顧客の80%が向上を実感、ロイヤリティプログラムを改善する3つの方法
消費者にとって、買い物の選択肢はオフラインだけでなくオンラインにも広がり、数に限りはありません。それにもかかわらず、ロイヤリティの高い顧客は、同じブランドを繰り返し選びます。
ロイヤリティを抱くきっかけは何でしょうか?
継続したロイヤリティを得るためにはどうすればいいのでしょうか?
本記事では、実際の調査を基にした、顧客視点で考える「ロイヤリティプログラム」についてご紹介します。
目次
1.調査方法
2019年10月、UGCマーケティング代理店・YOTPO社は、顧客の気持ちを理解し、ブランドロイヤリティを提供するため、イギリスの男女1,008人に調査を行いました。
調査対象者の年齢分布
Z世代(18-24歳) 13.3%(134)
ミレニアル世代(25-34歳) 22.9%(231)
X世代(35-54歳) 45.3%(457)
ベビーブーム世代(54歳以上) 18.5%(186)
2.顧客の80%がロイヤリティ向上を実感、その定義とは?
買い物客の80%は、一年前と比べ、ブランドロイヤリティが向上していると言っており、ブランドロイヤリティが減少したと答えた割合はわずか20%です。
彼らが高まったと感じているロイヤリティとは、具体的に何でしょうか。調査回答者の3分の2以上(67.2%)が、ブランドロイヤリティを主に「同じブランドから購入すること」と定義し、約3分の1(34.6%)が感情的なつながりや “愛 “に関するものだと答えています。
「同じブランドから購入する」と回答した人の大多数は、単に数回のリピート購入を指しているわけではありません。実際、42.1%の人が、自分のブランドロイヤリティが高いと考えるには、5回以上の購入が必要であると答えています。
消費者がブランドロイヤリティをリピート購入と感情的なつながり(愛)の観点から定義しているとわかりましたが、ブランドロイヤリティの最初のきっかけとなるものは何でしょうか。
77.3%の回答者が「商品」を一番の動機とし、続いて「価格」(59.3%)、「サービス」(28.1%)の順となりました。
まとめ
顧客にとって、ブランドロイヤリティが向上している状態とは、同じブランドから5回以上購入することであり、ロイヤリティのきっかけは、商品であるとわかりました。変化し続ける顧客のニーズに商品で応えるため、継続的にフィードバックをもらうことが重要です。
3.顧客がロイヤリティを持つブランドの数はいくつ?
ロイヤリティの高い買い物客は、商品について友人や家族に推奨する傾向にあり、価格の低い商品を好む買い物客でさえも消費額が大きくなり、58.5%がブランドロイヤリティプログラムに参加したいと回答しています。
さらに、75%の買い物客は知人から勧められたブランドから購入する可能性が「やや高い」または「非常に高い」と答えています。つまり、ロイヤリティの高い顧客からの推薦は、似たような考えを持つ消費者にリーチし、獲得することに非常に効果的です。
しかし、1人の顧客がロイヤリティを持つブランドの数には限りがあります。56.9%の顧客は、最大でも5つのブランドにしかロイヤリティを持っていません。トップ5に入るために、ブランドは革新的であると同時に、顧客のニーズに最大限の注意を払うべきです。
トップ5に入る隙はまだあります。EC市場です。顧客ロイヤリティは全体的に増加していますが、オンラインブランドはまだそのロイヤリティを活用できておらず、その状況は消費者の行動に反映されています。
調査では、オンラインブランドにロイヤリティがあると答えた買い物客はわずか5分の1(20.3%)にすぎませんでした。しかし、18歳から24歳の消費者だけを対象にすると、この数字は39.5%と2倍近くになります。
まとめ
1人の顧客がロイヤリティを持つブランドの数は5つまで。そのトップ5に入るため、EC市場でのアプローチをすることが有効です。
4.ギフトを希望44%、ロイヤリティプログラムに求めるものは?
