【例文あり】決裁者アポが取れるパーソナライズメールの作り方

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こんにちは、ギャプライズカスタマーサクセスの原澤です。

決裁者アポイント。

BtoBの営業にとって、商談において決裁者が同席していることは受注までのスピードを上げられる他、価値を直接伝えられるため受注金額の増加も図れます。

しかし、決裁者は権限を持っている分仕事が忙しく、なかなかリーチすることができません。

そこで今回、メイン業務の傍ら、1日たった20分のメール作成作業から半年間に一人で11件の決裁者アポイントを獲得したパーソナライズメール手法をご紹介します。

中には上場企業の取締役への商談獲得から短いタームで高額受注にいたったケースもありました。

1.パーソナライズメールとは?

パーソナライズメールとは?

パーソナライズメールに関して正式な名前等はなく、私が社内で使っていた造語です。「Personalization email」で検索してみるといくつかパーソナライズメール事例がありました。

上記はマーケティングオートメーション等も交えたパーソナライゼーションですが、私が活用しているのは基本的なGmailにおけるメール作成です。

私の中でパーソナライズメールとは「送り先に最適化された商談案内文章」です。

これは昔からやっていた方も多くいらっしゃるかと思います。ですが、再現性のある形式立ったメール構成まで構築した例は少ないのではないでしょうか。

成果

詳しい作成方法の前に、パーソナライズメールによる成果です。

  • 実施期間:半年
  • メール作成数:129
  • メールの返信によるアポイント:22(11件が決裁者への打診)
  • 受注:4

一見、半年で22件のアポイントは少なく見えるかと思いますが、これには理由があります。

と言いますのも、私は当時営業ではなく、下記記事のようなインサイドマーケターとしてマーケティングオートメーションを活用したリードの生成とコンテンツ作成がメイン業務であり、メール作成業務は片手間にやっていました。

【MA配信データ全公開】リサイクルリードからMQLを生成する方法

インサイドセールスからアプローチしたい対象へのメール作成依頼を受け、20分で私がメール文章を作成。これを再びインサイドセールスに戻して送信する、といった一連のフローを実施した結果が上記となります。

なので、インサイドセールスのゴーストライターをしていた、といった方がわかりやすいかもしれません。

なぜ始めたのか?

私の属しているインサイドマーケティングチームでは、一つ、大きな課題がありました。それは「役職が部長以上のリードになると電話してもつながらない」という課題です。

想像に容易いかと思いますが、管理職、または経営層は忙しく、営業電話をとることはほとんどありません。

しかし、営業側としては決裁者に直接アプローチしたいのは正直なところでしょう。

このような課題があったため、解決すべく考えたのが、お客様ごとに最適化されたメールをお送りすることでした。

決裁者への電話は受付や秘書を通すといった間接的な場合が多いですが、メールなら直接届きます。件名が気になって開き、記載内容がお客様にとって利益がある場合、商談の機会を頂けることもあります。

念の為断っておきますが、アプローチする相手にとって利益がある場合のみメールをお送りしています。送信者が決裁者だからといって、むやみやたらに送ることはありません。

私もいくつか商談についていきましたが「メールありがとう」と、感謝の言葉を頂くこともありました。

2.文章構成

重要なのは時間をかけないこと

メール文章の平均文字数は、添付した記事URLも含めて約500文字と、少し長めです。

ちなみに、弊社は海外のSaaSを取り扱っていることもあり度々海外のインサイドセールスとも話しますが、海外では3~4文程度の内容が異なる短いテキストメッセージを複数回送るパターンが主流でした。

この短文パターン。私も試してみましたが、返信は全くありませんでした。これは個人的な見解ですが、日本人は短文を複数回よりも、やや長文で丁寧な文章を好む傾向が強いです。

重要となるいくつかのポイントは後述しますが、最も重要なのは「メール作成に時間をかけすぎない」ことです。

私の場合、お客様情報の下調べからメール作成完了まで20分以内と決めていました。

基本は5ステップ

メール作成の基本構成は下記です。

  1. 導入文
  2. 要点への繋ぎ
  3. 要点
  4. 要点の解説
  5. アポ催促

実際の例文は後ほどご紹介します。ここでは、各ステップのポイントを書いていきます。

1.導入文

ここはシンプルにご挨拶のパートです。「お世話になります。〇〇会社の〇〇です。」といった、日本でよくあるメールのパターンです。

ここでは重要なポイントが2つあります。

  • 相手は自分、自社、自社商品を覚えていない前提で書く
  • なぜ連絡先を知っているのかを書く

自社サービスのお試し利用や資料請求など、自社目線からすると「この人は自社商品に興味がある!」と捉えます。

間違ってはないですが、人間は自分の行動をあまり覚えていませんし、記憶にも残っていません。昨日の夕食をパッと思い出せないと同様に、資料請求自体をはっきりと覚えていることも少ないです。

