離脱率を改善するには?8つの対策法と5つの原因を徹底解説
離脱率を改善したいとお悩みの担当者の方は多いのではないでしょうか。
Webサイトのコンバージョン率をアップさせるためには、離脱率を下げることが重要です。
本記事では離脱率が高くなる原因と、8つの対策方法を紹介します。
ぜひ参考にして、Webサイトの離脱率を改善しましょう。
目次
離脱率とは
離脱率とは、Webサイトを訪れたユーザーが、そのページを最後に閲覧してWebサイトから離れた割合のことです。
離脱率は直帰率と混同されがちですが、Webサイトの複数ページを閲覧して最後に離脱したページの割合が離脱率で、ユーザーがWebサイトを訪れてその1ページですぐに離脱してしまった割合を直帰率といいます。
直帰率は全てのセッションをベースとした指標なのに対し、離脱率はページビューをベースにした指標という違いがあります。
離脱率の改善が必要なページの特徴
離脱率は、高くても問題のないページと、改善するべきページがあります。
たとえば、サンクスページや他サイトへの誘導ページなどは離脱率が高くても問題ありません。
逆に、離脱率が高い場合に改善が必要なページがあります。
以下の3つのページの離脱率が高い場合は、改善することをおすすめします。
PV数が特に多いページ
閲覧数が特に多いページで離脱率が高い場合、多くのユーザーを逃してしまっているということになります。
ユーザーが離脱せず、コンバージョンに繋がるようにページを改善すると良いでしょう。
PV数の多いページの離脱率を低下させるように改善するだけで、コンバージョン数が伸びる可能性があります。
問い合わせフォームやコンバージョンにつながるページ
問い合わせフォームや購入などのコンバージョンに繋がるページで離脱率が高い場合、ユーザーのアクションが完了する前にWebサイトから離れてしまっていると判断できます。
せっかく購入や問い合わせをしようとしてくれているユーザーが離脱していくのは、もったいないのはもちろん、理由もさまざまです。
たとえば、問い合わせフォームの入力項目が多すぎる、入れたくない項目まで入力させられる、煩雑すぎるなど問い合わせフォームの入力途中で離脱しがちです。
また、商品購入に至るページでの離脱は、購入手続きが面倒だったり複雑だったり、支払い方法や配送方法に希望のものがないなどといった理由があげられます。
問い合わせフォームや購入ページまで進んでくれたユーザーを逃さないためにも、ページを改善して離脱率を下げる工夫が必要です。
【保存版】問合せを劇的に増やすエントリーフォーム最適化(EFO)15の方法
閲覧時間が極端に短いページ
閲覧時間が極端に短いページとは、ユーザーがページを開いてすぐに自分の知りたい情報がないと判断したページということです。
閲覧時間が極端に短いページはユーザーのニーズとページで提供している情報がかけ離れている可能性があります。
ユーザーが求める情報、ユーザーの見たい、知りたいという欲を満たせるコンテンツに改善する必要があります。
離脱率が高い5つの原因
離脱率が高くなるのには理由があります。
本章では、主な原因を5つ下記で紹介します。
ユーザーの期待に応えられていない
ユーザーがWebサイトを訪れるのは、自分のほしい情報を得るためです。
期待していた(知りたい)情報とコンテンツに違いがあると、ユーザーはこれ以上読み進めるメリットがないと判断し、Webサイトから離脱していきます。
ユーザーの期待に沿わないコンテンツは、Webサイト自体の訪問者数を減らす原因にもなります。
タイトルと記事の内容にずれがある場合も、タイトルからコンテンツ内容を想像して来たユーザーの期待を裏切ることになるため、離脱率が高まる要因です。
たとえば、ダイエット方法を検索したユーザーに対して、ダイエット食品のおすすめばかりを紹介するのは一見ユーザーのほしい情報に沿っているようですが、軸がずれてしまっています。
サイトのターゲット層があいまいであったり、ユーザーの検索意図を把握していなかったりすることが離脱率が高まる要因です。
ユーザビリティが悪い
ユーザーにとって使いにくい、見にくいWebページは離脱率が高くなる傾向があります。
ユーザーがWebサイトを閲覧する際に、ストレスを感じて、ほかの見やすいWebサイトへ移動してしまうためです。
ユーザビリティが悪いWebサイトの例として「カテゴリが乱雑」「リンクがわかりにくい」「スマホで見ずらい」などがあげられます。
ユーザーにとって不親切なページも離脱率が高くなります。
長文で文字ばかりのページは読みにくく、ユーザーが飽きてしまいます。
適度に画像を入れる、太字などでアクセントをつけるなど読みやすいページを心がけましょう。
ページ内で課題が解決されている
ページ内でユーザーの課題が完全に完結している場合も離脱率が高くなります。
