売上を10倍にしたBtoBマーケティングの設計と3つのアクション
弊社は、最先端テクノロジーを用いてお客様のROI最大化に貢献してきました。
その結果、2012年度から2018年度の間で売上を10倍にしました。
売上を10倍にする過程で様々な失敗を経験し、その後成功しています。
今回は、6年間で売上を10倍にした施策の設計と具体的な3つのアクションをご紹介します。
1.施策設計
BtoBマーケティングはBtoCマーケティングに比べ、ユーザーの衝動買いが少ないため、ユーザーの行動を計算しやすいです。そこで、弊社はターゲティング、KPI、組織の3つの施策設計をしました。
1-1.ターゲティング設計
ターゲティングのポイントは4つです。
①現状把握と優先順位の決定
BtoBマーケティングにおいて、現状把握と優先順位の決定が重要であることは言うまでもありません。
弊社は、現状把握をする際、テクノロジーに合う企業を「会社×部署×個人」で洗い出しを行います。
弊社、Optimizelyの例では
会社:人材業界、トラベル業界、EC業界、不動産業界、社員数100名以上、マザーズ上場
部署:デジタルマーケティング部署、ABテストを実施済みorこれから実施したい
個人:部長レベル、100万円以上の決裁権、リテラシーが高い
となります。
この大枠を用いて、下図のように、優先順位の決定を行います。
この優先順位の元、どのような行動をとるか選択します。
②欲しいユーザーではなく取れるユーザーを取る
ユーザーを獲得する際、決裁者リードを求めてすぎる企業もあります。
また、決裁者リードの獲得が、受注に近いリードと考える企業もあります。
しかし、弊社がマネージャー、CXOレベルに限定されたサミットに参加した際、獲得リスト38社に対して受注は1件のみでした。
このことから、決裁者リード=受注に近いリードではないと学びました。
さらに、リードの質にこだわると必然的に活動量が落ちます。
活動量が落ちると売上が減り「負のサイクル」に突入します。
リードは質ではなく量を重視すべきです。
③リードは4つのニーズに分けて考える
弊社はリード獲得までのナーチャリングを下図のように4つに切り分けて考えます。
各ニーズ「決算タイミング」「課題が顕在化したタイミング」「人事異動」「予算が余ったタイミング」でいかに企業やサービスを想起してもらえるかが重要です。
そのため継続的なコミュニケーションを実施する必要があります。
また、ニーズの段階に分けてコンテンツの出し分けも必要になります。
1-2.KPI設計
KPI設計はとてもシンプルです。
それは「質より量。そして絶対に率を追わない」です。
質より量が重要なのは、もうご理解いただいてると思います。
弊社が率を追わない理由はとても簡単で、率を追った時点で必ずシュリンクすることを知っているからです。
率には、様々な要素が複雑に絡むためコントロールができません。
その結果、どの箇所を改善すればいいのか明確になりません。
そのため、率は追ってはいけません。
1-3.組織化の設計
弊社はプロジェクトをチーム化する際は必ず、決裁者を責任者に入れる、セールスを入れる、短期集中の目標を立てています。
また、やってはいけない事として、通常業務と兼任での運用は禁止しています。
これは、弊社がBtoBマーケティングチームを立ち上げた際の失敗から生まれた教訓です。
より具体的なBtoBマーケティングの施策をご覧になりたい方はこちらから
2.売上を10倍にした3つのアクション
2-1.リード獲得
弊社は、2017年度よりリード獲得を100%内製化しました。同時にWEB経由リード数を前年比6倍にするという目標を立てました。
上期は、リードの質を求め施策を絞った結果、達成率81.61%と上期達成率は81.61%と大きな未達になりました。
この反省を活かし、下期は、リード数をとにかく増やすことを目的にした結果、通期達成率141.68%、リード獲得数9倍、CPAは2分の1になりました。
下期に行ったアクションは主に3つで
・ホワイトペーパーの活用
・Facebook広告の活用
・外部媒体の活用
です。
①ホワイトペーパーの活用
ホワイトペーパーは、2017年度下期にリード獲得につなげることを目的にホワイトペーパーを半年間で計28本作成しました。
その中で、次のような疑問が社内から出ました。
・同じ人ばかりホワイトペーパーをDLするのでは
・アポにつながらないのでは
・どうやってホワイトペーパーを作成しているのか
実際は、これらすべてを解決できています。
②Facebook広告の活用
Facebook広告はBtoBマーケティングでも効果的なのかという相談をよく受けます。
弊社の経験からFacebook広告の効果はあります。
具体例だと、リスティング広告と比較した際、最も効果の高いケースでCPAが10分の1になったものもあります。
Facebook広告は、ホワイトペーパーDLを軸に運用しています。