それでは、オンライン上で顧客のロイヤリティを高めるにはどうすればよいのでしょうか。調査の結果、買い物客が求めているのは、割引だけではないとわかりました。
割引や送料無料以外に、ブランドのロイヤリティプログラムに最も欲しいものは何かと尋ねたところ、回答者の半数近く(44.2%)がギフトやノベルティと答えました。その他では、オーダーメイド品やおすすめ商品、セールや新商品への早期アクセスなどが挙げられます。
つまり、買い物客は購入する以外の行動でもポイントを獲得したいと考えています。例えば、SNSアカウントをフォローすることでポイントを獲得する機会を与えることで、顧客とブランドの交流が増え、ブランドのことを常に気にかけてくれるようになると同時に、顧客が将来の購入に向けてブランドを信頼できるように。
ポイント獲得時のバラエティの少なさに加え、買い物客は主な不満として、面白くない特典(33.1%)、特典交換の難しさ(26.7%)、オンラインと店舗の両方でロイヤリティプログラムを利用できないこと(25.4%)、サードパーティセラーではポイントがもらえないこと(28.4%)を指摘しています。
まとめ
顧客はギフトやノベルティといった購入時以外のロイヤリティプログラムを求めている一方で、プログラムが不便であったり、オンラインと店舗で連動性がなかったりすると不満に感じます。
5.ロイヤリティプログラムを改善する3つの方法
一般的に、買い物客はシームレスな体験や、パーソナライズ化された興味深いロイヤリティプログラムを求めています。この章では、ユニークで、買い物客が求めているようなロイヤリティを提供するための3つの方法を紹介します。
1) 割引ではなく価値を提供する
価格や利便性も、ロイヤリティを高める要因となりますが、44.2%の買い物客がギフトやノベルティを求めており、36.8%の買い物客が購入以外の方法でポイントを獲得したいと考えており、33.1%の買い物客が報酬に興味がないと考えています。
ロイヤリティプログラムを構築する際には、買い物客がポイントを獲得したり、交換したりする方法を工夫しましょう。例えば、写真を投稿した買い物客にポイントを提供。この投稿は、ブランドとの新たなタッチポイントを与えるだけでなく、あなたのECサイトやソーシャル上に表示することができる強力なソーシャルプルーフとなります。
ポイント還元には、ブランドファンのためのユニークなギフトを提供しましょう。ブラジルにインスパイアされたブランド・Sol de Janeiroでは、ロイヤリティプログラムのメンバーにポイントを使って「Team Bum Bum」というブランドのTシャツや帽子(商品や香りにちなんだもの)をもらえる権利をプレゼントしています。
2) オムニチャネル
4分の1以上の買い物客が、店舗とオンラインの両方でロイヤリティプログラムを利用できないことに不満を持っているため、ブランドが成功するためには、顧客がどこにいても対応する必要があります。
IDC Retail Insights の調査によると、オムニチャネル戦略を実行することで、以下のような結果が得られることが明らかになりました。
平均取引量の15~35%の増加
ブランドファンによる支払い額の5-10%の増加
1つのチャネルのみを利用する顧客と比較して、LTVが30%高い
店頭で購入した顧客がオンラインでポイントを獲得したり、交換したりできるように、POSシステムと統合したロイヤリティプログラムに投資しましょう。
3) VIP待遇
買い物客は、セール(38.3%)や新製品(28.8%)への早期アクセスを望んでいると回答しており、ロイヤリティプログラムにこれらの特典を追加することで、会員は自分たちが特別な顧客であるように感じます。
VIP限定の体験を提供することで、顧客はロイヤリティプログラムに参加することで、ブランドでのステータスが高まると理解します。韓国の美容ブランド・ Soko Glamは、会員が段階的にVIPプログラムにランクアップするにつれて、ますます魅力的な特典を提供することに成功しています。
これらの特典を最もロイヤリティが高い顧客だけに提供することが鍵となります。
6.まとめ
1人の顧客がロイヤリティを持つブランドの数は5つまでなので、トップ5に入るため、EC市場でのアプローチをすることが有効です。
また、顧客はギフトやノベルティといった購入時以外のロイヤリティプログラムも求めているため、価値を提供・オムニチャネル・VIP待遇の3つの方法の中から、始めてみてはいかがでしょうか。
ECサイトの売上向上するUGCマーケティングツール・YOTPOでも、ロイヤリティプログラムを提供しています。
詳しくはこちらからお問い合わせください。
※本記事は、「The State of Brand Loyalty in the UK」を翻訳・加筆修正したものです。
梶田真衣
2020年2月入社。マーケティングチームのインターン生。オーストラリアへの留学経験あり。