「Azure CDN」とは|機能やプロバイダー、メリットを紹介
「Azure CDNってなに?」
「Azure CDNを使うメリットは?」
上記のように、悩んでいるマーケターの方は多いのではないでしょうか。
自社のサーバーがキャパオーバーしてしまいそうな時にCDNを利用すれば、キャッシュサーバーを利用できるため、アクセス集中を緩和できます。
本記事ではAzure CDNの機能やメリットから気になるコストまで解説します。
CDNを使って自社サイトの安定した接続状態を目指し、よりユーザーファーストな運営を目指しましょう。
目次
CDNとは
CDN(Content Delivery Network:コンテンツデリバリーネットワーク)とは、Web サーバーの負荷を軽減し、コンテンツを安定的に配信するために欠かせない仕組みの名称です。
CDNを利用しない場合はオリジナルのWEBサーバーであるオリジンサーバーを経由します。しかし、オリジンサーバーの場合はユーザーから一定以上のアクセスがあると、応答速度の遅延やサーバーが停止する可能性があるのです。
そこで、Web サーバーがもつコンテンツのコピーを各地域のエッジサーバーと呼ばれるサーバーに配置(キャッシュ)するのがCDNの仕組みです。ユーザーが最寄りのエッジサーバーにアクセスすることにより、コンテンツを安定的に受け取れるネットワークサービスが構築できます。
CDN導入のメリット
CDNを導入すると以下のメリットがあり、自社サイト運営をより効率的に行えます。
- オリジンサーバーの負荷の軽減
- サイトやコンテンツの速度の軽減
- コスト削減
どのメリットもサイトの安全性だけでなく、売上や集客の向上、安定した経営に欠かせない項目です。
オリジンサーバーの負荷を軽減できる
Web コンテンツのキャッシュにより、オリジンサーバーへのアクセスを減らせます。
オリジンサーバーの負荷を軽減でき、サーバーダウンの予防が可能です。
オリジンサーバーのみで運営していて、サーバーが不安定な場合はCDNの利用で負荷の軽減を測りましょう。
Webサイト・コンテンツの速度が改善される
CDNの利用で自社サイトの読み込み速度が改善されます。
その理由はユーザーから距離的に近い CDN へアクセスできるためです。
データの遅延速度を減らし、コンテンツ配信を高速化できるため、ユーザーエクスペリエンスの向上が期待できます。
ページ速度の読み込みはSEO評価にもつながるため、自社の効果的なマーケティングにつながります。サイトスピードに課題を抱えている場合は、CDNの利用で解決する可能性があるため、検討してみましょう。
コスト削減につながる
CDNの利用はコスト削減にもつながり、経営課題の解決策にもなります。
コスト削減の理由は、アクセス数の増加に対してCDNで分けることでオリジンサーバーを増設する必要がなくなるためです。
オリジンサーバー増設に伴うイニシャル・ランニングコストを削減できるため、サーバーの契約を上げようとする前にCDNの利用を検討しましょう。
セキュリティの向上
CDNの導入によって、ユーザーがオリジンサーバーへの直接アクセスがなくなります。
その結果、大量のアクセスによるサーバーダウンを狙うDoS攻撃・DDoS攻撃も防げる効果があります。自社のサイトのセキュリティが不安な場合、CDNの導入でユーザーエクスペリエンスを保ちつつ安全に運用できる点がメリットです。
SEO対策
CDN利用で表示速度を向上させることは、検索エンジンによる評価アップにもつながります。ページ読み込み速度がGoogleのアルゴリズムに関係しているためSEO対策にも効果的といわれているからです。サーバー速度の低下に悩んでいて、SEOにも課題を感じているならCDNを利用してみてください。
企業の信頼につながる
アクセスの集中によりサーバーダウンが起こると信頼を失う可能性があります。
アクセスが繋がらない状態になるとイライラして不信感を抱く読者も少なからずいるでしょう。イベント時など一時的に負荷がかかるタイミングでサーバーが安定すると企業イメージを損なわないため、CDNでの対策は効果的です。
Azure CDNの機能
引用元:https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/cdn/
Azure CDN の主な機能と仕組みについて解説します。
以下にあげるものが主な機能です。
- 動的サイトを高速化する
- CDNキャッシュ動作を制御
- HTTPSをカスタムドメインで有効化する
- Azure診断ログ
- ファイル圧縮
- 国・地域別のコンテンツ制限
Azure CDNの公式サイトにて詳細は記載してあります。
カスタマイズ性が高いので、事前に構成する各社のサービス内容を把握する必要がある点に注意しましょう。わからない場合は全て対応できる会社へ相談すると、費用を抑えて必要なサービスを推奨してもらえます。
動的サイトを高速化する(DSA)
DSAとは、キャッシュに頼らない Web配信の高速化機能です。
DSA を利用することで、ルーティング、TCP パラメータ、画像圧縮などの最適化を行います。その結果、動的サイトの配信パフォーマンスを向上できます。
CDN キャッシュ動作を制御する
データをユーザーに近いエッジサーバー上に保存する機能が、CDNにはあります。
エッジサーバー上に保存すると迅速にアクセスできます。
以下の2種類のキャッシュの動作を制限します。
- キャッシュ規則
- クエリ文字列キャッシュ
詳細を解説します。
キャッシュ規則
キャッシュ規則は既定のキャッシュ期限切れ動作を設定します。
