebookとLINEがオープン化したことで、ECサイト本体との連携がとりやすくなったことから、たくさんの企業で取り入れられてきました。
ブランドにとって、チャットボットは、時間、デバイス、タイミングを選ばず、消費者と繋がることができる手段です。また、消費者は24時間年中無休でサポートを受けることができ、ECサイトのコンバージョン率向上も期待できます
この記事では、注目すべきチャットボットやボットビルダーを国内・海外の両方の視点から紹介します。
目次
1.Facebookの活用やH&Mの事例など海外事例3選
まずは海外の導入事例です。
本章で掲載するツールは、必ずしも日本語対応しているわけではないので、「活用された切り口」をもとにご紹介します。
内容は、UGCマーケティングツール提供するYOTPO社の記事「15 Best Shopping Bots for eCommerce Stores」から抜粋しました。
1.顧客の好みを反映 ECサイトへの活用例
Madi
Madison Reedによるこのボットは、ユーザーが自分の個性を反映したヘアカラーを選ぶ手助けをします。
手順は、ユーザーの希望するヘアスタイルについての質問から始まります。パラメータが設定されると、ユーザーは自分の写真をアップロードし、その画像に基づいておススメのヘアスタイルを受け取ることができます。
2.メッセージアプリへの導入
Facebook Messenger
世界中で使われているメッセージアプリFacebook Messengerは、日本企業も含む、多くの会社が取り組んでいます。
(1)Shopify Messenger
Shopify Messengerは、Facebook Messenger上で完全なショッピング体験を実現。顧客は、カタログやおススメ商品の閲覧、商品代金の支払い、注文と配送の確認、カスタマーサービスのリクエストなどを行うことができます。
販売チャネルとして、Shopify Messengerは加盟店の既存のプログラムと統合して、商品説明、画像、サイズを取り込むことを可能にします。
(2)5Gifts4Her
5Gifts4HerのショッピングガイドSparkleは、Facebook Messengerを拠点とし、プレゼントの購入の手助けをするチャットボットです。ユーザーはキーワードを検索したり、Amazonのプロファイルに基づいてお勧めを取得したりできます。
このボットは、急いでいる人向けのリストも提供しており、ユーザーが共有したり、コメントしたり、欲しいものリストを集計したりすることができるので、ソーシャルを最大限に活用することができます
Kik Bot Shop
アメリカの若者を中心に人気のメッセージアプリ・Kikの中にある、Kik Bot Shopは、会話型コマースの会話の部分に注目。H&M、Sephora、Kim Kardashianを含む3億人の登録ユーザーがいます。
ブランドはモバイルアプリを使って自身のチャットボットを作成し、コーディングの知識があればPython、JavaScript、curlコマンドを使って、APIキーを設定することができます。
Kikのガイドでは、技術的な知識のないユーザーでもセットアップのプロセスを学べます。また、一人でプロジェクトを進めるのではなく、プロジェクトのアイデアから実装までを代行してくれるお勧めの代理店を紹介することも。
最も簡単に始められるのは、Kikのアプリ「GiftGuru」です。ユーザーが発見して、すぐに購入できるよう、プラットフォームに直接商品をアップロードできるようになっています。
それでは、Kik Bot Shopを実際に活用した事例を2つ紹介します。
(1)H&M
Kik Bot Shopの一つであるH&Mのボットは、パーソナルショッピングアシスタントのような機能を持っています。ユーザーの好み、サイズ、買い物の傾向などについていくつかの質問をした後、複数の選択肢からお勧めの商品を選ぶことができます。
ボットは、その後のチャット、オンサイトでの買い物習慣、H&Mのアプリからのデータを組み合わせて、各顧客の好みを学習し続けます。
(2)CelebStyle
Kik Bot Shopの一つであるCelebStyleは、ユーザーが尊敬するセレブリティに基づいて商品を探すことを可能にします。このボットは、「どのセレブのスタイルが見たいですか?」と尋ね、その答えにあった商品を提示します。
BlingChat
パキスタンで人気のメッセージアプリ・LiveChatZone内の、BlingChatは、結婚式を計画している人がイベントの様々な側面を見つけて管理するのに役立ちます。ボットのコンテンツは消費者の体験に沿ったもので、提案されたアイテムの後に「どうですか?」と尋ねるようになっています。
3.ボットをよりよくするツール
Yellow Messenger
Yellow Pagesにインスパイアされたこのボットは、映画や飛行機のチケットからEコマースやモバイルチャージまで、あらゆるものを購入するためのやりとりを提供しています。
