CVR1.9倍改善、ミュゼプラチナムのサイト改善事例を大公開
脱毛サロン運営をはじめとする幅広いサービスを展開される、株式会社ミュゼプラチナム様。同社ではサイト改善活動において、弊社の顧客体験分析ツールContentsquareをご利用頂いております。
本記事は、2020年10月22日に開催したオンラインセミナー「CVR1.9倍改善、ミュゼプラチナムのサイト改善事例を大公開」の講演内容をまとめたものです。
カウンセリング予約数の最大化を目標とし、ページ内の顧客体験分析やA/Bテストなどを実施されている中で実際の施策、
・広告LP(ランディングページ)改善でCVR1.9倍改善
・サービスサイト改善でコンバージョン数2.3倍
などの改善事例をご紹介いたします。
登壇者紹介
株式会社ミュゼプラチナム
マーケティング部 グロースハック課
川端 伸幸氏
2015年に株式会社ミュゼプラチナム入社。Webサイト、アプリを運用。2017年サイト改善業務をマーケティングの一環として着手。2018年マーケティング部内にグロースハックチーム発足(2名体制)。2019年マスメディア領域の広告改善に着手(3名体制)。
株式会社ミュゼプラチナム
マーケティング部 グロースハック課
三上 春香氏
2018年に株式会社ミュゼプラチナムに入社。マーケティング部グロースハック課所属。Webサイトの運用と改善を担当。Contentsquare使ってサイトの分析をし、A/Bテストの実装をGoogleOptimizeで行っている。元々は接客業からの転職でエステ・ネイル・アロマの資格有り。
目次
1.お客様満足度No1美容脱毛サロン「ミュゼプラチナム」
会社紹介
(川端様)
株式会社ミュゼプラチナムは、2012年に設立され、美容脱毛サロンを中心とした事業を営んでいます。現在、全国に美容脱毛サロンを177店舗展開。ミュゼプラチナムの会員様は386万人に達しており、F1層(※1)の4人に1人が会員様という現状です。
メインの美容脱毛サロンの他にも、ブランドコスメをお得に購入できるECサイトの運営や、オリジナル化粧品開発、オーラルケア、まつげサロン、美容医療クリニック、ピンクリボンCSR活動など幅広い事業を展開しています。
(※1)F1層:20~34歳の女性
業務内容、チーム体制について
私の所属するグロースハック課では、広告経由でサイトに来たお客様の予約(コンバージョン)~契約に至るまでの全てのタッチポイントを分析しています。
<グロースハック課の分析対象>
チーム体制は、ディレクター1名、デザイン兼コーダー2名の計3名です。
サイト改善のフローとしては、GoogleAnalyticsで定量的な課題を洗い出し、そのデータを元にGoogleOptimizeでA/Bテスト実施。正確にパターン検証ができるよう、一定のサンプル数が溜まるまで検証しています。
その後Contentsquareを使ってヒートマップ分析や顧客体験分析、ユーザーが実際にページ内でどのような行動したかという動画分析も行っています。
▼サイト改善のフロー
A/Bテストの効果測定を正しく行うため、顧客分析ツールContentsquareを導入
A/Bテストの検証を行っていたものの、広告配信の設定の問題や、申込みフォームなど複製がしづらいページにおいて、A・Bそれぞれのパターンの効果が正確に測れていないことに課題を感じていました。
Contentsquareは、GoogleOptimizeなどのA/Bテストツールとの相性がよく、同一のURL内でのA/Bテストのパターンごとのヒートマップや、サイト来訪後のユーザーのアクションをキャプチャし、動画で確認できる機能があることが導入の決め手です。
2.広告LP(ランディングページ)改善事例:CVR1.9倍改善
ミュゼプラチナムのランディングページは、下記のように構成されています。
▼ランディングページ構成
ステップ1:まずはきちんとコンテンツを見てもらえるようにする
このグラフは、ランディングページに訪れたユーザーのカスタマージャーニーを可視化したものです。
▼ランディングページのカスタマージャーニー(ページ遷移)
円の中心がページに来た全てのユーザーを示し、外に行くにつれて他のページへの遷移を表しています。
遷移先ページのURLごとに色分けされており、黒い部分は離脱を指します。
このグラフから、約38%のユーザーが直帰していることが判明しました。
そこで、ここから離脱したユーザーがページのどの部分で離脱しているかを分析していきます。
下図は、スクロール率を表したヒートマップです。ページをスクロールし、何%のユーザーが残っているかを、コンテンツ要素別に表しています。
▼ランディングページのファーストビューの課題(ヒートマップ)
ヒートマップから、下記の課題と仮説が見えてきました。
課題:半数以上のユーザーがファーストビュー以下を見ていない(スクロールしていない)
仮説:「月々1800円でオンライン脱毛ができる」という訴求内容がわかりにくいのではないか?
