モバイルアプリの広告キャンペーンの効果を細かく分析して、高精度な広告施策を展開したい。このような要望をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

本記事では、モバイルアプリの広告測定ツールであるAppsFlyerの機能や活用法、Adjustとの違いもわかりやすく解説します。

ぜひ本記事を参考にして、AppsFlyerを活用してみましょう。

AppsFlyerとは

引用元：https://www.appsflyer.com/ja/products/measurement/

AppsFlyerは、モバイルアプリに関するデータを集め、アトリビューション（メディアごとのコンバージョンを図る）機能を使い、広告効果を分析するサービスです。

アプリのインストールに関する分析では、インストールまでの経路をSNS、広告媒体、投稿別などで計測できます。また、アプリのインストール測定以外では、ユーザーのアプリ内での行動の計測なども可能です。

AppsFlyerはなぜ必要か

モバイルアプリの計測と分析には、アプリのインストールという、通常のWebサイトとは異なるプロセスのため、AppsFlyerといったモバイルアプリ専門のマーケティング分析ツールの活用が必要です。

具体的には、アプリのインストールはストアを経由するので、セッションが切断され、継続的な追跡と測定が困難になります。しかし、AppsFlyerはユーザーのアプリへの流入行動とその後の活動を正確に追跡し、分析できます。また、AndroidとiOSの両方のOSに対応しています。

計測SDKについて

アプリの流入元とアプリ内でのユーザー行動を結びつけた複合的な分析をするには「AppsFlyer SDK（ソフトウェア開発に必要なプログラムや文書、開発ドキュメントなどをまとめたもの）」の導入が必要です。AppsFlyer SDKを利用し、アプリインストール前後のユーザー活動を測定でき、アプリの流入元の特定、アプリ内でのユーザー行動の追跡、ディープリンクが可能になります。

AppsFlyerの主な機能

AppsFlyerの主な特徴として、計測機能、分析機能、各プラットフォームとの連携機能が挙げられます。それぞれ下記で解説します。

計測機能

AppsFlyerの主な計測機能は以下の通りです。

分析機能

AppsFlyerは、統合管理画面で一元的にすべてのキャンペーンの成果を詳細にかつ正確に確認できます。カスタムダッシュボードを用いれば、キャンペーン専用の管理画面を自由に設計し、直感的なドラッグ＆ドロップ操作で日々の分析作業を容易に行えるのです。

また、AppsFlyerアプリへのアラート機能により、外出先でもキャンペーンのパフォーマンスをリアルタイムで追跡し、いつでも最新情報を入手が可能です。

他の分析項目としては、インストール数やユーザーの維持率などを、顧客セグメント別に時間軸で分析できます。

また、インクリメンタリティ分析機能により、キャンペーンによる増分効果の評価が可能です。さらにピボットテーブルを活用することで、複雑なデータの分析が簡単になり、より深いマーケティングの洞察を得られます。

各プラットフォームとの連携機能

AppsFlyer SDKを使用するためには、このSDKをアプリにインストールする必要があります。

iOSアプリにおいては、SwiftPackage Manager、CocoaPods、Carthageのいずれかのライブラリ管理システムを用いて、このSDKを追加可能です。

一方、Androidアプリの場合は、Gradleを用います。

さらに、iOSとAndroidのネイティブアプリ以外にも、Flutter、Unreal Engine、Unity、React Nativeなどさまざまなプラットフォーム向けに対応したSDKが提供されています。

AppsFlyerの具体的な活用方法

引用元：https://www.appsflyer.com/ja/products/measurement/

AppsFlyerの具体的な活用方法としては、以下の３つです。

• 不正インストール対策ができる
• ユーザーにあった広告の配信
• ディープリンクで回遊性をUP

それぞれ解説します。

不正インストール対策ができる

AppsFlyerは、botを使用して偽のアプリインストールを大量に生成し、広告費用を不当に膨らませるようなアドフラウドに対抗するソリューションを提供しています。

また、AppsFlyerは不正なインストールの検出と防止だけでなく、アプリ内での不正行為も同様に識別し、取り締まることで、より正確なデータの収集が可能です。

モバイル広告詐欺の手法は多岐にわたり、常に進化しているため、不正対策は必須の機能の1つでしょう。AppsFlyerは、カスタマイズされた検証ルールやクラスター分析、アプリ内の不正行為ルール、アトリビューション後の不正検出など、包括的かつリアルタイムなアプローチで対策可能です。

