ABテストの先駆者・レバレジーズに聞いてみたーOptimizely導入の1年間とナレッジ共有
社会が抱える課題に取り組み、顧客と社員の感情に貢献し続けるレバレジーズ株式会社様。
2023年のGoogle Optimizeサポート終了に伴い、Optimizelyをご利用いただいています。
今回、実施されているABテスト施策やナレッジ共有について、マーケティング部ブランドコミュニケーション室ご所属の深井遼太郎様と渡辺晴様にお話を伺いました。
Q:お二人のご管轄領域について教えてください。
深井様:プロモーショングループのマネージャーを務めております。グループ全体で50ほどサービスを運営しており、全体的なプロモーション戦略の立案と実行に加え、広告運用チームのマネジメントなどを担当しています。
渡辺様:プロモーショングループのなかでも、新卒向けの就活サービス「キャリアチケット」を担当するチームのリーダーを務めています。
目次
ABテストのお取り組みについて
Q:ABテストはいつごろから取り組まれているのでしょうか。
深井様:私が入社した2015年時点で、既にABテストを行う文化が根付いていました。当初は、マーケターやデザイナー、エンジニアが試行錯誤しながら月1本程度テストを回していました。その後、広告経路や検証したい仮説が増加することに伴い、リソースを抑えながら外部のABテストツールでテストを回す体制が整備されました。
Q:ABテスト実施の目的を教えてください。
深井様:基本的にはCVR改善を目的としています。サービスへの登録者数増加や、サイトの使いやすさ改善が主目的ではありますが、例えば「この訴求でこのターゲットに登録していただきたい」のように、仮説や目的に応じてCVR以外の指標を注視することもあります。
渡辺様:キャリアチケットの場合は、登録だけでなく面談予約までのステップもあり、予約までのレートも注視しています。
Q:どのくらいの頻度でABテストを実施していますか。
深井様:どのサービスも月3本ほど実施しています。
Optimizely導入の経緯
Q:Optimizelyご検討のきっかけを教えてください。
深井様:Google Optimizeのサポート終了が発表されたことがきっかけとなりました。GAにテスト機能がつくという話もありましたが、リリース時期や機能の詳細が不透明であったため別ツールへの切り替えを進めました。
Q:Optimizelyについては元々ご存知だったでしょうか。
深井様:名前は聞いたことありましたが、利点や具体的な機能については検討のタイミングで初めて知りました。
Q:Optimizelyの決め手を教えてください。
深井様:最も重視していたのは「Google Optimizeで実施していたことが問題なく継続できるかどうか」でした。現状からマイナスになることは避けたいと考えていました。
また、今後のLPOに関する課題感や実施したい施策、私たちのサービス成長スピードを踏まえ「最も多くのことを実現できるツールはどれか」という観点でも検討を行いました。
新しい無料ツールを含め幅広く情報収集を行いましたが、この2軸を踏まえた結果Optimizelyが最適であるという結論に至りました。
渡辺様:キャリアチケットでは、今まで実施してきたテストを継続できることは必須条件と考えていました。具体的には、画像やテキストの差し替え、ボタンなど機能追加が含まれます。検討の際には、メンバーと協力しながらツールの比較や意見の集約を行っていました。
Q:検討時の懸念事項はありましたか。
深井様:管理画面が英語である点が懸念材料でした。ただ、それ以外に懸念がなく、やりたいことは実現できるだろうと考えていました。
Google Optimizeとの違いは?Optimizelyを1年使ってみて
Q:OptimizelyではどのようなABテストを実施していますか。
渡辺様:新卒就活生向けエージェントサービスのLPに追従型のCTAボタンを設置しました。きっかけは、過去のLPOです。従来はページに各種CTAが設置されていたなかで、エントリーフォームをページ上部に配置したABテストを実施しました。その結果、登録率は上昇したものの面談予約率が低下しました。これに対し、「ページの中身を見ずにエントリーフォームに遷移したため面談予約率が低下したのではないか」という仮説を立てました。そこで、ユーザーが遷移したいタイミングで遷移できるようCTAを追従型に変更してみました。その結果、CTAのクリック率だけでなく、登録から予約の転換率も改善しました。
Q:その施策はどのセグメントをターゲットとしていますか。
