レビュー(クチコミ)はキラーコンテンツ?!CVへの貢献度をヒートマップと心理学的見地から検討する

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「レビュー(クチコミ)が大事ってよく言うけど本当に読まれているの?」

ECに携わる方ならこのような疑問を一度は感じたことがあるのではないでしょうか?

レビューをまとめたり、サイト内で掲載するのはなかなかに骨の折れる仕事ですが、その苦労は果たしてどれほどの効果を持つのでしょうか?

今回は、弊社が正規代理店として扱っているヒートマップツール「ClickTale」を用いて、ユーザーがいかにレビューに注目しているのかということを明らかにしていきます。

でもその前に:ヒートマップツール「ClickTale」って?

ClickTaleはウェブページにおけるユーザーの動きを可視化するツールです。

クリックした箇所はもちろん、注目していた箇所までヒートマップとして可視化することができます。

ヒートマップアクセス解析ツールのクリックテール clicktale :マウスの録画、4つのヒートマップ、フォーム解析機能でユーザーの心まで可視化する。

ヒートマップアクセス解析ツールのクリックテール(clicktale):マウスの録画、4つのヒートマップ、フォーム解析機能でユーザーの心まで可視化する。

今回はこのヒートマップツールを用いて、クチコミがいかに注目されるコンテンツなのかを見ていきます。

レザーケースストアの事例:レビューを表示させただけでCVRが142%UP!

 

レザーケースストア

(分析ページは国立商店様より)

レザーケースストアの商品ページのおけるアテンションヒートマップです。商品画像横のスターレーティング(レビューへの点数)への注目度が非常に高まっていることが分かります。やはり、定量化された点数という尺度はわかりやすく、訴求力が強いのでしょう。

 レザーケースストアクリック

合わせてレビュータブのクリック率も高まっていることが分かります。点数だけではなく、詳しいレビューの内容も読みたいというユーザーが多いようですね。

以上のデータから、レビューコンテンツはいかに注目度が高いかということが明らかになります。

この結果が得られた期間において「YOTPOでレビューを表示させる」以外の施策は行っていませんでした。CVRが142%アップしたのは純粋にレビューの効果と断定することができます。

購入直前ユーザーにとってレビューは最後のひと押しになる!

 セグメントヒートマップ

同ストアにおける購入ユーザーと非購入ユーザーでセグメントし、それぞれのアテンションヒートマップを比較したものです。

非購入ユーザーは3.9%しかレビューリンクをクリックしないものの、購入ユーザーの場合は23.8%がレビューリンクをクリックしています。

このように購入直前ユーザーにとってレビューがある種のキラーコンテンツとして役立っているようなのです。購入の本気度が高ければ高いほど、レビューまでじっくり読み込んで納得したうえで買いたいという意向が強いのでしょう。

クチコミの効果は先行研究からも明らか!

クチコミ(word-of-mouth)が消費者の購買行動に与える影響は、経済心理学などの分野において盛んに研究されています(実はかくいう筆者の専攻はこの分野です)。

消費者の購買心理プロセスにおいて、いわゆるクチコミは非常に重要な位置を占めており、購買意思決定を大きく左右していることは数々の研究で指摘されてきました(Engel et al., 1969; Day, 1971)。

一般にクチコミの発信者とその情報の受け手の間には一切の利害関係がありません。ですから消費者は、クチコミを通じて得られた商品に対する評価を(広告から得た情報よりは)割り引かずに、そのまま高く評価し購入にいたりやすいという傾向があるのです。

これらの知見は『竹村和久. (2000). 消費行動の社会心理学. 北大路書房.』に詳しいのでぜひご覧ください。

他にもクチコミ(レビュー)と消費者購買心理の研究は多岐にわたる

消費者は自身と属性が近い他者から発信されたクチコミをより信頼やすいという研究もあります(澁谷, 2006)。また、親しみ(familiarity)のあるブランドは、親しみのない(あるいは低い)ブランドよりもネガティブなクチコミ(レビュー)の悪影響を受けにくく、ポジティブなクチコミの効果が促進される (D.S. Sundaram and Cynthia Webster, 1999) というような研究もあるのです。

このようにネガティブレビューでさえ、一定の条件下であればそれほど悪影響をもたらすことはなくECサイトの運営者などにとってはまさに福音ともいえるでしょう。

一方でクチコミは消費者心理に大きく影響するため、その取扱いには注意が必要です。クチコミの偽造はもちろん、(実際のところ可能であるとはいえ)あまりに恣意的な印象操作もご法度です。近年の「ステマ」という言葉の流行からもうかがえるように、いき過ぎた恣意性というのはかえって悪印象を与えるおそれもあります。

参考文献

  • Day, G. S. (1971). Attitude change, media and word of mouth. Journal of advertising research.
  • Engel, J., Kegerreis, R., & Blackwell, R. (1969). Word-of-Mouth Communication by the Innovator.Journal of Marketing, 33(3), 15-19.
  • Sundaram, D. S., & Webster, C. (1999). The role of brand familiarity on the impact of word-of-mouth communication on brand evaluations. NA-Advances in Consumer Research Volume 26.
  • 澁谷覚. (2006). インターネット上の情報探索: 消費者によって発信された体験・評価情報の探索プロセス. 消費者行動研究, 13, 1-28.

まとめ:レビューは注目されやすいだけでなくキラーコンテンツになりうる!

購買行動に際して行われる意思決定の背後では、レビュー(クチコミ)コンテンツが大きな役割を果たしていることが明らかになりました。

ヒートマップツールなどを導入して、より効果的なレビューの見せ方を模索することはECサイトをより円滑に運営する助けになるでしょう。

もしあなたのECサイトでレビュー(クチコミ)が掲載されていないならいますぐ試してみましょう。CVアップになんらかの効果があるはずです。

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