海外企業の実態から学ぶ、今注目すべきD2Cマーケティングとは?

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先日、ワコールホールディングスの「米D2C企業を92億円で買収 ミレニアル世代を取り込む」というニュースも出ていましたが、日本でも注目されている「D2C」。

これまでのビジネスモデルと何が異なり、どういった特徴があるのでしょうか?
The State of D2C Marketing in 2019」の調査データ翻訳も含めてご紹介いたします。

1.D2Cとは?

近年、EC業界で注目を集める「D2C」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

これはEC市場で先行するアメリカで確立し、日本でも注目されているビジネスモデルです。EC市場が急速に拡大している今日、メーカーはもはや仲介業者を省き、リアル店舗で販売を行わず、ECサイトだけで商品を直接消費者に届けています。
本記事では、そんな従来のビジネスモデルにイノベーションを起こす「D2Cマーケティング」をご紹介します。

「D2Cマーケティング」とはそもそも何か?

D2Cとは、「Direct to Consumer」の略語で、メーカー(ブランド)が、仲介業者や販売店を介さずに、自社の商品をECサイト上で直接消費者に提供するビジネスモデルです。

類似ワードとの違い

D2Cと似たワードに、B2B「Business to Business」(企業間取引)・B2C「Business to Consumer」(企業・消費者間取引)があります。B2Bはメーカーから卸売業者・卸売卸売業者から小売店までのサプライチェーン、B2Cは小売店から消費者までのサプライチェーンをそれぞれ指すのに用いられます。

一方、D2Cの場合だと、メーカーが自社ECサイトを介して消費者に直販する仕組みとなっているのが特徴です。

また、GAPやユニクロなどが適用する似たような業態にSPA(Specialty store retailer of Private label Apparel)がありますが、製造から販売まで仲介業者を介さず一貫して行う点は共通しています。

ただ、大きな違いとしてSPAはリアル店舗で消費者に販売するのに対して、D2Cはリアル店舗を構えずECサイトのみで販売するという点が挙げられます。また、D2CがSNSを通じてマーケティングを行うのに対して、SPAはこれまでテレビやラジオを媒体としていましたが、スマートフォンが普及している今日、その垣根は次第になくなっていくでしょう。

2.D2Cのメリットとは?

EC業界で急速に台頭するD2Cモデル。D2Cには一体どのようなメリットがあるのでしょうか?

メリット①高品質な商品を安価で提供

D2Cでは、従来の小売の業態で掛かっていたようなコストを抑えることができることが大きなメリットです。D2Cは、ECサイト上で商品を販売を済ませるため、仲介業者のコストや店舗に掛かる費用を削減でき、品質を落とすことなく安い値段で商品を販売することができます。

実際に、原価率50%に達する商品を含むパジャマやナイトウェアを扱うD2Cブランドである「Foo Tokyo」は、自社で店舗を持たないことで余分な在庫や土地代・人件費を抑えることで、高品質な商品を提供しています。

メリット②自社の思い通りのブランディング

D2Cでは、自社だけで販売企画が完結し、自社の思い通りにブランドイメージを顧客に伝えることが出来ます。

アマゾンなどの“総合ECモール”での販売では、自社の商品が他社の商品と一緒に並べられるため、自社の思い通りに商品を見せることが難しいです。

一方、自社ECサイトを通じて商品販売をするD2Cマーケティングでは、ブランドのWebサイトを開いた瞬間からブランド独自の雰囲気を閲覧者に伝えることが出来ます。

メリット③顧客の声を素早く新商品開発・販売に反映

D2Cを適用する企業は、ECサイトを通じて販売をすることで、より効率的に顧客データを収集・蓄積することが出来ます。

そのため、自社独自で集めた顧客の声を素早く新商品の開発に生かすことだって可能です。

さらに、どの時期にどの商品を購入したかというデータを用いて、企画・販売をより最適化することも出来るのです。

3.2019年D2Cマーケティングの実態

2019年、すでにD2Cを適用している企業は、どのようにしてD2Cモデルを確立したのでしょうか?
ここでは海外で数百ものD2C企業を対象にした調査をご紹介します。

調査について

この最新の調査では、D2C企業の重視するKPIやマーケティングチャネル、ECにおける投資対象(顧客によるコンテンツ、ロイヤリティープログラム、紹介プログラム)に至るまで様々な点に着目し、企業の規模や業界ごとにデータを比較した上でまとめられています。

調査は、2019年度3月から4月にかけてAdobe社のMagentoとともに行われたオンライン調査をもとにされており、調査の対象は、企業のEC・マーケティングに関する意思決定に関わるトップ層512人です。このうち41%は企業の創立者となっています。

これらの企業の拠点は世界各国に広がり、Magento Commerce、Shopify、 SAP Hybris、Salesforce Commerce Cloud、BigCommerce、WooCommerceなどといった様々なECプラットフォームを活用しています。また、彼らが代表する業界も、ファッション・アクセサリー、ヘルス・美容、機械・テレコム、食品や飲料・タバコなどと多様です。

D2C企業が多く用いたKPIは?

上位のKPIは次の通りです。
①ECでの売り上げ[60%]
②新規顧客獲得率 [53%]
③コンバージョン率[53%]

[引用]The State of D2C Marketing in 2019:Key findings

D2C企業が重視した新規顧客獲得チャネルは?

①ソーシャルメディア[61%]
②SEO[51%]
③直接流入[50%]

[引用]The State of D2C Marketing in 2019:Key findings

また、下のグラフが示すように、63%のD2C企業は、主なチャネルとしてソーシャルメディアを活用しているのにも関わらず、デジタル広告よりも紹介プログラムから高いROIを得ているのは、興味深いことです。ソーシャルメディア広告に掛かるコストが高まる中、固定費用での顧客獲得チャネルの方が効率的なのかもしれません。

[引用]The State of D2C Marketing in 2019:Key findings

さらに、この調査では、Webサイトにおける顧客体験を向上させるためにD2C企業が何に投資をしているのかが明らかになりました。

具体的には、レビュー(73%)、顧客発信の写真(36%)、顧客発信のビデオ(15%)、紹介プログラム (33%)、ロイヤリティプログラム(31%)です。企業はこれらの有効なマーケティングツールを活用することによって、顧客とより良質な関係を構築し、より有利にビジネスを展開出来るようになるでしょう。

詳細データは下記【最新レポート2019】D2C(Direct to Customer)マーケティングの実態にまとめています。是非ご覧ください。

※本記事は、「The State of D2C Marketing in 2019」の翻訳と、下記記事を参考にしています。
<参考記事>
SPAの登場〜D2Cの台頭まで!アパレル・サプライチェーンの歴史まとめ
5つの海外事例から学ぶ、D2Cをあえて選ぶ3つの勝ち筋
D2Cブランドはどれくらいの価格なら売れるか?
日本版「D2C」続々/市場開拓の手法として大手も注目
EC事業についてのまとめ|BtoC,BtoB,CtoC,DtoC

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長谷川竣一

長谷川竣一

マーケティングチームで海外経験を活かしてインターンしています。東京外国語大学ドイツ語科4年。アメリカ・アトランタ生まれ、東京育ち。大学時代体育会サッカー部所属、ドイツ交換留学。TOEIC965、Goethe Certificate C1(ドイツ語ビジネスレベル)取得。

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