なので「私は何者なのか」をしっかりと明記すべきです。商材名が企業名と異なる場合は「〇〇を取り扱っている△△会社の□□と申します」となります。

また、なぜ連絡先を知っているのかを明記することも重要です。

BtoB営業でよくあるのが、イベント出展で獲得したリードにあたかも自社商品を覚えているかのように「〇〇の〇〇です。本製品は…」とメールを送る方がいます。

イベントには何百と出展者がいますし、お客様も複数参加したイベントの1つかもしれません。そのため「〇〇イベントでは弊社ブースにお越し頂き…」といった、簡単でもいいのでなぜ連絡先を知っているのかは明記した方がいいでしょう。

2.要点への繋ぎ

端的に、メールを送った理由を書きます。ここはパターンが様々で、一概には言えません。

ポイントは下記です。

  • とにかく端的にメールを送った理由を書く
  • 極力相手の情報を書き、自社が相手を知っていることを訴求

理由は様々なアプローチがあります。

「最新情報が公開されたのでご共有したく…」「貴社の決算書を拝見し、自社商品が寄与できると思い…」「弊社で貴社と関わりの深い市場を分析したところ示唆を導出できた…」などなど。

実際にこのパートがお客様に響いたのかどうかはわかりませんが、とにかく意識したのは「このメールにはお客様にとってメリットがある」ことを伝えることです。

また、先方の決算書を解析したパターンなどは相手のことをちゃんと理解した上で訴求していると、納得感を与えることも意識していました。こちらについては後述します。

3.要点

要点の伝え方のポイントは2つです。ここでのポイントは下記2つです。

  • 伝えたいことを3点に絞り、「■」や「・」などで目線を誘導する
  • 記事等のコンテンツを記載する場合はお客様の業会/業種/役職と親和性の高いコンテンツを選ぶ

一つ目として、伝えたい要点を3つに絞り込み、できるだけ端的に要点を記載します。

また「3つに絞る」ことは大事なポイントです。なぜなら、人の記憶は一度に「4±1」種類の情報しか処理できないためです。

これは科学的な証明があり、有名なのはミズーリ大学のネルソン・コーワン氏の論文「The Magical Number 4 in Short-Term Memory: A Reconsideration of Mental Storage Capacity」です。

なので、要点を書く時は3つ(科学的には5つもok)にするのがおすすめです。

また、要点への繋ぎがコンテンツ提供の場合は、送り手に適した自社コンテンツを選びます。選ぶ際のポイントは様々ですが、送り手の市場や競合情報に関するコンテンツは特にレスポンス率が高かったです。

4.要点の解説

  • 要点3つの詳しい中身を簡潔に書く。しかし、一番気になる部分は書かない。
  • お客様の未来に対する不安を仰ぐ ※書き方は要注意

要点でお客様の興味を惹けている前提ですが、ここから要点の詳しい解説へと進みます。ここでさらに興味関心を高めます。

ポイントは、本当に気になる部分は記載しないこと

映画の予告編みたいなイメージです。「主人公が結局どうなるかは、映画を観ないとわからない…」のように、不躾な表現にならないよう最新の注意を払いつつ、先方への最大の利益となる部分は書きません。

また、こちらも細心の注意が必要ですが「このままいくと貴社のビジネスにリスクがあるのでは?」と多少不安を仰ぐ文章を入れる時もあります

ただこれは、事実としてそうである場合のみ使います。

本当はリスクがないのに不安を仰ぐのは詐欺師と一緒です。自社が市場と競合の情報を的確に捉え、確実にリスクが見えた時に使います。

リスクを証拠とともにしっかり伝え、お客様から感謝の言葉を頂くこともありました。

5.アポ催促

最後に、商談へつなげるべく打診を行います。ポイントは下記です。

  • ここまで記載した内容から、お会いしてお話したいと簡潔に伝える
  • お会いすることのメリットを記載する
  • 不安を解消できる理由を記載する

ほとんどの場合、ここでは要点を再度まとめ「これらの理由から、ご提案させて頂きたいのですがいかがでしょうか?」と簡潔にまとめて伝えます

ここでは「会うことのメリット」がなければなりません。例えば、「ヒアリングさせて頂けるとさらにクリティカルな情報提供できる」「他にも見せたい資料がある」など、会わなければいけない理由です。