ユーザーがそのページを見て、知りたい情報を得ることができ、満足してWebサイトを離れているためです。
情報を提供するためのページなら、課題を解決して離脱されるのは問題ありません。
しかし、課題を完全に解決して離脱率を高めないほうが良いページもあります。
それは商品やサービスに関わるページで、理由は課題を完全に解決してしまうと、購入につながらないためです。
たとえば、ダイエットグッズを販売するサイトで、その商品なしでもダイエットができる情報を提供してしまうと、ユーザーはその情報で満足して商品を購入しません。
商品やサービスを通じて課題を解決できるように訴求をすることで売上アップにつながります。
外部サイトへのリンク
外部サイトへのリンクが適切に設置されていない場合も離脱率が高くなります。
「外部リンク」とは、自社サイト以外の別Webサイトへのリンクのことです。
外部リンクで他サイトへ移動すると、再度元のサイトへ戻ってくるのは面倒なためユーザーが離れる原因になります。
必要性を考慮し、適切に配置することが重要です。
ページの読み込みが遅い
ページの読み込みが遅いのも離脱の原因になります。
ユーザーはWebサイトがすぐに表示されないと、ストレスを感じ他のWebサイトに移ってしまいます。
Webサイトを訪れるユーザーは待つことを嫌います。
Googleの調査ではモバイルデバイスにおいて、Webサイトの読み込みに3秒以上かかると53%ものユーザーが閲覧を止めてしまうという結果が出ています。
参考:Top 12 marketing insights from 2017 to carry you into 2018|Think with Google
読み込みが遅くなる原因は、データの大きい画像や、動画などページの見栄えをよくしようと多用しすぎることです。
ただし、画像が一切ないのもユーザーにとって読みにくいコンテンツとなってしまいますので、バランスを考え、画像を圧縮するなど工夫してページ構成することが重要です。
離脱率を改善するための8つの方法
離脱率を改善するにはどうすればよいか、ギャプライズでの事例を参考に、改善方法を紹介します。
ヒートマップ分析を行う
ミュゼプラチナムでは、ヒートマップツールContentsquareを活用しスクロール率の改善に成功しています。
ファーストビュー以下の閲覧率が45.5%だったのに対し、ヒートマップを参考に改善を行った後は76.8%と1.7倍の閲覧率にできました。
ヒートマップは、ページを訪れたユーザーが離脱するまでの行動をダイレクトに可視化できるツールです。
ヒートマップで熟読エリアを分析すれば、ユーザーの興味をひかないコンテンツを確認できます。
ユーザーが興味を示さないコンテンツは離脱の原因になるので、改良するなどの対応をとることが可能です。
上記の図はミュゼプラチナムのページ遷移を表しています。
円の中心がページに来た全てのユーザー、外側に行くにつれて他のページへの遷移です。
遷移先ページのURLごとに色分けされており、黒い部分は離脱を指します。
ミュゼプラチナムでは、約38%のユーザーが直帰していることがわかります。
ユーザーがページ内をどのように移動しているかも確認できるので、離脱するポイントも鮮明に可視化できます。
離脱の原因をデータとして把握し改善に役立てることはもちろん、コンテンツ改善後のユーザーの行動の変化も確認できるのも大きな利点です。
検証から改善を正確に行えるヒートマップは、離脱率改善に非常に役立ちます。
タイトルとページ内容を一致させる
タイトルやディスクリプションがコンテンツ内容に適しているかを見直すことも離脱率の改善には重要です。
ミュゼプラチナムの事例では、「全身脱毛が月々1800円」「サロン脱毛通い放題」などキャンペーン内容やお得さがより伝わる文言を入れるように改善しました。
ユーザーは検索結果に表示されるタイトルやディスクリプション(記事の要約)から訪れるサイトを選択しています。
そのため、タイトルと内容にずれがあると、ユーザーの期待を裏切ることになり離脱につながります。
コンテンツの内容をタイトルやディスクリプションでしっかり伝えることで、訪れたユーザーの期待に応えることができ、離脱率の改善につながります。
ユーザーのニーズにあったコンテンツを作る
ユーザーは自分の知りたい情報がWebサイトにないと判断すると離脱します。
ユーザーの求める情報を明らかにし、より詳細に情報を提供することでコンテンツ内容を充実させましょう。
ミュゼプラチナムでは、ファーストビューでユーザーをつかみ、その後キャンペーンの内容を詳しく記載、無料カウンセリング予約のボタンへとつなげています。
たとえば、ヒートマップの行動分析により、ユーザーの知りたい情報が「サービスの料金プランの内容」という仮説に至った場合、料金プランをより分かりやすく表示させることで離脱率の改善だけではなく、コンバージョン率のアップにつなげることもできます。