スクロール率を改善するため、仮説を元に「全身脱毛が月々1800円」「サロン脱毛通い放題」という文言を入れ、キャンペーンの内容やお得さが伝わる訴求に変更。
▼ランディングページのファーストビュー改善施策
その結果、ファーストビュー以下のスクロール率を1.7倍改善することができました。
▼ランディングページファーストビュー改善結果(ヒートマップ)
ステップ2:フォーム遷移率を改善し、CVR2.4倍改善
ファーストビューの改善施策により、スクロール率を改善でき、コンテンツをしっかり閲覧するユーザーが増えてきました。そのため、2つ目のステップとして、カウンセリング予約のフォーム遷移率を増やし、CVR改善のための施策を実施しました。
下図は、同ランディングページのフォーム遷移ボタン付近の構成です。
キャンペーン内容を見て、その下のフォーム遷移ボタンを押して予約に進むことが理想的な形です。
▼ランディングページのフォーム遷移ボタン付近の構成
しかし、改善前の内容のランディングページでは、目玉の「全身はじめてコース1回プレゼント」のテキストが目立たない状態でした。
そこで、テキストに加え、どういった部位を脱毛できるのか、より詳細が伝わりやすいイラストを追加。
▼ランディングページのコンテンツ改善施策
結果、フォーム遷移率を1.2倍改善し、ボタンをクリックしたユーザーのCVRは約2.4倍改善することに成功しました。
▼ランディングページのコンテンツ改善結果(フォーム遷移率)
▼ランディングページのコンテンツ改善結果(フォーム遷移ボタンをクリックしたユーザーのCVR)
ステップ1・2の施策を通してCVRを1.9倍改善し、当初の課題であった直帰率も37.9%から31.7%まで改善することができました。
▼ランディングページ改善前後のCVR比較
▼ランディングページ改善前後の離脱率比較
ランディングページ改善のポイント
ランディングページの改善において、
1.まずはユーザーに見てもらえるページにする(離脱ポイントを明確にして改善をする)
2.上記を改善したうえで、CVR最大化のための改善をする(フォーム遷移率改善など)
この2つのステップを踏んだ改善をすることが重要です。
3.サービスサイト改善事例: コンバージョン数2.3倍
スクロール率減少をコンテンツ追加で改善
(三上様)
ミュゼプラチナムのサービスサイトは、TOP→コース一覧→コース詳細→予約と進めるような構成をしており、ページを進むにつれてより具体的なプラン紹介や料金表を掲載しています。そのため、コース詳細ページに訪れたユーザーは具体的にサービスの検討していることが多く、コンバージョンに近いです。
検討しているユーザーを逃さないよう施策を実施した、コース詳細ページの改善事例をご紹介します。
▼コース詳細ページ構成
下図はコース詳細ページの料金表周りのスクロール率をヒートマップで表したものです。
料金表→予約フォーム遷移ボタン→コース紹介コンテンツで構成されています。
料金表を見て、予約フォームに遷移することが理想ですが、料金表以下でスクロール率が約80%から約52%まで減少しており、コンバージョンに近い層を多く取りこぼしてしまっています。
▼コース詳細ページ/料金表周りのヒートマップ
実際にユーザーがどのような行動をしているのか動画で確認すると、料金表を確認し、そのまま離脱してしまっていることがわかります。
▼実際のユーザー動画(料金表を見て離脱)
料金を確認するユーザーはサービスに対する関心が強いという仮説のもと、閲覧しているコンテンツと関連性の高いものを導線として配置すれば、再度予約検討してもらえるのではないか、と考えました。
そこで、このコースと関連性が高く、より価格がお得でオススメコースのバナーを追加。
▼サービスサイトの導線改善施策
その結果、以下の動画のように料金表確認後、オススメコースへ誘導することができ、クリック数が4.3倍増加。そして、ボタンクリックからのコンバージョン数を2.3倍増やすことに成功しました。
▼サービスサイトの導線改善結果(クリック数・コンバージョン数)
▼実際のユーザー動画(料金表を確認後、追加バナーをクリックし遷移)
詳細ページ改善のポイント
詳細ページの改善では、
・コンバージョンに近いページに来たユーザー、関心の高いユーザーを逃さない
(導線を設置し、機会損失を防ぐ)
ことがポイントです。
4.まとめ
本記事では、ミュゼプラチナム様のランディングページ、サービスサイト改善の取り組みをご紹介いたしました。
サイト改善を通して成果を出すためには、下記の2点が重要です。
・サービスに興味をもって来たユーザーを逃さない
・施策の顧客体験を分析し、PDCAを回す
ミュゼプラチナム様にご利用頂いている、顧客分析プラットフォームContentsquareについてはこちらをご覧ください。
阿多 佑梨花
2018年秋にギャプライズに入社。前職で2年半、総合通販業界にてアパレルの店舗運営に従事。ギャプライズ入社後、インサイドセールスの経験を経て、現在は自社マーケティングを担当。