全てのキャッシュを要求、または特定のパスやファイル拡張子に対してそれぞれ定義可能です。
クエリ文字列キャッシュ
Azure CDN がクエリ文字列ごとに制御する方法を、クエリ文字列キャッシュといいます。
クエリ文字列キャッシュを利用すると、負荷が減る点と同一の参照(SELECT)に対する処理が早まる点がメリットです。
HTTPSをカスタムドメインで有効化する
TLS/SSL証明書で、Azure CDN カスタムドメインでHTTPSを使用することが可能です。
HTTPSにより、インターネット上の送受信データが暗号化されるため、セキュリティ向上に役立つでしょう。Azure CDNで管理された証明書と独自の証明書を選択でき、視覚的に理解ができます。
Azure 診断ログ
Azure CDNのキャッシュ要求数、ヒット数、送信データ転送量などの基本的な使用状況などを確認できます。Azure ストレージや Log Analytics などに保存し、CSV や EXCEL、Azure Monitor などにエクスポートも可能です。
ファイル圧縮
ファイル圧縮により、サーバーからファイルを送信する前にファイルサイズを削減できます。ファイルの転送速度とページ読み込みのパフォーマンスを簡単かつ効率的に向上する点がメリットです。
国・地域別のコンテンツ制限
geo制限(gooフィルタリング機能)とも言われる国や地域別のコンテンツが制限できる機能があります。geoフィルタリング機能を使用することで、国や地域で自分のコンテンツへのアクセスを制限できてセキュリティの向上が可能です。
Azure CDNの構成と料金
引用元:https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/details/cdn/
Azure CDNを構成するサービスや料金について解説します。
SzureCDNは大きく分けて3種類のサービスに分かれており、料金も国や地域によって異なります。日本に対応する料金もわかりやすくまとめたため、参考にしてください。
Azure CDNを構成するサービス
Azure CDN は 以下の3 社の CDN プロバイダーによって構成されています。
- Microsoft
- Verizon
- Akamai
詳細を解説します。
Azure CDN Standard from Microsoft
Microsoft社がプロバイダーとして提供するサービスです。
Azure CDN の中では最も新しいSKUです。配信元が Azure サービスの場合、コストが他のSKUより抑えられる特徴があります。
Azure CDN Standard from Akamai
動的なサイトの最適化に優れていました。しかし2023年10月にサービス終了しているため、現在は使えません。
Azure CDN Standard from Verizon
Verizon Digital Media Services 社の CDN 上で動作するSKUです。
Azure を経由して Verizon のポータルに接続すると、CDN に関するログをグラフ化できます。
Azure CDN の料金
Azure CDNの料金をまとめます。
プロバイダーによって料金が異なるため、Edgio (S1)/Microsoft (クラシック) (S3) の Azure Content Delivery Network Standardの値段を記載します。
送信データ転送 | 料金 |
〜10 TB/月 | 20.2892円/GB |
10 ~ 49 TB/月 | 19.0309円/GB |
50 ~ 149 TB/月 | 17.6154円/GB |
150 ~ 499 TB/月 | 14.6271円/GB |
500 ~ 999 TB/月 | 11.7960円/GB |
1,000 TB 超/月 | お問い合わせ |
引用元: Azure「Content Delivery Network の価格」
日本の料金設定は引用元のゾーン2に準ずるため、その部分のみ抽出して記載しています。
そのほか付随する内容に応じて料金がかかるため、事前にどの程度利用するか検討して予算を立てましょう。
まとめ|Azure CDNで自社サイトの安定と信頼のキープが可能
引用元:https://azure.microsoft.com/ja-jp/products/cdn
Azure CDNはオリジンサーバーの負荷を減らし、自社サイトの安定した運営とSEO対策を向上させるサービスであり、メディア運営に関わるトータルコストの削減にもつながるため、サイト運営の費用を見直す際にも効果的です。
まずは自社に必要なサービスを検討し、見積もりを出して導入を検討しましょう。
しかし、CDNサービスはさまざまあるため、どのツールを使えばよいのか、分からないと悩んでいるマーケターの方も多いのではないでしょうか。
ギャプライズではサイトスピード改善における無料診断を行っています。
スピード改善以外にもお客様の目線に立ち、お客様の目標とする成果を達成できるよう、サイトの分析から戦略立案まで幅広くサポートさせていただきますのでぜひ、お気軽にお問い合わせください。

MarTechLab編集部
このブログでは、ABテスト、サイト改善、UI/UXデザイン、広告最適化、インフルエンサーマーケティングなど、多岐にわたるトピックを取り扱っています。また、業界の専門家にインタビューを行い、実際の事例や成功事例を紹介することで、読者に有益なインサイトとアイデアを提供しています。