例外はありますが、ホワイトペーパーDLであれば1日7件以上の「お問い合わせ」コンバージョンが狙えます。
その場合、改善スピードを上げるため広告を運用してから1-2日で1次判断を下しました。
下図が基本的な判断基準です(2018年9月末時点)
※COSTとCPAに関しては弊社基準のため、実施する際は御社で算出する必要があります。
※当時の運用ルールです。最新の事例について知りたい方はこちらからお問い合わせください。
「いくら何でも判断するのが早いのではないか?」と思われるかもしれません。
正直これは5年間以上、クライアントワークで培った広告運用ノウハウや私自身の経験値も加味されています。
③外部媒体の活用
弊社は、UGCマーケティングツールYOTPOを売り出す際、EC事業者のリード獲得を行うために外部媒体「ECのミカタ」を利用しました。
外部媒体を使用すると、リードは集まってもアポに繋がらないのでは?という不安もありました。
結果、ECのミカタにおいては、アポ単価は目標値の2分の1で獲得できました。
もちろん「とりあえず掲載」をしていたわけではなく、「いまどんなキーワードが刺さるのか?」「どんな情報が求められているのか?」という情報を積極的に媒体担当者に聞いていました。
リード獲得について、より具体的に知りたい方はこちら
2-2.インサイドセールス部門立ち上げ
最近、インサイドセールスという言葉をよく耳にしませんか?
弊社は、インサイドセールス部門を立ち上げてから、1年間でアポイント数が約2倍、案件数が約1.5倍になりました。
インサイドセールスチームの立ち上げはマーケティングチームとセールスチームのジレンマを解消することが目的の1つでした。
一般的なインサイドセールスの担当箇所は、リードから案件まで多岐にわたります。
しかし、弊社のインサイドセールス部門は、下図のように、MIRとSDRという名前をつけた2チームに分けることで、更なる効率化を実現しています。
MIRとは、Marktet Intelligence Representativeの略で、インサイドセールス部門の1チームです。
主にMAを使ったリードのナーチャリング、資料・ブログコンテンツの作成を行っています。
MIRでは、ユーザーの温度感を高める事と接点を増やすことを行いました。
しかし、温度感を高める施策は1度失敗しました。
SDRとは、Sales Development Representativeの略で、MIRが作った有効リードへのアプローチとその他ターゲットアカウントへのアプローチを行います。
SDRでは、セールスチームとの分業を行いました。
SDRのKPIを案件数としました。
しかし、KPIを案件数にしたため、案件につながりそうなアポイントしかとらず案件数が減少しました。
つまり、無意識のうちに量より質を追ってしましました。
そのほかにも、BANT条件に固執しすぎたり、いくつか失敗をしました。
日本では、最近出てきたばかりのインサイドセールスについての失敗談を載せるメディアはまだ少ないですが、参考になると思います。
インサイドセールスについてより具体的に知りたい方はこちら
2-3.サイト改善
弊社は、2014年-2015年の間にリード数を激増させ、CVRを8倍にしました。
その際にポイントとなったのがABテストツールとヒートマップを軸にしたサイト改善です。
サイト改善は
・CVポイントの改善
・改善ページの選定、改善方法
・サイト改善の仕組化
がポイントです。
①CVポイントの改善
CVポイントの改善と改善するページの正しい選定でSimilarWebのページを6カ月でCVRを8.3倍にしました。
そのほかにも、4か月でCVRを3.1倍にした事例や、6か月でCVRを4.7倍にした事例もあります。
②改善ページの選定、改善方法
改善ページの選定は
・CVボタン
・ナビゲーションバー
・料金ページ
・フォーム
・実例実績
を改善することでCVRが上がりやすいです。
③サイト改善の仕組化
サイト改善においては、PDCAを回し続けることが大事です。
そのためにはチームで改善するのではなく、だれもが簡単に改善できる仕組みが必要です。
弊社は、ABテストツールとしてOptimizelyを使用しています。
また、改善体制も分析、案出し、実装はインターンが行い、最終判断を社員が行います。
インターンが行った改善でも、CVRが167%になったり、CVR172%になった例もあります。
サイト改善について、より具体的に知りたい方はこちら
3.終わりに
今回の記事は各記事の重要な箇所を抜き取ったものなので、この記事を読むだけでも十分参考になると思いますが、より詳しく、具体的な数字まで乗っているリンク先も読んでみてください。
また、BtoBマーケティングでお悩みの方はこちらからお問い合わせ下さい。
MarTechLab編集部
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