Googleアナリティクスでは見えない、メディア記事のユーザー行動分析

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先日公開した「【CPA全公開】2,000万円BtoBのFacebook広告に投資してわかったこと」ですが、Googleアナリティクスを見ると、
・約4,000PV
・平均ページ滞在時間6分21秒
・約3割がTwitter流入

という結果でした。

では、
「この記事は“本当に”読まれているのでしょうか?」

この点に関しては、Googleアナリティクスでは判断しきれません。

そこで、サイト内のユーザー行動分析ツールClicktale(現:Contentsquare)を活用して、
・そもそも何%が最後まで読でいるのか(読了率)
・狙ったコンテンツが着目されているのか
を分析しました。

1.記事作成時の仮説とKPI

記事のターゲット設定

今回の分析対象の「【CPA全公開】2,000万円BtoBのFacebook広告に投資してわかったこと」は、BtoBマーケティングで下記の悩みを持つ担当者向けの記事です。
・Facebook広告実施したいが費用対効果が不安
・Facebook広告実施したいが上司を説得できない
・Facebook広告実施したが、効果がでなかった

「実施済で効果が出ている」という担当者には、記事冒頭のリード文にCPA結果を明記することで、「自社にとって参考になるか」を最初に判断いただけるようにしました。

記事のKPI設定

ターゲットを絞っている分、「狙ったコンテンツに着目しているか」「記事が最後まで読まれているか」が重要です。
そこで、2つのKPIを立てました。

<2つのKPI>
①本文開始時(※)に70%以上の残っている状態
②記事読了率が30%以上

(※)本記事では、リード文後や目次エリア後など、主文に入るタイミングと定義しています。

KPIはどう設定した?

過去の人気記事を参考にしています。

■実績1
カルーセルのUIは売り上げにつながるのか!? カルーセルデザインを考えるときに知っておきたい7つのこと
https://martechlab.gaprise.jp/archives/clicktale/1740/

①本文開始時82.5%

②記事読了率32.4%

■実績2
【実録】36回のABテストでCV率8.3倍を実現するまでの全記録
https://martechlab.gaprise.jp/archives/lpolab/abtest

①本文開始時61.5%

②記事読了率20.7%

①本文開始時に関しては、2つの実績で大きな開きがありました。
今回の記事においては、
・リード文のCPA結果まとめを見て離脱する担当者
が一定数いると想定し「70%以上」と設定しました。

2.Googleアナリティクス分析

Web業界の方にリツイートしていただいた効果もあり、流入の約3割はTwitterです。
はてブはhotentryに掲載されたものの、総合まで掲載されず流入は6.9%程度でした。

<流入上位>
t.co / referral 29.2%
(direct) / (none) 27.5%
m.facebook.com / referral 16%
b.hatena.ne.jp / referral 6.9%

参照元/メディア「twitter/(not set)」はTwitter広告経由です。他の流入と比べると、滞在時間はかなり短い結果です。

行動フローを見ると、基本的にこの記事で97%離脱しています。

では、記事はきちんと読まれているのでしょうか?
次の章で、記事内のユーザー行動分析を行います。

3.この記事は読まれているのか?ユーザー行動を分析

3-1.リード文は着目されるのか

この記事で、最初に着目してほしいのはリード文に記載した「3つのCPA実績」です。

この文章は、
・興味喚起することで、その後の文章を読むモチベーションを作る
と同時に
・読み手の期待に添えない場合は離脱ポイントになる
ことを狙っています。

ヒートマップを見ると、「タイトル」と「3つのCPA」が赤く着目されていることがわかります。

Clicktale ヒートマップ分析(赤い=着目されている)

リード文は狙い通りですが、なぜここまでタイトルが赤くなるのでしょうか?
実際のユーザー行動を録画した動画を見たところ、ある行動が見られます。

「タイトルコピー」です。

Clicktaleユーザー行動動画1(タイトルコピーする[2倍速])

なぜコピーするのか?

