【トライト事例】CVR大幅向上の舞台裏|ユーザー行動の「なぜ」をデータで解明!

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職種横断チームの『How』と現場の変革 — トライト UXDプロジェクトの成功モデル

志賀氏によるトップダウンの覚悟から始まったトライトのUX改善プロジェクト。CMOインタビュー編では、CPC高騰という経営課題に対し、CVRの向上に活路を見出し 、UXD本部設立という組織変革を断行した戦略をお伝えしました 。

本記事では、その強い意思決定を受け、現場で実際にどのように「CVR大幅向上」という目覚ましい成果が生まれたのか 、プロジェクトを牽引した職種横断チームの具体的な手法(How)と、そこで起きた文化変革の道のりを、各ご担当者へのインタビューを通じて徹底解説します。

 

推進体制の確立:部門の壁を破壊した「UXD本部」

UX改善を成功に導いた最大の要因は、従来の縦割りを排した「UXD本部」の設立でした。

集客、サイト改善、デザイン、CRMなど、顧客体験に関わる全部署がここに集約され、顧客接点の全プロセスに責任を持つ単一のチームとして機能し始めました。

秋山様(プロジェクト牽引 / 部門横断):

私たちのミッションは、志賀の強いメッセージ 、すなわち『集客担当者がCVR改善まで責任を持つべきだ』というコミットメント を、現場の再現性あるプロセスに落とし込むことでした。

従来のABテストは、結果が出ても『なぜ勝ったか、なぜ負けたか』の根拠が曖昧で 、後付けの理由になりがちでした。そこで、Contentsquareを共通言語として導入し 、多職種が同じデータを見て議論する場を意図的に創り出したのが、UXD本部です 。

 

現場の「How」:データ活用の民主化と視点の交差

Contentsquare導入の最大の成果は、単なるツール導入に留まらず、組織全体における「データの民主化」を達成した点にあります。

その結果、部門や職種ごとに設定されている独自のKPI(例:デザイナーはユーザビリティ・操作完了率、マーケターはコンバージョン率・集客経路、エンジニアはページのパフォーマンス・エラー率など)の違いが、かえって深い洞察を引き出す「化学反応」を生み出しています。

具体的には、ある職種が特定の問題(例:離脱率の高さ)を発見した際、他の職種の視点(例:UI/UXの問題か、コンテンツの訴求力の問題か、それともシステム的なエラーか)が加わることで、現象面だけでなく、その根本原因(「なぜ」)を多角的に解明できるようになりました。この職種横断的なコラボレーションこそが、一過性の改善ではなく、再現性のある恒常的な改善サイクルを組織にもたらす原動力となっています。

齊藤様(広告運用部門):

以前、私たち広告運用部門のKPIは『流入』まででした 。しかし志賀の強いメッセージを受け、今は流入後のLPのCVR改善まで責任を持っています。

広告の文脈を一番よく知っている集客担当者 として、Contentsquareのデータで、流入ユーザーがLPのどのセクションで離脱しているか、どのバナーに迷っているかが可視化されました。これをデザイナーや開発と共有することで、広告の意図とサイト上の課題が明確に結びつき、より精度の高い仮説を立てられるようになりました 。

佐元様(CRM部門):

私たちのCRMチームは、CVRの改善だけでなく、既存顧客との関係深化やデジタルでのナーチャリングが重要です。セッションリプレイを定期的に見ることで、数値だけでは見えないユーザーの微細な心理が読み取れます。

例えば、『転職希望時期の項目で“未定”を押している人』の行動パターンを観察すると、『時間をかけて“未定”を押す人』や『最初は別の時期を選択していたにもかかわらず、CV直前で“未定”に変える人』など異なる心象で“未定”を押していることがわかります。

このインサイトを基に、施策を打つことで、将来的な成約に繋がりやすい質の高い顧客資産を育成することを目指しています。

 

デザイナーの役割変革:「感覚」から「根拠」へ

本プロジェクトが成功を収めた最大の要因は、従来の分析体制からの脱却、すなわちデザイナーが分析プロセスに積極的に関与するという組織的な変革にありました。

これまでのデータ分析はエンジニアやデータアナリストが主導し、デザイナーは結果を「受け取る側」にとどまりがちでした。

しかし、本プロジェクトでは、ユーザーの行動や意図に対する深い洞察を持つデザイナーが、初期の課題設定からログデータの選定、分析の方向性決定、そして最終的な改善施策の考案に至るまで、全プロセスにおいて中心的な役割を担いました。