情報を投げて済むような話ならば「資料送ってください」となって終わるので、必ず会う理由を書きましょう。

また「4.要点の解説」で不安を仰いだ場合、その解決手段があることを伝えることも重要です。そうしなければ、お客様はただただ不安を抱えたままになります。

3.メール例

ここでは、実際に取締役以上のお客様との商談にいたったメール例文を2つご紹介いたします。

一部、お客様の情報がわかってしまう部分に関してはテキストの編集を行っています。ご了承ください。

〇〇株式会社

代表取締役社長 〇〇様

お世話になります。

〇〇オフィシャルパートナー、〇〇の〇〇と申します。

この度は〇〇にご登録頂き、誠にありがとうございます。

使い方や見方等、ご不明点ございませんでしょうか。

ご質問等ございましたら、私までお気軽にお申し付けくださいませ。

本日はご登録の御礼と共に、貴社の競合〇〇を比較分析したところ何点か示唆を見出せましたのでその情報共有でご連絡差し上げました。

貴社と〇〇の比較分析を行いました。

解析結果の要点は下記3点です。

・〇〇共に貴社が他社より優勢

・「〇〇」が〇〇を伸ばし、今年の始めに「〇〇」を逆転

・「〇〇」は〇〇に注力している

〇〇、〇〇共に貴社が3社間で優勢です。

ただし、直近で「〇〇」が〇〇を伸ばしてきています。

要点内に書いてある通り「〇〇」は〇〇の流入も増やしていますが〇〇でも〇〇を増やしています。

〇〇で見ると「〇〇」が最も〇〇多く、〇〇の施策に従事していると考えられます。

競合〇〇分析事例

〇〇解析:xxx.jp

〇〇解析:xxx.jp

この点、〇〇を使うと〇〇、〇〇共に、〇〇の戦略を詳細に解読することが可能となっております。

〇〇のインサイトが貴社〇〇戦略構築に寄与できるのではないかと考えております

ぜひ一度、競合の〇〇戦略を解読しつつ、貴社に適した〇〇提供のご紹介を行わせて頂きたく存じますが、いかがでしょうか。

大変ご多忙かとは存じますが、もしよろしければご都合のよろしい

お時間をご共有いただけますと幸いでございます。

長文、失礼いたしました。

何卒よろしくお願いいたします。

株式会社〇〇

〇〇様

お世話になります。

〇〇オフィシャルパートナー、〇〇の〇〇と申します。

一昨日は突然のご連絡、失礼いたしました。

貴社の〇〇〇〇月期決算説明会資料を拝見し、〇〇が貴社事業に寄与できるかと思い、ご連絡差し上げました。

■貴社〇〇〇〇月期決算説明会資料

xxx.jp

特にp.〇〇〇〇の変化」という点ですが、仰られる通り〇〇で見ると〇〇が増えている〇〇が多々見受けられます。

ただし、業界によって異なります。

〇〇率の上昇に関しましても、〇〇を含めた大手と中小のでは〇〇の動きに違いがあります。

この点、〇〇のデータのみで意思決定しますと、〇〇インサイトを外す可能性がございます。

〇〇ですと、マクロレベルなら〇〇ごと、ミクロならば〇〇〇〇まで見れます。

ぜひ一度、貴社の事業課題やご要望に即した〇〇のご提案をさせて頂きたく存じますが、いかがでしょうか。

差し支えなければ、ご都合のよろしい日程をご共有頂けますと幸いです。

何卒、よろしくお願いいたします。

4.決算書をパーソナライズメールに活かす

みるべきポイントは2つ

アプローチ先が上場企業だった場合、私は必ず最新の「決算説明資料」を見ます。各企業の決算報告がスライド等でわかりやすく記載されています。

なぜ決算説明資料を見るのか?

それは、企業=お客様が”何に”投資したいのかわかるからです。故に、お客様が投資しているもの、これから投資するものがわかれば、そのROIの最大化を図れる解決策を提示することで、商談の機会創出へとつなげることができます。

とは言え、資料の全て見ていたら時間がかかるので、見るべきポイントを下記2つに絞ります。

  • 未来について書かれているページ
  • 現状の課題について書かれているページ

1点目は言わずもがな、企業がどのような未来を描き、何に投資した結果、株主還元を最大化するかをアピールしているページを探します。

これは数値報告後に記載されていることが多いです。また株主への説明のため、かなり詳細に記載されています。ここで、今後この企業が何をしていくのか見極めます。

2点目の「課題」に関するページも、ほとんどの場合記載されています。ここで、未来に対して障壁となっていることを読み解き、その障壁を解決できることをメールでアピールします。

この決算書解読のポイントは、メール作成同様「時間をかけないこと」に尽きます。上記2つのポイントを見つけ、理解したらそれ以上は見ません。

5.まとめ

最後に、前述していないパーソナライズメール作成における大事なポイントをまとめます。

  • 作成に時間をかけない。最大20分など、制限を設ける。
  • ニュースなど、日頃の情報収集
  • 質が高い記事など、自社コンテンツを多数揃える
  • 完成したメールはクラウドでまとめておき、部分的にコピペして利用し時間短縮
  • ただし完全なコピペは相手に必ずバレるのでNG
  • MAによるユーザーの行動履歴が取れていれば確認する

とにかく、時間をかけないことを意識します。パーソナライズメールに関わらず、メール業務は意外にも工数がかかります。

ショートカットキーや一部例文の使い回しなど、工夫して30秒単位で工数を削っていくと、月間、年間でみると何時間もの工数を生み出すことができます。

本稿がみなさまの営業成績向上に繋がりますと幸いです。

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Yo Harasawa

Yo Harasawa

エンタープライズ企業へのWeb/SNSディレクション、SimilarWeb専属コンサルタント、インサイドマーケティングプランナーを経た後に、現在はSimilarWeb カスタマーサクセスに従事。

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