A/Bテストツール「Optimizely」とヒートマップツール「Clicktale」を使って、A/Bテストの質を向上させよ!
前回、前々回では「Google Analytics」や「Adobe Analytics」などの数値解析系ツールとヒートマップツールである「ClickTale(現:Contentsquare)」の連携について解説しました。
この2つのツールでの連携では、WEBサイトの「課題を見つける分析」という点で非常に効果を発揮します。ただ、分析を終えただけでは実際にWEBサイトはいい方向に向かってはいきません。大事なのは「課題を見つける分析」の後の、実際の「改善」のフェーズです。
今回はその「改善」のフェーズで大きな武器となってくれるであろう「Optimizely」というA/Bテストツールの紹介と、ClickTaleの連携について解説します。
ヒートマップツールをはじめとした解析ツールの最大の弱点
はじめに、ツールの解説をする前に「ClickTale」などのヒートマップツールをはじめとした解析ツールの最大の弱点をお話します。
それはズバリ「WEBサイト改善」までの流れを仕組み化できないと、使っても宝の持ち腐れになってしまうという点です。
どういうことかというと、WEBサイトでより売上や問合せなどのコンバージョンを高めようと考える際、まずはじめにすることは「改善課題を見つける分析」です。最初にGoogle Analyticsなどの数値系解析ツールで、セッションやCV率、ページ別の流入数などを、様々なフィルターをかけて分析することが主でしょう。次にClickTaleなどのヒートマップ解析ツールを使い、ページ内のどこに課題があるのかを浮き彫りにします。
しかし、実はここまでの分析をいくらやってもWEBサイトのコンバージョンは上がりません。実際に課題のあった部分を「改善」しないことには何も変わらないのは当たり前ですね。
本当であれば、何よりも「改善」を何回も繰り返すことが重要なのです。ヒートマップツールを導入したものの成果につながらない、というケースではこの「改善」をうまくできていない場合が多くあります。
数字を分析しただけで満足してしまう人もいますが、それでは数字を読んでいないのと同じです。分析結果を次のアクションにつなげてこそ、数字を読む本当の意味があります。/実業家 小山昇
A/Bテストツール『Optimizely』とは?
A/Bテストで「改善」を行おう!
その「改善」をするときに一番ポピュラーな方法が、改善パターンと従来のパターンを比べてテストをするA/Bテストです。このA/Bテストを行い、より成果の上がったパターンを採用するというサイクルを回すことで、より成果につながるWEBサイトを作ることができます。そして、そのA/Bテストをより便利に・簡単に行うことを可能としたツールが「Optimizely(オプティマイズリー)」です。
「Optimizely」を使うべき理由
Optimizely以外に、Google AnalyticsのウェブテストのようにA/Bテストを行えるツールはいくつかあります。しかし、Google AnalyticsのようなウェブテストでA/Bテストを行う場合は、多くの時間コストがかかってしまいます。
というのも、従来のA/Bテストのやり方では「マーケティング担当者がテストの内容を考え、デザイナーに作業を依頼、その後エンジニアがコードを書く」というように多くの担当者がテストに関わることになります。これでは、やり取りに時間がかかり多くのコストがかかってしまいます。
そこで、「Optimizely」の出番です。Optimizelyでは、簡単な操作でWEBデザインが可能で、自動的にBパターンのコードが生成されます。テストもツール上で完結できます。全てのA/Bテストの作業をマーケティング担当者に集約することができ、A/Bテストをスピーディーに行うことが可能となるのです。
【参考】
●【保存版】ABテストツール「Optimizely」完全ガイド
なぜClicktaleと一緒に活用することで成果が出るのか?
さて、そのA/Bテストツールの「Optimizely」ですが、ヒートマップツールである「ClickTale」と一緒に活用することで高い効果を生みます。ここでは、その2つのポイントを紹介します。
1.課題を見つける分析に活用する
まず一つ目が、先ほど述べた「課題を見つける分析」への活用です。A/Bテストをする際、根拠のない改善をやっていては成果につながりません。きちんとした分析結果から仮説を立てることが重要になってきます。その仮説を立てる上で、ヒートマップを使い、ユーザーがどういうことを考えているかを分析し、仮説の根拠を立てることでA/Bテストの一回一回の質を向上させることができるのです。その分析において「ClickTale」が役立つのです。
この「課題を見つける分析」については以下の記事を参考にしてみてください。
●ヒートマップ解析でサイトのコンバージョン率を倍増させる7つの方法
●【Clicktale×A/Bテスト事例】すべての情報を見せるよりも、少ない選択肢のほうが効果的!?
