顧客中心のデジタル戦略: 三井住友カードがContentsquareで実 現したサイト改良の裏側
安心と信頼のクレジットカードを提供する三井住友カード様。
ユーザーからのフィードバックなどを受け会員向けサイトに課題を感じており、2023年にそれまで使っていた分析ツールをContentsquareへリプレイス。ギャプライズ、Contentsquareとともに1年間にわたってサイト改善活動を実施。
特にサイト改善施策における仮説立ての精度に成果を感じていただけているということで、今回は実際に改善活動に携わっている山田様、内藤様、藤田様にお話を伺いました。
※本インタビューはContentsquare社と共同で実施しました
※写真左から内藤様、山田様、藤田様
目次
ご担当者様の領域やミッション
所属:マーケティング本部 IT戦略部
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- TポイントとVポイントの統合および利用拡大推進、Oliveの新たなサービス企画・開発
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- 社内外デジタルサービスのUIUXの強化と全社横断的なデジタル人材の育成
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- デジタル手続きの完結率向上のため、顧客の声・定量解析を活かしさらなる顧客接点デジタル化と顧客軸でのデジタルコミュニケーションの実行
ご担当領域
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- 山田様:部署全体の統括
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- 内藤様:下記業務の統括および人材育成
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- 藤田様:クレジットカード入会に関するUIUX改善、各種分析支援
サイト改善をしていくにあたって「フリクションレス」という考え方を重要視しているとお伺いしてますが、具体的にどのようなサイトを目指しているのでしょう?
サービスサイトの性質を踏まえて、訪問者にとって何が重要かを考えた時に、使いやすさを追求していくといったプラスの要素を伸ばしていくのではなく、マイナスをなくしていくという考え方で改善を行なっています。
違和感なく自然に使えるサイトであること、つまりフリクションレスに各種の手続きや問題解決をできるようにすることで顧客体験価値を高めるべく、さまざまな取り組みを進めています。
Contentsquareについて
Contentsquare 導入の目的や狙いについて改めてお伺いできますか?
会員向けサイトに課題があることは、ユーザーからのフィードバックなどからも痛感しており、サイト改善をしなければという思いがありました。しかし当時導入していたヒートマップツールを使いこなせていなかったことと契約更新のタイミングだったこともあり、改めてサイト改善のフローをツールの選定から見直すことがきっかけでした。
それまで使っていたツールを継続する選択もあったと思うのですが、Contentsquareに切り替える決め手になったことは?
Contentsquare社主催のイベントにて、他社ユーザーの率直な声を聞けたことが一番の決め手になりました。
また、デモを受けた際に機能面でも実際にユーザーがどのような画面推移をしていて、どこに注目しているのかといった行動が可視化できることや、同じ挙動をしている人がどのくらいのボリューム存在するかといったアクセス解析だけでは得られない情報が出せるのは改善にも繋げやすいと感じました。
導入後の成果・評価について
実際に活用してみて導入前の印象と変化はありましたか?
導入前はセッションリプレイの機能が珍しさもあって印象に残っていたのですが、実際に利用するようになってから感じるのは個別ユーザーの動きを確認した上で同様の動きをしている人がどの程度存在するのかを定量化する機能や、日付でのソートなど多機能と組み合わせた活用がしやすいと感じてます。
Contentsquareの一番の価値は?
初めて使う人でも使いやすく、他の部署やメンバーなどにも広めてみんなでデジタル推進するきっかけの一つになっています。
できることとしては、単にページに訪問したといった定量的な数字だけでなく、魅力度などで数値化しづらい感情の要素についても仮説が立てやすくなりました。
具体的に仮説の立て方に変化はありましたか?
Contentsquare導入前は、経験則や先入観によるヒューリスティックな解釈をしてしまう場面も多く、担当者が変わると解釈が変わり仮説の水準を保てないなどの問題がありました。
また、お客様の声としてコールセンターの応対履歴の分析もするのですが、どうしても受電担当者の主観が入ることもあり、本当にお客様が困っていることが読み取れきれないという課題もありました。
そのような部分が、Contentsquareによって根拠と仮説をしっかり固めることができるようになりました。
施策を実施する際にも最初の検証でこのような結果がでたら次はこのようなトライをしよう、という分岐をあらかじめ設定してPDCAが回せるようになり、施策実施のサイクルが高速化できています。
施策の事例
三井住友カードのデジタルイノベーション: CX Circle Tokyo 2023で明かされた顧客体験向上への取り組み
三井住友カード様のCX(顧客体験)に関する取り組みについて、”CX Circle Tokyo 2023″の記事にて詳しく紹介されています。
この記事では、デジタルサービスと顧客との接点に焦点を当て、顧客が使い続けたいと感じる「フリクションレス」な体験の重要性を強調しています。
また、顧客の利用状況を深く理解し、違和感のないスムーズなサービス提供を目指す戦略について詳述しており、Contentsquareのデジタル体験アナリティクスの活用例も取り上げています。
三井住友カード様がデジタル顧客体験の向上にどのように取り組んでいるか、興味深い取り組み内容が紹介されているので、併せて是非チェックしてみてください。
CX Circle Tokyo 2023|業界・立場の異なるリーダーが語る「いま取り組むべきCX」
今後の取組みの展望
今後取り組みたいことはありますか?
昨年は「新規獲得」に関わるLPやフォームを中心に行ってきたため、今後は当初の導入目的であった既存会員向けのページにも分析範囲を広げたいです。
それに伴い、我々の部署だけでなく既存会員に関わる部署でも使いこなせる人を増やしていきたいです。
今後ギャプライズ、およびContentsquareに期待すること
社内でのContentsquare利用拡大のため、ギャプライズさんには実際の業務に落とし込んで定量解析を活かしたUIUX強化施策を企画・開発できる人材の育成にご協力いただきたいです。(施策のレビューや考え方のアドバイス等)
また、フリクションレスなデジタルサービス実現のため、Contentsquareさんにはより精度の高い顧客のニーズやフリクションを発掘できる機能のアップデートを期待しています。
ギャプライズ担当者の声
三井住友カード様の目標である「ユーザーに寄り添い、彼らにとって理解しやすく、実現可能な目標を設定する」という姿勢に深く共感しております。パートナーとして、このプロセスに参加し、共に成長していくことを嬉しく思います。三井住友カード様のビジネスモデルは、多様なユーザーが各々の目的で利用されるため、ページ遷移や流入数、直帰率などの数値データだけでは充分な仮説を立てるのが難しいという課題に直面していました。
しかし、この課題を一つずつ解決し、より明確な仮説に基づいたPDCAサイクルを回すことができるようになり、部署の成長を実感しているとの評価をいただいたこと。そうした成長過程に関わることができることを光栄に思います。
今後も、三井住友カード様の社内文化の発展と成果の創出をサポートしていくことを楽しみにしています。
今本 たかひろ/MarTechLab編集長
料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。