Vol2:日立製作所が選んだ、あらゆるユーザー行動を可視化する“コンテンツスクエア”~先進的な機能の活用と期待~
Vol.1のコンテンツに引き続き田中正樹さんに、インタビューを行っております。
今回は田中さんのキャリアやコンテンツスクエアの新機能の中で日立として興味のある分野に関してお伺いをしています。
目次
・田中さんのキャリア、チームの役割について
ーお話を伺っていてあらためて田中さんがいらっしゃることで、ツール導入だけでなくコンテンツへの活用や、Googleオプティマイズ導入など、様々な事がスムーズに進んでるのではと感じました。どういうスキルセットを持った人がチームとして選ばれるのですか?
私はもともとエンジニアとして日立製作所に入社し、今の組織の前は社内向けのITサービスを開発・運用する組織でエンジニアとして働いていました。
その後、社内公募で今の部署に応募して、今に至ります。
Webシステムの仕組みについては一通り理解していますので、今の部署に配属になった時、今の日立グループの置かれてるWebの状況をさまざまな部署の方にヒアリングをしながら、「今、日立のWebに足りないことはこういうことか」というのを徐々に理解していきました。
ーグループ内の他メンバーの方との役割分担も教えてもらえますか?
そうですね。部署としては日立グループのWeb戦略を担う部署ですので、Webにおけるデザインルールやガイドラインの浸透やグローバルWebプラットフォームなどの領域を担っています。その中でも私はもともとエンジニアでしたので、前職の知識を活かせる基盤周りのさまざまな施策を担当しています。
最近ですと各国・地域の法規制に対応したクッキー制御ツールの導入を進めています。クッキー規制対応では自部署で管理してるWebサイトだけではなく日立グループ全体としての方針を出し、さまざまなWeb責任者・担当者と連携しながら導入を進めています。
ー領域はかぶらないのですか?
そうですね。基本的にはかぶらないです。
さらに、私たちの部署では日立グループのWeb人財の育成という面も担っています。
人財育成においてさまざまな教育プログラムを用意しています。日立のブランドマネジメントやデジタルコミュニケーションなどの基本を理解するベーシック講座やWebサイトのアクセシビリティや制作・運営に関する講座などを開催しています。
Webの責任者・担当者は組織変更などによって新しく担当になる方々がたくさんいるので、そういった方々にも参加いただいています。
ー業務はかなり多岐にわたりますね。
すごく広いんです。
・コンテンツスクエアへの期待、先進的な新機能の取り扱いについて
ー今後のツールや弊社への期待のお話を教えてください。
ツールに期待していることは、常に新しい機能ですね。
この前のセミナーでもお話を聞けましたがどんどんいろいろな機能が出ていくので、きちんと使えるようにしたいですね。
ーコンテンツスクエアは業界内でリーディングカンパニーという立ち位置なので、プロダクトアウト的な視点で、次から次へと「この機能は何に使えるんだろう」というすぐには理解が難しいような最先端のものが出てきますよね。
そうなんです。私もまだイメージができていなくて。
いろいろな機能が出てくる中で、例えば、セミナーで語られたアクセシビリティに関する新しい提案があるっていうのが、気になったので「後で確認」っていうメモが出てきました。
※しっかりイベントで配布されたメモを使っていただけてました!
