新人でも膨大なデータ上から問題発見できる仕組み作りを 「次世代BIテクノロジー[Sisense]の活用インタビュー」
家電や楽器から農機具、医療機器などの専門的な商材まで幅広くリユース事業を展開する株式会社マーケットエンタープライス様。
現在、データ解析のSimilarWebと合わせて第三世代BIテクノロジーであるSisenseをご導入いただいており、日々の膨大なアクセスデータやマーケティングデータをSisenseを用いてどのようにご活用頂いているか、メディア・プラットフォーム事業本部の黄様にインタビューを行いました。
(※)BI(ビジネスインテリジェンス)テクノロジー・・・企業に蓄積され分散しているデータを集め可視化し、迅速な意思決定を実現するためのツール。ギガバイトからテラバイト規模の大容量データの処理が可能。
第三世代とはその中でも独自のAIアルゴリズムによりCPUキャッシュの管理を効率化誰でも・より簡単に、データを可視化することができますものを指します。
インタビューした方
株式会社マーケットエンタープライズ
メディア・プラットフォーム事業本部
メディアチーム
黄 威翔氏
目次
1. 取り扱う商材は楽器から農機具、医療機器の専門領域まで幅広くカバー
ーこんにちは。本日は宜しくお願いします。
ーあらためて、貴社のサービスについて教えてください。
会社は2006年に設立しており、幅広い商材のリユース事業を手がけております。
2015年に東京証券取引上マザーズ市場に上場を行い、現在グループ会社5社、国内外17拠点を持っています。
取り扱い商材は家電や楽器などから、農機具や医療機器等の専門的な商品まで幅広く、買取を行ってネット中心に販売を行っています。また、海外拠点マーケットエンタープライズベトナムは、システム開発を中心に行う会社です。
私が所属するメディアプラットフォーム事業部は、WIMAX販売など通信事業を行っており、幅広くサービス展開しています。
ー黄様の所属するチームと主な役回りを教えてください。
所属するメディア・プラットフォーム事業部は通信事業の他に、9メディアを複数チームに分けて運用しております。私の主な業務内容は「SEO対策」「サイト分析」「サイト改修」(php、JS、HTML/CSSなど)がメインになっております。
ーメディアの特徴とターゲットを教えてください。
「iPhone格安SIM通信」https://www.kashi-mo.com/media/
主なサービス:子会社が提供している「カシモWiMAX」、中古スマホの相場情報
ターゲット:スマホやインターネットなどの通信関連の商品・サービスの選び方に困っている方
「SIMチェンジ」https://simchange.jp/
主なサービス:格安SIMの比較診断、格安SIMの通信スピードチェッカー
ターゲット:固定費節約のため、格安SIMやお得なスマホを契約したい方
「ビギナーズ」https://www.rere.jp/beginners/
主なサービス:趣味を始めたい方、始めたばかりの方に向けて趣味関連の商品の選び方やハウツーの紹介。
ターゲット:趣味を見つけたい・趣味を始めたばかりの方
「おいくらマガジン」https://oikura.jp/magazine/
主なサービス:全国のリユースショップ最大20店に依頼ができる買取一括査定
ターゲット:不用品を売却や処分したい方向けに売却方法や高価買取のコツや処分方法を解説
「高く売れるドットコムマガジン」https://www.takakuureru.com/magazine/
主なサービス:全国に対応し、買取価格の事前査定ができる買取サービス
ターゲット:不用品売却や処分したい方向けに売却方法や高価買取のコツ、処分方法を解説
「不動産高く売れるドットコム」https://fudosan-takakuureru.com/
主なサービス:不動産の一括査定
ターゲット:土地・不動産の持主に不動産関連の情報や売却方法を解説
「アウトレットジャパン」https://outlet-mall.jp/
主なサービス:全国のアウトレットモールの情報を掲載
ターゲット:アウトレットへよく行く方、お得な商品購入情報を知りたい方
「最安修理ドットコム」https://saiyasu-syuuri.com/blog/
主なサービス:全国のスマホを中心とした修理店舗の情報や価格を掲載
ターゲット:スマホなどが故障し、最適な修理店を探したい方
「UMMマガジン」https://ummkt.com/blog/
主なサービス:中古農機具の売買プラットフォーム、農業関連の情報を掲載
ターゲット:農業をやっている方・これから農業を始めたい方。
ーずいぶんたくさんのメディアを管理されていますね!