Yellow Messengerを設定するには、ここで紹介した他のボットよりも高度な技術的知識が必要ですが、準備された配備に頼りながら独自のボットを構築できる数少ない選択肢の一つです。
Facebook Messenger、Telegram、Skype用のボットを作成することもできますし、MicrosoftのオープンソースのAzureサービスやBot Frameworkを使ってアプリを構築することもできます。
2020年4月に世界展開に向けてシリーズBで2,000万米ドル調達しており今後伸びてくるかもしれません。
Letsclap
Letsclapは、チャット、画像、ビデオ、音声、位置情報を実装することで、顧客のボット体験をパーソナライズ化するプラットフォームです。Facebook Messenger、WeChat、Telegramに対応しています。
これにより、Eコマースブランドはボットに個性を与え、会話型コマースに信頼性を付加することができます。また、顧客との会話の統計を追跡し、データ入力を軽減、バーチャルアシスタントとしての役割も果たします。
2.ECサイトやLINEに導入、国内ツール5選
次に、国内で展開されているツールも調べてみました。
本章では、ECサイトに限らず様々なサービスで導入されてる事例をご紹介します。
1.hitobo
ヘルプサイトはあるのに同じような質問が何度も来てしまうという悩みを解消するhitobo。顧客がチャットに質問をすると、それにマッチした回答を代わりにしてくれます。自動対応できる質問かできない質問かの振り分け、時間外対応も可能です。
インターネット用のセキュリティー会社・トレンドマイクロも導入しています。
[引用]hitobo公式ホームページ
2.ChatDealer
ChatDealerは顧客対応だけでなく、社内ヘルプデスクとしても活用できます。チャットボットの動きをフローチャート式に表示することで、視覚的に作成、追加や見直しも簡単に行えます。また、データ分析も可能です。
ショッピング、オークションの相場検索サイト・aucfan.comは、Chat Dealerの導入で、問い合わせ対応件数は40%減少。特にスマートフォンからの問い合わせは半分になりました。
3.LINE Messaging API
2016年、LINEが「Messaging API」を発表したことにより、LINE上でチャットボットを導入することが可能に。LINE上のビジネスアカウントと提携することで、利用できます。
任意のタイミングでユーザーに送信できるプッシュメッセージと、ユーザーからのメッセージに対応して応答する応答メッセージがあります。個人だけでなく、グループに招待されれば、グループ内にメッセージを送信することも可能です。
ライフネット生命は、LINE Messaging APIの導入で、保険診断の簡略化に成功。電話で取り込みにくかった20代~30代の訪問率を高め、LINE経由の見積り件数は導入前の1.5倍に。
4.BEDORE
自動応答エンジンBEDOREは、のべ5000万人の会話ログを分析することで、高精度のユーザー意図理解を実現。また、会話ログを業界別に整理することで、「業界用語」にも対応しています。
チャットツールやWEB、LINE、スマートスピーカーのような音声システムなど様々なチャネルへの接続や、ユーザー1人1人によりパーソナライズ化された対応するためにCRMとの連携が可能です。
資生堂は、BEDOREを導入した結果、問い合わせの約80%を自動応答で対応することに成功、今まで対応できていなかった夜間の相談に対しても即時に対応できるように。
5.chamo
chamoは日本のボットビルダーの一つで、累計導入社数は4,500社を超えます。スマホでもPCでも、ECサイトを見ながらチャットを打つことが可能です。また、顧客の状況に合わせたメッセージを自動配信できます。
ウィッグ・エクステ専門ブランド・リネアストリアは、このchamoを導入し、顧客とより気軽にコミュニケーションがとれるようになりました。また、分析機能も活用しています。
[引用]chamo公式ホームページ
3.まとめ
チャットボットによって、ブランドは、カスタマージャーニーのどの場面からでも顧客にアプローチでき、顧客は、24時間365日いつでもお客様の疑問を解消することができます。
オンラインショッピングは、実店舗でのやり取りと違い、顧客とブランドが会話をすることが難しいです。その際に生まれる、顧客の不安や勘違いを、チャットボットは解消できます。
活用を検討してみてはいかがでしょうか。
※本記事は「15 Best Shopping Bots for eCommerce Stores」を翻訳・加筆修正したものです。
<参考記事>
AIチャットボットサービス3選(hitobo,AI.Biz,Chat Dealer)
チャットボット(Chatbot)とは【人工知能との関係、開発の方法】

MarTechLab編集部
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