ー実はコンテンツスクエア社としてすでに結構力入れてる領域でして。
世界でみるとかなり多くの方々が視覚障害をお持ちなんですが、健常者の方とは見え方が異なるという事で、彼らに対してインターフェースを変えられる機能がすでに利用できます。
フォントサイズを大きくできたり、色の明暗を変更できたりと、いろんなことができるようになっていて、アクセシビリティを高める事に大きく投資をしています。実際のところ、まだまだビジネスになる領域ではないのですが、「重要だ」ということで力を入れているようですね。
私たちもWebのアクセシビリティに力をいれたいと思っていたところです。
私たちの部署ではWebアクセシビリティガイドラインを制作しており、日本のJIS規格やWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)に準拠したものですが、それの最新版のガイドラインを制作しようと思っていましたので、今後のアクセシビリティの機能に注目していきたいと思います。
ーまずはコンテンツケアとして提供可能な範囲もあるでしょうし、これから発展していくと思われるので、引き続き情報を案内していきますね。
ぜひ。あとは。コアウェブバイタル(Core Web Vitals)のお話ですかね。
ーそうですね。今までコアウェブバイタルの改善が、実際にUXにどう影響与えてるかってあまり紐づいていなかったのです。
この紐づけが実現し始めてまして、Googleが定めているLCP基準よりも高い人のコンバージョンレートが実は下がってるなど、ベータ版ですがデータが実際出てきてたりします。(※)
(※)10月28日にプレスリリースが公開されました。
Contentsquareが「360度デジタル体験モニタリング」の新機能「スピード分析」を提供開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000080319.html
ちなみにもう一つご意見をお伺いしたいのですが、クッキーレスバージョンという1st party Cookieを使わない機能が開発されています。
新規と再販の区別がつかなくなったり、クロスドメインが取れなくなったり。クッキーの恩恵を受けられなくなるので、1st party Cookieへの制限がそれほど厳しくない現状ですと、なかなか判断しにくいと思われます。
ただクッキー自体がいずれ使えなくなる可能性は高いことから既に用意はしてあるものなので、実際この領域のニーズってどの程度あるものなのかなって聞いてみたかったです。
いずれ来るその時代に先手を打っておくという事ですね。
クッキー自体がさまざまな国・地域で規制されていく中、特に欧州のGDPRでは訪問者の同意なしにクッキーの取得はできませんので、今後のサイト分析に影響がでてきますよね。
ーそうですよね。欧州ではすでに問題として起きてるってことですよね。ありがとうございます。
最後にもう少し、当社への改善点や期待をして頂けている点などあれば。コメントをお願いします!
そうですね。いつもさまざまな面からご支援いただいており大変ありがたく思っています。
しかし、私たちが対応できないところがありますが、引き続きグイグイご提案いただけると助かります。そろそろ日立との付き合い方など分かってきていらっしゃるんじゃないかと思うので。
ー分かってきているかもしれないです(笑)。
私たちの会社は組織が大きいがゆえに1つの方針を決めて進めるにも時間がかかるところがあります。Webサイトもその一つです。
訪問者はさまざまな目的をもってサイトに訪れますので、訪問者に何を伝えるべきなのか、どう見せるべきなのか、何が適切かはすごく悩みながら進めています。
それでも、今の部署はどんどん新しい人財が入ってきてフレッシュで前向きな考えの方がたくさんいるので、どんどん変えていこうというマインドが強いと思っています。
すこし話は変わりますが、去年Webサイトのヘッダー・フッダーを新しくリニューアルしました。リニューアルした1つのきっかけは、御社のサイト分析だと私は思っています。
前述している通り、私たちが日立のデザインルールを作り、ガバナンスをかけながら適用推進していますが、長年同じデザインを使って運用している中で、ユーザーから改善の声があったり、ユーザー行動を分析したときも、このメニューは使われていないなどの結果がわかりましたのでリニューアルするプロジェクトを行うことになりました。
その中で、既存の分析結果や課題感を報告する際に、御社から得た情報が判断材料になりました。
それで今、日立のWebサイトのデザインがあるかもしれません。
ーありがとうございます!めちゃくちゃ嬉しい一言を頂戴しました。
もっと他でも貢献していけるようにします。
運用の中で、コーポレートよりもハードルが低く、PDCA回せそうっていう領域も出てきたのでモデルケースを作って、展開していけたらなと思います。
長時間インタビューへのご協力ありがとうございました!
鈴木 隆司
2005年ギャプライズ共同創業 ECコンサルタント、セールス、Webマーケ事業、経営など、実務業務もマネージメントも酸いも甘いも経験させていただき、2020年よりギャプライズの広報業務を担っています。