また、AppsFlyerは、数百のモバイルセンサーを同時に分析し、実際の顧客とボットを正確に区別します。

ユーザーにあった広告の配信

AppsFlyerの活用により、アプリのインストール利用者や、アプリ内の特定ステージ、ミッションを達成した利用者の一覧を作成できるため、ユーザーに適した広告の配信が可能です。

たとえば、一覧を基に「すでにアプリを使用しているユーザー」を広告配信から除外できます。また、ユーザーにアプリの再起動を促すリターゲティング広告の展開も可能です。

ディープリンクで回遊性をUP

ディープリンク機能により、アプリ内の特定のページへユーザーを誘導できます。

たとえば、ソーシャルメディアの投稿、Webサイト、ランディングページ、QRコード、電子メールなどから、アプリ内の特定コンテンツや期間限定イベントページへ直接誘導できるのです。

また、ユーザーがアプリをインストール済みかどうかに基づいて、自動的に異なるページへの移行も可能です。ディープリンクを活用することで、ユーザーのインストール状況に左右されることなく、より柔軟に対象ユーザーへアプローチが可能です。

AppsFlyerとAdjustとの比較

引用元：https://www.adjust.com/ja/

本章では、AppsFlyerとAdjustの比較について解説します。

Adjustは、AppsFlyerと同様にモバイルアプリに関する広告効果測定ツールです。

Adjustの特徴は、CTV（インターネットに接続されたデバイス）を通じて、クロスデバイス測定ができることです。CTV経由でのアプリインストールや、CTV同士のデータ測定ができます。また、地上波テレビのコマーシャルにおける効果測定サービスも提供しています。地区や番組ごとの詳細な分析が可能です。

本章では、AppsFlyerとAdjustの比較について、以下の３点について解説します。

• 管理画面
• 導入について
• サポートなど

それぞれ解説します。

管理画面

AppsFlyerとAdjustの管理画面では、計測データの閲覧やレポート作成、日常の計測設定作業ができます。

それぞれ独自の管理画面両を提供していますが、機能面では大きな違いはありません。

管理画面の操作性などのユーザーインターフェースについて、実際に見て操作し、自社に適したインターフェースを選択するとよいでしょう。

導入について

AppsFlyerもAdjustも導入には、SDKの開発が必要となります。

また、どちらもアンインストール計測には追加開発が必要です。

さらに、アプリ内イベントの計測にも追加開発が必要なため注意しておくべきポイントです。

AppsFlyerとAdjustについて、導入に必要なプロセスに大きな差はないといえるでしょう。

サポートなど

サポートや勉強会は、AppsFlyerもAdjustもそれぞれ独自に、定期的なイベントを開催しています。

導入ユーザー向けのサイトでのサポート資料や動画コンテンツなどを提供しています。

また、パートナーや広告主向けの勉強会など、独自企画を開催していることもポイントです。

Appsflyerの費用

Appsflyerは無料プラン（Zero）と、有料プラン（Growth/Enterprise）を提供しています。

また、有料プランの費用に関しては見積もり依頼により詳細な費用が確認できるようです。

Appsflyerは、基本的にインストール数に基づく従量課金制を取っており、流入経路に応じて利用を見送る選択も可能です。

また、Growthには無料お試し期間があり、Enterpriseには無料デモも提供しています。

AppsflyerとATTへの対応

AppTrackingTransparency（ATT）は、iOS14以降に導入されたAppleのユーザー向けプライバシー機能です。ATTは、ユーザーの同意がない端末情報や個人データの取得を制限し、広告トラッキングを管理します。

Appsflyerは、ATT対策としてSKAdNetworkを利用し、計測活動を継続しています。

まとめ：AppsFlyerを活用して、モバイルアプリの広告効果を向上させよう

引用元：https://www.appsflyer.com/ja/products/customer-experience-deep-linking/

AppsFlyerを活用すれば、モバイルアプリの広告効果を詳細に測定分析できます。

アプリのインストールにつながった広告や、アプリ内の購入を促進したキャンペーンなどを把握可能です。

効果の高い広告がわかるため、より効果的な広告施策を展開できるようになるでしょう。

また、各ユーザーに沿った広告の表示やリマインド機能も、マーケティング促進に役立つでしょう。

本メディアを運営しているギャプライズでは、企業に合わせたWeb・ITツールの提供や、広告運用をはじめとした有効施策の立案などさまざまなソリューションを提供しています。自社アプリのコンバージョンを高めたい、インストール数を伸ばしたいなど、ご要望の際は、お気軽にお申し付けください。