私は、iPhone格安SIM通信とSIMチェンジの通信メディアのチームをメインに担当しています。もちろんその他のチームをサポートする横断的な立ち位置も行っています。
2. マーケティング未経験からのスタート。ツール導入のきっかけはセミナー参加。
ー黄さんは元々マーケティングの専門だったのですか。
いえ、元々は台湾の大学で機械工学を学んだのち、車のホイル製造のエンジニアをしていました。
学生時代に交換留学で1年間日本に来ていた経験があり、日本に戻って働きたいという想いがあったので、訪日してから友人の紹介で沖縄の旅行会社に転職をして通訳や翻訳の業務をメインで働いていました。
旅行会社で、2年ほど経った後、直属の上司と不動産事業の立ち上げを行ったのですが、専門のメンバーもいなかったので、私の方でWeb集客やマーケティングを独学で吸収しながら実践してました。不動産業務に関わる一連の業務を経験させてもらいました。
3年ほど業務に携わり事業が軌道に乗ったのち、専門の会社に入ってもっとがっつりWebマーケティング領域を掘り下げたいと思い、今の会社に入社をさせて頂きました。
ー今回サービスをご導入頂いたきっかけをおしえてください。
ギャプライズさんとは、上長の菅野から過去にもお世話になっていたと聞きていましたが、今回はSimilarWebサミットを参加したのがきっかけです。セミナーを参加した後、御社及川様からSimilarWebの紹介提案がありました。
元々、複数のSEOツールは導入しており、それらのツールではカバーできない領域のデータを対象にSimilarWebを使ってみたかったのですが、取り扱うデータ量が膨大になる事もあり、合わせてデータ集計ができるSisenseの提案を頂きました。
ちょうどgoogleデータポータルをちょこちょこ活用していたのですが、制限もあり本格的なBIを検討していたタイミングだったので、複数回お打合せをしていく中で事業としてどう費用対効果をあげていくかの観点からご提案を頂けて、是非一緒にお願いしたいという想いから取引を開始させていただきました。
3. 膨大なデータに対する集計や問題発見にかかる工数をいかに圧縮できるか
ーSisense導入前の課題はどのようなものでしたか。
一番大きい課題は、メディア運用というビジネスモデル上、自社売上に加えてアフィリエイトである社外の複数商材の取り扱いがある事で、分析する為にチェックしなければいけない重要成果地点が複数存在している事です。CPM、クリック、成果報酬などが互いに絡み合っています。
その為、手動での集計を行って収益状況や問題発見を行おうとすると、結構な工数がかかってしまう事が問題でした。うまく行っているものはまだいいのですが、課題対応は時間が経てば経つほど機会損失につながるのでアクションの遅れは致命的です。
また、弊社では新卒や業界未経験のメンバーも業務に携わっているため、様々なデータを掛け合せる分析ハードルは高く、問題を発見できるメンバーが限られていました。
ー他のBIも検討される中、Sisenseを導入した理由を教えてください
まずBIを導入する事で上記の課題をクリアしつつ、データ分析の視点を統一したかった点が大きかったです。Sisenseに決めたのは、どのBIよりも一度に大量のデータを取り扱う事ができ、問題点を素早く見つける事が期待できた点です。
他のBIツールをいくつか調べたり試したりしましたが、実際は機能自体の制限があるものが多く、出したい情報・見比べたい情報が出せないこともありました。
我々が取り込もうとしていたデータは、8つのメディアそれぞれグーグルアナリティクスで見られるアクセスデータや、各ASPデータ、それに加えてデイリーのオーダーデータも取り込んでいますので、とてつもないデータ量が毎日上書きされています。
それらを営業管理でリアルタイムで取り扱おうとすると、なかなか普通のBIツールでは動かないです。実際他のものですと2か月で限界が来てしまいました。
ー実運用までどの位かかりましたか。
元々分析軸自体はもっていたので、ダッシュボードでこんなのが見れたらいいよね、とギャプライズさんとディスカッションをしながら進めていきました。
初期設定としては1週間くらいでベースを作ってから、運用でブラッシュアップをしていったイメージです。
4. 経験者が3時間かかる分析作業を、新人でも短時間で対策発見ができるように
ー導入をされて具体的にどのような変化が起こりましたか
▲実際に使われているマーケットエンタープライズ様のダッシュボード。全体のアクセス推移が一目でわかる
まず第1に圧倒的に問題発見にかかる時間は短縮できたと思います。
以前は一つのメディアの全体収益やアクセス状況の変動を調べるために、1人で数時間もかけていたものが、今では週1時間位を使ってサイセンスに全メディアデータを入れておけば、見たい時にいつでも何が変動したかが分かり、課題を発見する事ができます。
特に記事のPV増加と収益の動きの相関関係を見出すのは3時間くらい今までかかってたものが、変化量にフィルタかけて見ることができるので、戦略を立てるプロセスがタイムリーなものに変わりました。
▲記事ごとの効果も見える化されている
合わせてデータの出し方と掛け合せ方も統一される事で、皆が同じような指標を見ることができ、同じ認識を持つことができました。
これにより、記事自体のPVと収益の変化に対するエビデンスが明確になり、新人も分析方法がわからなくても対策を見つける事ができるようになる変化が生まれました。
今まで重視していなかった新たな「発見」も増えており、他のジャンルへの拡大や新しい施策の成果観測もしやすくなった事も大きな変化です。
ー素晴らしい変化が起こったようで我々としてもとても嬉しいです。
ー今後Sisenseを活用してどんな事を実現したいですか。
現時点では記事それぞれの収益状態の観測がメインですが、今後はSearch ConsoleやKW順位・SimilarWebデータとの連携も強化していきたいです。特にSimilarWebで見ている他の新しいKWや、競合キーワード、市場の変化も分析視点として連携していきながら、サイト全体の状況とすり合わせしていきたいです。
ーギャプライズ、SimilarWebに対して今後期待している事を教えてください
SimilarWebは市場全体を見るために、非常に素晴らしいツールだと思います。
期待することは、KWの分析の部分はまだパソコンがメインのデータとなりますので、正式にモバイル対応できれば、PCとモバイルユーザーの行動やニーズの違いを見ることができるので楽しみです。
また、ギャプライズさんから共有される様々な事例や活用方法は毎回勉強になります!
ぜひ色々定期的に他社事例などシェアしていただければ幸いです。
ーちなみにどんな活用事例にご興味がありますか
トレンドではありますが、SNS、動画活用の活用事例の話は興味があります。
ありがとうございました!
鈴木 隆司
2005年ギャプライズ共同創業 ECコンサルタント、セールス、Webマーケ事業、経営など、実務業務もマネージメントも酸いも甘いも経験させていただき、2020年よりギャプライズの広報業務を担っています。