2016年最新版!中国のモンスターECサイト アリババの成り立ちと儲けの仕組み
ECサイトを運営している人に限らず、今や誰でも一度は耳にしたことがあるだろう
中国のモンスターECサイト、アリババ(阿里巴巴)。
劇的な進歩を遂げ、その勢いはあのアマゾンにも勝るとも劣らない勢いです。
しかしネットやニュースでたびたび取り上げられるアリババですが、その実態を知っている人は少ないのではないでしょうか?
アリババの起源、始まり、売り上げ、儲けの仕組み。
今回はそれらを2016年度最新版として、じっくり解説してみたいと思います!
会社概要
アリババは中国の杭州で1999年に馬雲(ジャック・マー 以後ジャック)を始めとする18人の若者たちによってアパートの一室で始まりました。
しかし当時はまだ中国内ではインターネットもろくに普及していなかった時代。
EC業界へ進出することはあまりに無謀だ、バカげていると多くの方に猛反対され、スタートから大変な道のりだったそうです。
さらに中国で商売と言えば顔と顔を合わせた顔の見えた信用あってこそ、という認識。
そんな環境の中で顔の見えない人と取引するやり方はある意味非現実的でした。
それでもそれまで30以上もの企業を立ち上げ、失敗していた経験のあるジャックは一切諦めることはありませんでした。
インターネットをすべての人にとってより身近で、信頼できるものにするという想いを胸に、
今では
- BtoB向けオンライン取引
- BtoC向けオンライン取引
- CtoC向けオンライン取引
- 決済サービス
- クラウド・コンピューティングサービス
など、さまざまな業界に進出し、中国国内での電子商取引のシェアは8割を占めています。(参照元:Alibaba Japan)
BtoBではアリババドットコム、
CtoCはタオバオマーケットプレイス、
BtoCが天猫Tmall
とそれぞれのサイトが取り扱っています。
アマゾンや楽天はそれらをすべて一つのサイトで取りまとめて行っているので、大きく異なっていることが分かります。
売り上げ(2016年度最新版)
1999年に始まったばかりのアリババですが、2016年3月期決算では、営業利益が2015年の同じ時期に比べ26%増の約4600億円!
売上高は33%増の約1兆6000億
年間を通し、総取扱額は27%増の3兆820億元
日本円にして約49兆円にも上ります!!(参照元:日本経済新聞)
儲けの仕組み
では最後にそのアリババがどの様にしてそれほどの数字を叩き出しているのか、その儲けの仕組みについて、楽天と比べながら解説してみたいと思います!
まず初めに先ほどの章で何か不思議に思ったことはなかったでしょうか?
上記の様に、2015年のアリババの総取引額は49兆円に上るのにも関わらず、売上高は1兆6000億円。
これが楽天(国内グループサービス)の場合だと、総取扱額は6.9兆円で、売上高は7100億円。
(参照元:http://corp.rakuten.co.jp/investors/financial/trends02.html、 http://corp.rakuten.co.jp/about/strength/data.html)
総取引額は楽天のおよそ7倍にあたるにも関わらず、売上高はわずか2.3倍程度の開きしかありません。
この数字は一体どこから来るのか?
その答えはアリババのその儲けの仕組みにあります。
アリババも楽天も出店者から手数料をもらう仕組みを取っています。
しかしアリババは商品販売による手数料ではなく、広告料の手数料のみで収入を得ていて、その手数料もごくわずかな料金でサービスを提供します。
結果的にどうなったかと言うと、ECサイト進出に馴染みの薄い企業のECサイトに対する高く感じられた垣根を取り除くことになりました。
それにより非常に多くの企業が出店し、またそれにより評判はどんどん広まり、さらに多くの企業が出店する。そうして今に至ります。
ジャック本人も言っているように、わずかな広告料であっても“塵が積もれば山となる”という理論によって収益を上げています。(参照元:logmi)
対照的に、楽天はインターネットが既に普及した日本市場を相手にするため、ECサイトの運営を続けるためにどうしても手数料をあげる必要があると考えらます。
またこの儲けの仕組みの裏には会社創業時にジャックが掲げた理念があります。
ジャックは会社創業時、
「中国に存在する15%の大企業だけでなく、85%の中小企業も救いたい。85%の中小企業にも中国全土、国外、世界に対してサービスを提供できる場を設けたい。」
と言っていました。
ジャック自身、裕福な家庭の出ではなかったので、中小企業を応援したい気持ちがあったのでしょう。(参照元:おかねの学校)
まとめ
以上のようにして、ジャック・マーを中心に始まりたった17年で49兆円もの取引を行っているアリババを今回は取り上げてみました。
刻一刻と変化するEC業界で、一際大きな発展を見せるアリババ。
日本ではタオバオや天猫Tmallも含め、まだあまりその名前を聞くことは多くはありませんが、今後アリババグループがどのような動きを見せるか、
EC業界におけるその影響から目を離せませんね!