Bootstrap CDNとは?使い方や注意点を解説
世界でもっとも利用されていると言われるフレームワーク「Bootstrap」をご存じでしょうか。Bootstrapは専門的な知識を持ち合わせていなくても、トレンド感あるWebサイトやアプリケーションが簡単に作れる便利なフロントエンドツールキットです。導入は容易で、Webサイト高速化などパフォーマンス向上にも役立ちます。
この記事ではBootstrapの概要やメリットから、導入方法、具体的な使い方について解説します。
目次
Bootstrapとは
BootstrapとはWeb開発のためのフロントエンドフレームワークであり、特にレスポンシブなWebサイトやアプリケーションの構築を容易にするためのオープンソースのツールキットです。
BootstrapはTwitter社に勤めていたMark Otto氏とJacob Thornton氏によって開発され、2011年に初めて公開されました。現在、Web制作やアプリケーションの分野において世界中で広く採用されています。
Bootstrapのメリット
Bootstrapを活用するメリットには、おもに以下の2点が挙げられます。
- デザイン性に優れたコンポーネントが豊富
- SEOに有効
それぞれについて解説します。
デザイン性に優れたコンポーネントが豊富
Bootstrapにはナビゲーションバー、モーダルウィンドウ、タブ、ボタン、フォーム、カードなど、多くの再利用可能なUIコンポーネントが含まれています。
これにより開発者は一から要素を作成する手間と時間を削減でき、なおかつ一貫したデザインを維持しつつ迅速に開発を進めることができます。
SEOに有効
BootstrapはSEOを直接的に向上させるツールではありませんが、間接的にSEOに役立ちます。例えばGoogleは、モバイルフレンドリーなWebサイトを高く評価しています。
Bootstrapはデフォルトでレスポンシブデザインをサポートしており、異なるデバイスや画面サイズに対応したWebサイトを簡単に作成できます。
また、BootstrapのCSSとJavaScriptが最適化されている点もSEOに有効です。ページの読み込み速度はSEOにおいて重要な要素であり、最適化されたBootstrapサイトはGoogleから高く評価されやすいと言えます。
Bootstrapでできること
次に、実際にBootstrapでできる機能について見ていきましょう。ここでは主要な5つの項目を紹介します。
- 多彩なテーマテンプレートを選んで使える
- Webサイトに簡単に動きをつけられる
- グリッドシステムを構築できる
- Font Awesomeからアイコン素材を流用できる
- ナビゲーションバーを実装できる
それぞれについて解説します。
多彩なテーマテンプレートを選んで使える
Bootstrapには公式およびコミュニティから提供される多くのテーマとテンプレートがあります。
初心者でもデザイン性の高いWebサイトを簡単に制作できるほか、使いやすいデザインを採用することで、サイト公開後の作業効率アップに効果的です。多くは有料ですが、一部無料で利用できるものもあります。
Webサイトに簡単に動きをつけられる
BootstrapはJavaScriptを使って、Webサイトに動きをつけることができます。
例えばモーダルやドロップダウンメニュー、アコーディオンなど、よくあるWebサイトの動きもBootstrapを利用すればコーディングの知識がなくてもコピー&ペーストで簡単に実装できます。
グリッドシステムを構築できる
グリッドシステムとはWebサイトでの「横並びレイアウト(段組み)」を効率的に作る機能です。横並びレイアウト(段組み)は手作業でおこなうと手間がかかりますが、Bootstrapなら感覚的に要素を配置できるため、柔軟かつ迅速に複雑なレイアウトを実装できます。
Font Awesomeからアイコン素材を流用できる
Font Awesomeとは商用利用が可能なオープンソースのアイコンセットです。
BootstrapはFont Awesomeのアイコン素材をそのまま活用できるだけでなく、ユーティリティクラスを使用して色やサイズを好みにカスタマイズできます。
ナビゲーションバーを実装できる
ナビゲーションバーはWebサイトの構造や階層、コンテンツへのアクセスを容易にするための役割を持つ機能です。
多くの場合、このバーはサイトのトップ部分や左側に配置され、訪問者がサイト内の異なるセクションやページへ迅速に移動できるように設計されています。
Bootstrapにはメニューバーのテンプレートが数多く用意されているため、お好みのテンプレートをカスタマイズしてデザイン性の高いWebサイト構築が可能です。
Bootstrapの導入方法
Bootstrapの導入方法はCDNを使うか、あるいはフォルダをダウンロードして利用できますが、迅速かつ容易なCDNでの導入方法をおすすめします。
BootstrapをCDNで導入するメリット
まずCDNを使用する大きなメリットの一つに、導入の容易さが挙げられます。CDNならHTMLの<head>タグ内にCDNのリンクを追加するだけで簡単に利用でき、さらにBootstrapの新しいバージョンがリリースされた場合も、CDNのURLを更新するだけで簡単にバージョンアップができます。