渡辺様:当初はリスティング広告経由のユーザーに限定してテストを実施しました。有意差が確認され改善が見られたため、他の経路にも横展開しています。
Q:ボリュームを絞るのは、リスクヘッジの意味合いが強いのでしょうか。
渡辺様:それもありますが、最大の理由は経路ごとにユーザー属性が異なるためです。たとえテスト結果が良好であったとしても、その勝ち幅から横展開するかどうかを慎重に検討しています。
Q:Google OptimizeとOptimizelyの違いを教えてください。
渡辺様:画像挿入がGoogle Optimizeより非常に手軽かつ直感的に行えるようになりました。Google Optimizeでは自社サーバーに画像をアップロードする必要がありましたが、その手間が無くなり非常に嬉しいです。
Q:今回Optimizelyをご更新いただけた理由を教えてください。
深井様:テスト実施数や内容、ツールの使いやすさにおいてトラブルが発生しなかったことが大きな理由です。
Q:ギャプライズは「『やりたい』を実現できているか」を重視しています。現状御社の『やりたい』はどのくらい実現できているでしょうか。
渡辺様:やりたい施策は順調に実施できています。CSSやJavascriptの挿入機能も使いやすく、イメージ通りの動きや表示が実現できています。まだツールとして十分に活用しきれていない部分もあるかと感じているので、今後も積極的に挑戦していきたいと考えています。
Q:今後やっていきたいABテスト施策はありますか。
深井様:LP改善はこのまま進めていきつつも、完了ページなど改善できる箇所はまだ存在すると考えています。そのため、今後は登録後のコミュニケーションにフォーカスしたABテストを実施していきたいと考えています。
渡辺様:ターゲティングやオーディエンスがすごく使いやすいので、できるだけセグメントを細かく切り、それぞれの最適解を見つけていきたいです。
ナレッジ共有の手法
Q:御社では非常に多くの方がABテストを回されていらっしゃいますが、どのようにナレッジをご共有しているのでしょうか。
深井様:プロモーション施策全般の共有会を週1回実施しており、うまくいった施策を共有しています。また、LPOを含めた施策、結果や考察を一覧化しているチームもあります。
Q:ナレッジ共有が課題の会社に向けて、何か助言をいただけますでしょうか。
渡辺様:誰がどの施策を担当しているのかを可視化できるといいと思います。疑問が生じた際に「○○さんは過去にこのような施策を実施しているから質問してみよう」といった形で迅速に質問できて、それがナレッジ共有にも繋がると考えています。
加えて、マーケティング部では、ツールの使い方について自由に編集できるドキュメントを作成・共有しています。チーム全員でそのドキュメントを育てることで、いつでも辞書のように参照できるため非常に有用です。
1年間を振り返って
Q:Optmizelyの良い点と改善してほしい点について、率直に教えてください。
渡辺様:やりたいことは全て実現できていますし、読み込み速度も速いです。GAと連携できるためオフラインデータと紐づけできる点も魅力的です。改善点としては、モバイルページでABテストする際に一度検証モードにする必要があるため、もっと直観的に操作できるとさらに嬉しいですね。
Q:今後ギャプライズに期待していることがあれば教えてください。
深井様:1年目はGoogle Optimizeと同様の施策ができるようにするサポートが主だったと感じています。今後は、「次にこういうテストを試してみてはどうですか」といったご提案をいただけるとありがたいです。
渡辺様:疑問が生じても「回答いただいたがよくわからない」ということがなく、しっかりと解決に導いていただいており大変感謝しております。今後は、グローバルでの成功事例をご共有いただけると助かります。
ご協力ありがとうございました。
聞き手:伊藤、栁澤、舟木
ギャプライズ担当者の声
レバレジーズ様では、2015年以前から先進的にABテストを実施されており、現在ではOptimizelyを含む弊社ABテストツール関連のお客様の中で最も多くのサイト・ご担当者様にご利用いただいております。
更に横軸で事業部横断での実績共有から、利用方法のナレッジ共有まで部の垣根を超えた連携が行われていることから、ABテストを行っている企業全てが参考としていただきたいカルチャーです。
そのような先進的なレバレジーズ様をサポートできることを嬉しく思い今後とも発展の力添えをさせていただきます。

舟木/マーケティング・IS担当
ABテストツールなどのインサイドセールス専任として入社し、現在はマーケティングも担当。週5でヨーグルトを摂取。好きな野球選手は大谷翔平。