職種横断的な関与により、データが示す「何が起こっているか」に加え、デザイナーの視点から「ユーザーはなぜそう行動したのか」という本質的な解釈(ペインポイントやモチベーション)が可能となり、ユーザー体験に即した再現性のある改善サイクルを実現。この分析からの仮説をABTastyで高速にABテスト検証することで、従来より数倍の学びを得られるようになりました。

板敷様(デザイン部門):

以前は、ABテストで負けたデザインに対し、『使い勝手が悪いから』といった主観的で証明不可能な理由付けに終始することがありました。これではデザインのロジックが成立しません 。

Contentsquareのヒートマップやゾーニング分析を使うと、『なぜこのUIが機能しなかったのか』を客観的に検証できます 。これにより、私たちのデザインは『感覚的な主張』から『データに基づく実証』へと根本的に転換しました 。

これは、審美性だけでなく、実際のユーザー行動に基づいたデザインの重要性をチーム全体に認識させる契機になりました。

 

成果と文化の定着:「筋トレ」としてのUXD

初期のランディングページ(LP)改善の取り組みは、極めて大きな成果をもたらしました。具体的には、コンバージョン率(CVR)が大きく向上するという、目覚ましい定量的な結果を達成しています。この成功は単なる一過性の改善にとどまりません。

この初期の成功モデルは、データに基づいた洞察と職種横断的な連携が鍵であることを示しました。私たちは、この成功モデルで確立した再現性のある改善サイクルを、特定のプロジェクトから組織全体の文化へと昇華させる段階にあります。

現在、この成功体験を標準化し、部門や職種を超えて共有・展開することで、組織全体の意思決定と改善活動をデータドリブンなものへと変革し続けています。これにより、「なぜ」がデータで解明できる改善文化が定着し、持続的かつ再現性のある成果を生み出す基盤が確立されつつあります。

秋山様:

志賀は、社員に『毎日見ること』を強く推奨しています 。これは、現場の『観察眼』と『仮説構築力』を徹底的に鍛え上げるための訓練 、いわば『筋トレ』の指示 でした。

最初に成功を収めた改善モデル(体制、プロセス、知見)は、今では他事業領域にも効果的に横展開されています 。この再現性のある改善プロセスの確立こそが、外部環境の変動に強い自律的な成長モデル を推し進める、強力なエンジンとなっています。

 

結論:競争力のある組織資産としてのUXD

トライトのUX改善プロジェクトは、単なるWeb施策の成功事例という枠を超え、組織全体の変革を促す触媒としての役割を果たしました。

このプロジェクトの真髄は、部門間のサイロを打破し、データという客観的な共通言語のもとで、プロダクトマネージャー、エンジニア、デザイナー、マーケターといった多様な職種のメンバーが協働する文化を醸成した点にあります。属人的な勘や経験に頼るのではなく、顧客の行動ログや定性的なフィードバックといったデータに基づく徹底的な探求心と、客観的な根拠を重視する意思決定プロセスが組織に深く根付いたのです。

この再現性のある改善サイクル、すなわち「データによる解明 → 施策の実行 → 効果検証 → さらなる問いの発見」という一連のフローは、今やトライトの「競争力のある組織資産」となりつつあります。

これにより、短期的な売上向上だけでなく、中長期的な顧客ロイヤルティの確立と、市場の変化に柔軟に対応できる組織能力を獲得しました。

今後は、Webサイトに留まらず、モバイルアプリ、電話対応、営業活動など、顧客とのあらゆる接点(全タッチポイント)での一貫した体験設計(UXD:User Experience Design)の実現を目指し、顧客体験の最大化を図っていきます。この全社的なUXDへの取り組みは、事業間のシナジーを最大化し、トライトグループ全体のブランド価値向上に貢献するでしょう。

※所属・役職は取材時(2025年11月)のものです

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今本 たかひろ/MarTechLab編集長

料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。

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