またCDNは地理的に分散したサーバーネットワークを持っており、ユーザーの近くのサーバーからコンテンツを配信するため、Bootstrapのファイルが高速にロードされます。その結果Webサイトのパフォーマンスが向上し、ユーザーからの評価向上にもつながるはずです。
Webサイトの各リクエストがCDNサーバーに分散されるため、自社サーバーの負荷が軽減され、ほかのリソースの配信や処理に集中できる点も有用です。
BootstrapをCDNで導入する手順
ここでは、Bootstrapの最新バージョン5.0.2の導入方法を解説します。
Bootstrapの公式サイトを開く
- 公式URL:https://getbootstrap.jp/
CDNコードを貼り付ける
- 「ドキュメントを読む」をクリックする
- CSSのための<link>タグを「index.html」内の<head>内に配置する
- JavaScriptバンドル(ドロップダウン、ポッパー、ツールチップを配置するPopperを含む)のための<script>タグを「index.html」内の</body>直前に配置する
※日本語ページを作る場合は、htmlタグの2行目にある「lang=en」を「lang=ja」に変更しておきましょう。
Bootstrapの使い方
本章では、Bootstrapで実際にどのようなデザインが実装できるのかを解説します。
グリッドレイアウトを作成する
グリッドレイアウトとは縦と横の線を引いて格子(グリッド)を作成し、それを自由に組み合わせていく手法のことです。
上記は定義済みのグリッドクラスを使用して、すべてのデバイスとビューポートに等幅のカラムを3つ作成した例です。行ごとに12のテンプレート列を使用できるため、任意の数の要素をさまざまに組み合わせて作成できます。
コンポーネントを作成する
コンポーネントとはフォームやボタン、ナビゲーションなどの部品(パーツ)のことです。
ナビゲーションバー
.navbar-brandの要素内にテキストや画像、フォームコントロールなどを配置してカスタマイズできます。
フォーム
フォームコントロールはSassとCSSの変数を組み合わせてスタイリングされるため、あらゆるカスタマイズが可能です。カラーやサイズ変更、ファイル入力などに対応しています。
ボタン
デフォルトでは.btnコントロールは透明なボーダーと背景色を持ち、フォーカススタイルとホバースタイルはありません。配色やサイズ、アウトライン、テキストの折り返しなどをカスタマイズできます。
テーブル
行や列をストライプにしたり、ホバーを追加したり、アクセントのあるバリエーションを実装できます。
モーダルウィンドウ
モーダルではプラグインを使用して、ライトボックス、通知、カスタムダイアログを作成できます。
Bootstrapを利用する際の注意点
Bootstrapを利用する際には、いくつかの注意点があります。
バージョンに注意
記事公開時点ではBootstrap5.3.3が最新バージョンです。依然としてBootstrap4を使用しているプロジェクトも多く存在しますが、サポートが2023年1月に終了しているため、これから新規で導入する場合はBootstrap5のマニュアルを基に進めていく必要があります。
Bootstrap5ではInternet Explorerが非対応になったほか、jQueryを使用しなくなりました。古いマニュアルでは対応できない点があるため、最新の情報を確認したうえで導入していきましょう。
似通ったデザインになりやすい
Bootstrapはテンプレートの豊富さが魅力ですが、逆を言えばテンプレートをそのまま使用すればオリジナリティに乏しくなってしまいます。Webサイトに独自性を持たせるためにはカスタマイズが不可欠ですが、そのためにはCSSやJavaScriptの深い知識が必要です。
利便性とデザインクオリティのどちらを重視するのかを十分に比較したうえで、導入を検討することをおすすめします。
まとめ:CDNを使えば簡単にBootstrapが導入できる
CDNを通じてBootstrapを導入することは、Webサイト高速化をはじめパフォーマンスの向上やキャッシュの利用、サーバー負荷の軽減、管理のしやすさなど、多くのメリットをもたらします。
ただしBootstrapのテンプレートは世界中で活用されているため、Webサイトに独自性を持たせたい場合にはカスタマイズをおこなうことが必要です。
現状の自社サイトに課題がある、Bootstrap CDNを使ってWebサイトを改善したいとお悩みであれば、弊社のサービスをご活用ください。
ギャプライズでは、自社サイトの速度をはじめとした改善ポテンシャルを知るためのSpeed Kitウェブサイトパフォーマンス無料診断を提供しています。まずは現在のサイトパフォーマンスを知り、効果を高めていく道筋を明らかにする所から始めてみましょう。
今本 たかひろ/MarTechLab編集長
料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。