統計データで見るDOOHの成長性と出稿のメリット【2024年版】
電車内ビジョンや屋外サイネージ 、レジ横ビジョンなどを指す、デジタル屋外広告(DOOH)。
DOOHは、コロナウイルスの影響で一時低迷していましたが、最近では復活を遂げつつあります。
ターゲティング機能や他のデジタルプラットフォームとの連携、効果測定が可能となり、昨今ではVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、AIが台頭しているようにDOOHも顕著に進化しています。
本記事では、2024年にDOOH広告市場はどうなっていくのか、統計データを活用しながらご紹介します。
目次
1.世界のDOOH市場
DOOH広告市場の成長は著しく、2024~2029年の5年間で年率5.18%で成長し、2029年には市場規模が240億ドルに達すると予測されています。
DOOHの市場が成長しているのは、広告配信の効果を高めるAIとデータ分析の質の向上が大きな要因となっています。
DOOH広告は今年、米国の屋外広告費全体の31.4%を占め、コロナウイルス流行前のレベルまで回復してきています。広告主の約3分の1が広告戦略にDOOHを選んでおり、39%の広告主が今後投資を増やす方向です。また、他のデジタルチャネルからDOOHに予算をシフトする企業も増えています。
Source: Statista, Insider Intelligence
収益面では、2024年に世界のDOOH広告収入は17%増加し、155億ドル以上になると予測されています。2028年までには更に34%増加し210億ドルに近づくと言われています。
Source: Statista
2.地域別のインサイト
APEC
APACは最も伸びている地域であり、中でもインドは革新的な広告キャンペーンを実施しています。
APACのDOOHにおける広告費は、2024年には86億2000万ドルに達すると予想されています。
2029年までの年間成長率は5.92%と予想され、113.9億ドルに達する可能性があるとされています。
また、2024年の中国の予測市場規模は511万9,000ドルとなり、インドと共に活発な市場の一つとなっています。
EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)
EMEAでは、プログラマティック取引がターゲティングの精度を高めROIの向上に貢献していると考えられており、イギリスは特にDOOH市場で変革が起きています。
DOOH市場における広告費は、2024年には38億9000万ドルに達すると言われています。
また、2024年から2029年までの年間成長率は5.36%と予測され、市場規模は2029年までに50.5億ドルに拡大する見通しです。
LATAM(中南米)
LATAMではインタラクティブで動的なDOOHの需要が高まっており、広告市場への影響も高まってきています。
2024年の広告費は4億9000万ドルに達すると言われており、同市場は2024年から2029年まで年率3.78%で成長し、市場規模は0.59億ドルに達する見込みです。
Source: Statista
3.消費者トレンド
DOOHは消費者の興味を惹きつける媒体として上位3位にランクインしています。それにも関わらず、マーケティング担当者はDOOHを視野に入れず、未だにインフルエンサーマーケティング等の施策を好む傾向があります。
Source: Kantar
数字で見るDOOHのメリット
調査データを元にしたDOOHのメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
■ブランドの信頼度13%増加
例えば、人通り街の大型スクリーンにDOOHを出稿した場合、実施していないブランドと比較して、ブランドの信頼度は13%増加します。
■消費者の状況に合わせた広告表示で平均17%効果アップ
時間、天候などに合わせて、関連した広告を出稿すると効果は平均17%押し上がります。
■SNSではリーチできないZ世代へのアプローチ
Z世代の55%はダイナミックコンテンツを表示する屋外広告に惹かれていています。しかし、広告主の多くはSNSを通じてZ世代にアプローチをしているのが現状です。そのため、DOOHはSNSではリーチできないターゲット層を取り込むための戦略として有効だと考えられます。
■ユーザー行動の増加
DOOHを見た52%の消費者が、ウェブサイト訪問や購入、キャンペーンへのアクセスなど、スマートフォンを使った行動を起こしています。65%のDOOHを見たユーザーがサイト検索、店舗来店、SNSへの投稿などの行動を起こしています。
Source: OAAA, Vistar Media,Clear Channel
フルモーションのDOOH統計
フルモーションのDOOH(FMDOOH)をSNSのキャンペーンと統合すると、ブランドファネルの指標を平均23%向上させることができ、認知、感情的反応、検討、購買意欲等の消費者行動を改善することができます。特にファネルのトップエンドとボトムエンド(認知と行動)に効果があります。
注目すべきは、FMDOOHとSNSを組み合わせることで消費者の行動が48%増加するという点です。この相乗効果は、FMDOOHがいかにSNS戦略を補完しているかを浮き彫りにしています。SNSが興味と欲求を生み出す一方で、FMDOOHは核となるメッセージを押し出し、感情を刺激するのです。
■静的なDOOHとフルモーションDOOH比較データ
- フルモーションDOOHコンテンツは、静止広告よりも視聴者の注意を60%長く引きつける。
- 3D DOOHコンテンツを使用すると、2Dに比べて消費者の注目度が15%向上する。
Source: Talon
小売業とECサイト
現在、米国では小売売上全体の85%が実店舗で行われており、DOOHが重要な役割を果たしています。ECサイトが台頭しているにもかかわらず、実店舗は閉店するよりも早い速度でオープンしていっています。
さらに消費者の半数近くが実店舗での買い物を好んでおり、店舗内DOOHの継続的な関連性と可能性が
実際に店舗の棚やレジ横などに設置されるデジタル広告の在庫が拡大しているため、店舗内の小売メディアはDOOHの分野でより大きなシェアを獲得しつつあります。
これらは、消費者が購入を決定する直前の重要な瞬間に、消費者の意思決定を揺さぶるまたとないチャンスを広告主に提供します。
Source: CB Insights, NRF, Raydient, Insider Intelligence
4.マーケターのトレンド
DOOHの価値はマーケターによってどのように受け止められているかの調査結果です。
- 米国のマーケターの24%は、DOOHは価値があると考えている。
- 106%の広告主は、DOOHが消費者をターゲットにする革新的な方法を提供することに同意している。
- マーケターの72%が、DOOHはブランド認知を高める素晴らしい方法だと考えている。
- 67%のマーケティング担当者は、DOOHが適切なタイミングで適切な人々を効果的にターゲットにし、売上とパフォーマンスを向上させることに同意している。
- 61%のマーケティング担当者は、ブランドの安全性も大きな利点であると指摘している。
Source: Vistar Media, Billboard Insider, VEOH
5.まとめ
将来を展望すると、DOOHとプログラマティックソリューションが急速に進化していることは明らかです。
DOOHの活用は消費者を惹きつけ、行動を促す絶好の機会となります。マーケティング施策の1つとして検討されてはいかがでしょうか?
ギャプライズでは、Eskimi DOOHというターゲティングが可能な屋外広告を取り扱っています。
是非詳細を知りたい方はお気軽に、こちらからお問い合わせください。
※記事はEskimi社の「30+ Digital Out-Of-Home (DOOH) Statistics For 2024」を翻訳・加筆したものです。
阿多 佑梨花
2018年秋にギャプライズに入社。前職で2年半、総合通販業界にてアパレルの店舗運営に従事。ギャプライズ入社後、インサイドセールスの経験を経て、現在は自社マーケティングを担当。