・SNSでシェア、投稿する
・社内チャットで記事を共有する
・後で見るように記事をクリップする
いずれかの理由が考えられます。

このユーザーは滞在時間こそ短いですが、後で再訪問してくれる可能性は高いです。

また、同様にソーシャルボタンを活用して数秒だけ滞在したユーザーもいます。
※ちょっとわかりずらいのですが、下部にソーシャルボタン表示がでます。

Clicktaleユーザー行動動画2(ソーシャルボタンを活用[2倍速])

この記事を掲載しているメディアMarTechLab(マーテックラボ)では、ソーシャルボタンを記事上部・下部の2か所に設置していますが、追従型で設置することで単純な離脱が低下するかもしれません。

3-2.本文開始時の離脱率

では実際に本文開始時で、何%残っているのでしょうか?

73.8%が滞在(離脱率26.2%)

KPIは「70%以上」と置いたので、基準値は達成です。
また、次の動画のようにリード文を読み込んだうえで進んでいるユーザーも実際にいました。

Clicktaleユーザー行動動画3(リード文の3つのCPAに着目[2倍速])

今回KPI設定の参考にした人気記事でも、リード文にまず結論を記載しています。
下記動画のように、「テストアイデアリスト」に関心を示しており、読み進めるモチベーションにつながっています。

Clicktaleユーザー行動動画4(リード文の詳細情報に着目[2倍速])

ヒートマップで見ても、着目度が高い傾向です。

3-3.読み込まれているコンテンツ

目次2にいれた「イベント/セミナー集客のCPA」。
この章では、最終的なCPA以外にも日別成果を細かく掲載しました。

イベント/セミナー集客の場合は、開催日2週間切るとCPA悪化する傾向があります。そのため、「最終CPA以上に集客タイミングが重要」ということを伝えるためです。

ヒートマップ分析をすると、赤字で書いた「開催2週間切るとCPAが高騰」というメッセージが、狙い通り着目されているのがわかります。

Clicktale ヒートマップ分析(赤い=着目されている)

Clicktaleユーザー行動動画5(日別実績に着目[2倍速])

カーソルを合わせて文章を読んでいます。

Clicktaleユーザー行動動画6(日別実績に着目・スマートフォン[2倍速])

こちらはスマートフォンで文章を読み込んでいるユーザーです。
純粋に、「狙ったコンテンツを読んでくれている」動画を見ると嬉しくなります(笑)

3-4.最後まで読んだ人は何%?

記事が最後まで読まれているか測る指標、読了率は32.0%(離脱率68.0%)
という結果でした。

まずは最初に設定したKPI基準値をクリアです。

次に重要なのは、「読んだ人がどれだけ次の(狙った)アクションをしてくれたか?」という点です。

最後まで読んだユーザーをターゲットに、記事最下部に「集客支援サービス・内製化ノウハウホワイトペーパー」への誘導を設置していました。

「最後まで読んだ人」を母数としたとき下記の結果でした。
・集客支援サービスリンク:クリック率0.66%
・内製化支援バナー:クリック率1.98%

誘導については、まだまだ改善の余地があります。

4.まとめ

メディア記事の場合、PV数に着目されがちです。

しかし、記事1つに対してもWebサイト改善と同じように、
・ターゲットにどう行動してほしいのか?
・実際にその通りになっているか?

という記事内のユーザー行動分析が重要です。

今回の結果からわかったことは
・リード文で離脱率が変わる
・最後まで読むのは全体の20~30%程度(MarTechLab調べ)
・ソーシャルボタンは、ユーザーが行動を起こしたいときに最適な配置かどうか検証が必要
という点です。

Webサイトに限らずメディア記事においても、Googleアナリティクスだけでなく、ヒートマップや動画を通じてユーザー行動分析することで、記事改善のポイントが抽出できます。

今回活用したClicktale(現:Contentsquare)の詳細を知りたい方は、
こちらから概要資料をダウンロードしてください。

▼こちらのホワイトペーパーもお勧めです▼
【事例付き】Google Analyticsやヒートマップの限界

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勝見 理恵

2012年ギャプライズ入社。 5年間Web集客コンサルタントとしてクライアントワークに携わり、リスティング広告からFacebook・Instagram・TwitterなどのSNS広告まで幅広く活用。 ClicktaleやOptimizelyを活用したサイト改善コンサルタントを経て、現在は自社のマーケティング担当。

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