2018年に広告業界で生まれた2つのトレンド
近年、様々な媒体や手法で広告出稿が可能になり、新たなトレンドが誕生しています。
トレンドを抑えられていない人は、当記事でトレンドを抑え、トレンドを抑えている人は、漏れがないか再確認しましょう。
1.動画広告
2016年頃から注目を集めている動画広告ですが、サイバーエージェントオンラインビデオ総研によると
2018年の動画広告市場は、昨年対比134%の1,843億円に達する見通し
であり、2017年の1374億円から469億円分、規模が拡大しました。
同調査では、動画広告市場全体の85%がスマートフォン向けの需要で占められていると発表しています。
このデータからも動画広告全体に勢いがあることがわかります。
1-1.プレロール広告の変化
プレロール広告とは、YouTube等で、ユーザーがコンテンツを視聴する前に再生される広告です。
近年では、コンテンツの視聴中や視聴後に流れる広告もあります。
広告動画が再生されてから、数秒後にスキップが可能な「スキッパブル広告」と、スキップができない「ノンスキッパブル広告」があります。
2018年にロシアの情報通信会社、ROSTELECOMが連続ドラマ形式のプレロール広告「THE BUZZ」をYouTubeで配信しました。
ドラマは、1話完結型で全34話、各話の最後10秒は自社サービスの特徴を紹介しています。
下図は、このドラマ型プレロール広告の効果を、競合・業界分析のプラットフォームSimilar Webで直近1年のデスクトップ経由訪問数の推移を調べたものです。
ドラマ型プレロール広告を出稿した5月頃から訪問数が上昇しているのがわかります。
プレロール広告において、単純に広告としてでなく、エンタメ化することで成果を出した例と言えます。
1-2.TikTokの広告トレンド
数年前からTikTokやInstagramのStories、IGTVを始めとした縦型動画SNSが主流になっています。
縦型動画の流れに乗るように、広告も縦型化しています。
大手動画プラットフォームであるYouTubeも2018年9月に縦型プレロール動画広告のローンチしました。
それでは、縦型動画広告についてTikTokを例に見ていきましょう。
全コンテンツ縦型動画のTikTokでは、動画広告が3種類あります。
1)インフィード広告
インフィード広告は下図のように広告を投稿の一部として表示し、画面下の「詳細を見る」からPlayストアやAppStoreに遷移させるものです。
2)ハッシュタグを用いたポスト
ハッシュタグを用いたポストは、ユーザーにポストを促すことで認知を上げるものです。
下図は、「#チャレンジ」と言われるタイアップ型の広告で純広告としての枠も用意され、インフィード広告としてもコンテンツを流すことができます。
3)起動画面時広告
起動画面時広告は「TikTok」のアプリを起動した際に下図のように全画面表示で3-5秒の間、画像やGIFを表示することができます。
1-3.Instagramでの「ShopNow」を用いたポスト
2018年6月にInstagramがショッピング機能の「ShopNow」を日本でもリリースしてからトレンドになっています。
「ShopNow」は動画だけでなく、画像でのポストも可能です。
現在は、オーガニックポストのみの対応ですが、一定数のフォロワーがいる企業、アカウントにとっては有効な施策です。
「ShopNow」は、ポストした動画や画像内の商品に、商品名や金額のリンクを下図のようにタグ付けできる機能のことです。
タグをタップすることでECサイトに流入させることができる仕組みです。
日経ビジネスによると
「『ShopNow』機能では、ユーザーがタイムラインの投稿を見て、気になるアイテム画像の上をタップすると、商品名と価格が表示されます。そこをタップすると、中間ページが表示され、その下の『ウェブサイトで見る」というボタンをクリックすると、ZOZOTOWN側のその商品の購入ページに遷移する仕組みになっています。まだ機能が公開されて1カ月強ですが、この中間ページからウェブサイトへの誘導率はなんと6~7割。その高さに驚いています」
とのことで、一定の効果はあるようです。
2.インフルエンサーを用いた広告
インフルエンサーは、2010年代初頭のブログブームの際、読者に大きな宣伝効果を持つ人をカリスマブロガーやインフルエンサーと呼ぶようになったのが始まりです。
その一方でステルスマーケティングとの線引きが難しいとされています。
そのため、広告投稿には必ず、広告だと分かるハッシュタグの設置や口頭説明がされます。
インフルエンサーを用いた広告では、2018年に評価軸の変化によってトレンドが変わりました。
インフルエンサーを評価する指数の変化
今まで、インフルエンサーを評価する指数として重要だったのが、フォロワーの数でした。
しかし、フォロワーを購入する行為や、無作為にフォローしてくるBotアカウントの存在があり、フォロワーの数だけでは、インフルエンサーを評価できなくなりました。
また、「いいねの数」は少なくても「お気に入りの数」が多い傾向のインフルエンサーの場合など、外からの画一的な評価ができなくなりました。
さらに、興味関心の細分化が進んでいる現代では、ただ単に影響力のあるインフルエンサーを起用するより、その分野に特化したインフルエンサーを起用したほうが効果が高い場合もあります。
結果として、インフルエンサーが「セレブリティ」「パワーユーザー」「マイクロインフルエンサー」「ナノインフルエンサー」と階層化が進んでいます。
1)セレブリティ
セレブリティは、フォロワーが50万人以上いて、芸能人や有名人などマス向けに影響力のあるインフルエンサーです。
2)パワーユーザー
パワーユーザーは、フォロワーが3万人以上いながら、芸能人とは違い、一般人なのでユーザーにとって身近な存在となるインフルエンサーです。
3)マイクロインフルエンサー
マイクロインフルエンサーは、フォロワー数が5千人以上で、何か特化したジャンルを持っています。
彼らをフォローする人々は、マイクロインフルエンサーが特化したジャンルに強い関心を持っています。
そのため、投稿自体のリーチは限られていますが、フォロワーの興味度合いが高いインフルエンサーです。
マイクロインフルエンサーについて、より詳しく知りたい方はこちら
4)ナノインフルエンサー
ナノインフルエンサーは、フォロワー数が5千人以下ですが、よりニッチなジャンルに特化したポストを行い、フォロワーからはその分野の先駆者として信頼されている人です。
上記4種類のインフルエンサーを図式化したものが下図です。
(*1)このTrue Reachとは、インフルエンサーの投稿を実際にみた人数のことです。
(*2) この影響力指数とは、フォロワー数、エンゲージメント率、True reach等を複合的に合算し、影響力を100点満点で示したKlear独自の影響力指数のことです。
インフルエンサーは、広告の目的や用途によって使い分けることが重要で、やみくもにインフルエンサーを起用するとせっかくの広告が、無駄になることがあります。
インフルエンサーマーケティングの基礎知識についてより詳しく知りたい方はこちら
インフルエンサーマーケティングでよくある失敗についてより詳しく知りたい方はこちら
3.変化に取り残されないために
動画広告、インフルエンサーを用いた広告の2種類だけでも、2018年にトレンドの変化がありました。
変化に取り残されてしまうといくら広告を出稿しても響かない状況になりかねません。
弊社の Intelligent Acquisitionチームでは様々なテクノロジーを用いて、あなたの勤めている企業のマーケティングや広告の最適化をお手伝いします。
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MarTechLab編集部
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