適切な内部・外部リンクの設定
内部リンクを最適化することで、自社サイトの回遊率増加が期待できます。
自社サイトの関連記事など、他のページに遷移させるのが内部リンクです。
しかし、内部リンクが多すぎると、ユーザーのストレスとなり離脱につながるので注意が必要です。
内部、外部リンクの設置は厳選して必要なものだけにとどめておきましょう。
表示速度の最適化
表示速度の最適化で離脱率の改善につながります。
Googleの調査では以下のような結果が発表されています。
- 読み込み時間が1~3秒:離脱率32%
- 読み込み時間が1~5秒:離脱率90%
- 読み込み時間が1~6秒:離脱率106%
- 読み込み時間が1~10秒:離脱率123%
参照:Find out how you stack up to new industry benchmarks for mobile page speed|Think with Google
ページ速度の最適化は離脱率の改善に重要です。
ページ内の画像を軽くする、不必要な情報は削る、サーバーを変更するなどで速度の最適化を行いましょう。
サイトスピードが遅い原因や改善策|おすすめの導入ツール4選も紹介
モバイル端末へ対応する
総務省の調査では、スマートフォンのインターネットの利用率は68.5%、パソコンは48.1%とスマートフォンからインターネットを利用する方が多いことが発表されています。
参照:情報通信機器の世帯保有率の推移|総務省
Webサイトもスマートフォンの表示に対応したものでないと、ユーザーが閲覧する際にストレスになってしまいます。
パソコンから閲覧するのと同じ構成では、画面の小さなスマートフォンでは見にくいためです。
モバイル端末向けに構成するには以下のような方法があります。
- カテゴリ分けを細かくする
- 文字に色や太さなどアクセントをつける
- 画像や動画を適切なサイズで貼る
- ボタンを見やすく立体的にする
モバイル端末向けにWebサイトを設計し離脱率の改善に役立てましょう。
CTAボタンを設置する
CTAボタンの設置で離脱防止とコンバージョン率のアップにつなげることができます。
CTA(Call To Action)ボタンとは、Webサイト上でクリックを促し、コンバージョンへ導くボタンです。
Webサイトの目的によってさまざまなCTAボタンがあります。
よく見るCTAは「お問い合わせ」や「資料請求はこちら」などが挙げられます。
CTAボタンはたくさん設置すれば良いわけではなく、適切な設置場所に確認しやすいデザインで配置することが大事です。
PDCAの継続を行う
離脱率の改善でもっとも重要なことは、改善のPDCAの継続です。
これまで紹介した改善方法は、一度の施策で成功するとは限りません。
ユーザーのニーズや行動の変化によって、施策の結果も変わっていきます。
ミュゼプラチナムでも、離脱ポイントを明確にし改善することでユーザーに見てもらえるページにする、その後フォーム遷移率改善などのCVR最大化のための改善をするという流れを繰り返し行ってより良いWebサイトへ近づけていきます。
テストを繰り返し、常にユーザーにとって最善の状態にWebサイトを保つことが重要です。
PDCAの継続を行うためには、アクセス解析ツールの活用、ヒートマップツールの活用などがおすすめです。
まとめ:原因を突き止め離脱率を改善しよう
ユーザーがストレスを感じている具体的なポイントを特定するには、詳細な分析が必要です。
ツールを活用した深層分析を通じて、ユーザーにとっての真の障壁を明らかにし、適切な改善策を講じましょう。
もし自社のリソースだけで、分析や改善策の実施が難しい場合や、専門的な知見や技術が必要な場合は、ギャプライズにお任せください。
ギャプライズでは、ユーザー体験の詳細な分析から、ヒートマップツールの導入・実装、効果的なWebサイト改善のための戦略立案まで、幅広いサポートを提供します。
さらに、施策の効果を最大化するための継続的なサポートも行っており、お客様のWebサイトが目標とする成果を達成できるよう、一貫した支援を行います。
ユーザーが直面している問題を正確に理解し、根本から解決に導くためのパートナーとして、ぜひギャプライズにご相談ください。
私たちは、お客様一人ひとりのニーズに合わせたカスタマイズされた解決策を提供し、Webサイトの離脱率を効果的に改善するお手伝いをいたします。
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今本 たかひろ/MarTechLab編集長
料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。