2.施策の効果検証に活用する
「改善課題を見つける分析」→「仮説を立て」→「A/Bテスト」を行った後に、もう一つ重要になるのが、「A/Bテストの効果検証」です。きちんとした仮説を立てて、A/Bテストを行うことができた場合、2つのパターンに差異が出るでしょう。新パターンが成果を出す場合もあれば、従来のパターンのほうがやっぱり良かったなどのフィードバックが数値として計測ができるので、「どちらを採用するか」という判断は簡単にできます。
ただ、それだけで満足をしてはいけません。ここで、「なぜAパターンより、Bパターンが良かったのか?」「パターンを変えたときに、変えてない部分に何か影響はあったのか?」という分析を行うことで、次の改善へのヒントを掴むことがさらなる飛躍において重要です。そのA/Bテストの成功要因・失敗要因の分析にヒートマップツールが活用できるのです。
具体的な連携方法
さて、ここから具体的な連携方法をご紹介します。連携すると何が実現できるかというと、簡単に「A/Bパターンの場合で、ヒートマップやマウス録画機能などのClickTaleの機能を使えることができる」ことにあります。
連携の手順
①まずは当たり前ですが「ClickTale」と「Optimizely」のツールを準備しましょう(どちらも有料のツールです)。
②連携では「Optimizely」の操作画面から行うので、まずはOptimizelyにログインしましょう。
③次にABテストのエディター画面に行きます。今回は、弊社のSimilar-Webサイトで説明しましょう。左サイドのSimilar-Webのプロジェクトをクリックし、今実行中のテストの「編集」をクリックします。
④テストのエディター画面が開いたら、画面右上あたりにあるオプションをクリックします。すると、メニューの中に「ヒートマップの統合」という文字があるので、そこをクリックします。
⑤すると、次のような画面が出てくるので、「ClickTaleの統合」の右側にあるボタンを「オン」の状態にします。これでOptimizelyとClickTaleの連携が完了になります。
テスト中のA/B2つのパターンのヒートマップを生成して、比較する
連携が完了すれば、テスト中のAパターンとBパターンをClickTaleのほうで簡単に比較して分析することができます。次は、その手順を紹介しましょう。
①まずはClickTaleにログインして、ヒートマップの表示画面にいきます。
②次にフィルターのマークをクリックし、「Visitor Events」を開きましょう。
③ClickTaleと、Optimizelyが正常に連携していれば、Visitor Eventsに現在のテスト中のパターンでフィルターをかけることができます。
以下であれば、「Optimizely 121028_priceb_button:Variation#1」が、新しい実験段階のパターンで、「Optimizely 121028_priceb_button:Original」が元々のオリジナルパターンです。
④どちらかを選択して、そのフィルターをかけたヒートマップを生成することができます。これを「Compare with another Heatmap」で、もう一方のフィルターをかけたヒートマップを隣に並べることで、Aパターン・Bパターンを並べて分析することができるのです。
今回は、Aパターン・Bパターンでヒートマップを生成しましたが、さきほどの「Visitor Events」のフィルターはマウス録画機能などのClickTaleのその他機能でも使うことができます。
まとめ
今回はA/Bテストツールの「Optimizely」と、ヒーマップツール「ClickTale」の連携と、その使い方についてご紹介しました。今回の連携では、Optimizelyの数値結果だけでなく、テスト前に立てた仮説の通りにユーザーが動いてくれているかをヒートマップで確認することで、 より精度の高い効果検証ができる点が最大のメリットと言えるでしょう。
昨今グロースハックという言葉もかなり浸透しており、WEBサイトの分析→改善→効果検証のサイクルを回していくことはますます重要視されています。この2つのツールを使えば、そんなサイクルをよりスピーディーに、より効果的に行うことが可能となることでしょう。
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