Webカルーセルは時代遅れ?モバイル&デスクトップ最適化のための8つのヒント
本記事はContentsquare社の公式ブログを、同社の許可を得て翻訳・編集し公開しています。
Webカルーセル(スライダーとも呼ばれる)は、2012年から2013年にかけて大流行しました。しかし、現在では多くの企業がその使用について迷っています。本記事では、Webカルーセルの効果的な使用方法と、モバイル・デスクトップ両方での最適化のためのヒントをご紹介します。
目次
Webカルーセルとは?
Webカルーセルとは、複数の画像やコンテンツを一定の間隔で自動的に切り替えて表示する機能のことです。主にウェブサイトのヒーローセクション(ページ上部の大きな画像エリア)で使用されることが多く、複数の商品やキャンペーンを効率的に紹介するのに適しています。
具体例をあげると、サッポロビールやトヨタなどのサイトでも使われているデザインです。
サッポロビールの公式サイトでは、トップページにカルーセルを採用しています。季節限定商品、キャンペーン情報、ブランドストーリーなど、複数の重要なメッセージを効果的に伝えています。
トヨタ自動車のウェブサイトでも、新車情報や特別オファー、企業の取り組みなどを紹介するカルーセルが使用されています。ユーザーは興味のある情報にすぐにアクセスできるようになっています。
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Webカルーセルは時代遅れなのか?
では、このカルーセルパネルを多くの企業が導入している理由は何なのでしょうか?そのメリットとして「効果的なカルーセルをデザインする: お化け屋敷ではなく、しゃれた娯楽を創り出そう」の中ではこう書かれています。
カルーセルを利用するの最大のメリットは、複数のコンテンツによってホームページ上の一等地にあたる場所を占拠できることである。それは、どのコンテンツが最もふさわしいか、という内輪もめを意味のないものにする効果がある。それ以外のメリットとしては、可視領域のほぼ一番上に出せる情報が増えることで、ユーザーが実際に情報を見る機会が増大することが考えられる。
ノートルダム大学やニールセングループの研究によると、Webカルーセルにはエンゲージメントの問題や低いクリック率などの課題があることが指摘されています。しかし、これらの研究はデジタルカスタマーエクスペリエンスの表面的な症状を示しているに過ぎず、根本的な原因を探る必要があります。
コンバージョンへの影響
カルーセルがコンバージョンに与える影響は、その使用方法と目的によって大きく異なります。
- 正の影響: 適切に設計されたカルーセルは、ユーザーの注目を集め、複数の製品やサービスを効果的に紹介することで、クリック率や購買意欲を高める可能性があります。
- 負の影響: 一方で、過度に複雑なカルーセルや情報過多のデザインは、ユーザーを混乱させ、結果としてコンバージョン率を下げる可能性があります。
Contentsquare社(旧Clicktale社)のカスタマーエクスペリエンスアナリストである Udi ZisquitとLiraz Margalit は、Webカルーセルとユーザーの相互作用、そしてそれがオンラインでの意思決定、購買、エンゲージメントにどのように影響するかを詳細に分析しました。
8つの最適化ヒント
- 矢印は注意をそらす
- ヒートマップ分析によると、ユーザーは矢印をクリックすることに集中し、コンテンツ自体に注目しにくい傾向があります。
- 矢印を使用すると、クリック率やエンゲージメント時間が全体的に低下します。
- 製品紹介にはカルーセルを使用しない
- カルーセルは製品紹介には適していません。むしろ、購買決定の妨げになる可能性があります。
- 静的な製品画像やバナーの方が、クリック率を高める効果があります。
- ブランディングにはカルーセルを活用
- 製品紹介には適していませんが、ブランディングには効果的です。
- 注目を集める画像や短いテキストを使用することで、ブランド認知度を高めることができます。例えば、ヒルトンホテルのWEBサイトでは、旅行を楽しむユーザーの雰囲気を直感的に伝えている好例と言えるでしょう。
- デスクトップサイトには不向き
- デスクトップユーザーにとって、マウスでカルーセルを操作することは直感的ではありません。
- モバイルサイトでは非常に効果的
- スマートフォンやタブレットでは、カルーセルが高い効果を発揮します。
- 指でスワイプする動作が直感的であるため、ユーザーの反応が良好です。
- モバイルカルーセルは4パネルに制限
- モバイルユーザーが快適にスワイプできるパネル数は4つまでです。
- 4つ以上になると、注目度とクリック率が急激に低下します。
- 1パネルに1製品または1画像
- 画面サイズが限られているため、シンプルで明確な画像を使用しましょう。
- 1つのパネルに複数の画像やメッセージを詰め込まないようにします。
- SEOへの影響に注意
- カルーセルはコンテンツを下に押し下げるため、SEOに悪影響を与える可能性があります。
- 画像ファイルが重いと、ページの読み込み速度が遅くなります。
- 最適化されたカルーセルを適切に使用すれば、SEOの問題は回避できます。
まとめ
Webカルーセルは、適切に使用すれば効果的なツールとなります。特にモバイルサイトでは高いエンゲージメントを得られる可能性があります。ただし、デスクトップサイトでの使用には注意が必要です。
自社のウェブサイトや目的に合わせて、これらのヒントを参考にカルーセルの最適化を行ってください。適切に実装することで、ユーザーエクスペリエンスの向上とコンバージョン率の改善につながるでしょう。
カルーセルの使用を検討する際は、A/Bテストを実施し、自社のターゲットユーザーにとって最適な表示方法を見つけることをおすすめします。データに基づいた意思決定を行うことで、より効果的なウェブサイト設計が可能になります。
CX分析の最新テクノロジー
カルーセルやその他のウェブサイト要素が顧客体験(CX)にどのような影響を与えているかを正確に把握することは、デジタルマーケティングの成功にとって非常に重要です。Contentsquareなどの最新のCX分析テクノロジーを活用することで、以下のような詳細な洞察を得ることができます:
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- ユーザーの行動パターン分析
- ヒートマップによる注目度の可視化
- ジャーニー分析
- コンバージョンファネルの最適化
- セグメント別のユーザー行動比較
これらの高度な分析手法を通じて、カルーセルなどのウェブサイト要素がユーザーエンゲージメントやコンバージョンにどのように影響しているかを詳細に理解することができます。
さらなる情報と相談
最新のCX分析テクノロジーについてより詳しく知りたい方、または自社のウェブサイト最適化についてプロフェッショナルなアドバイスが必要な方は、ぜひギャプライズにお問い合わせください。
ギャプライズは、Contentsquareの認定パートナーとして、最新のデジタル体験分析ソリューションの導入と活用をサポートしています。経験豊富なコンサルタントが、お客様のビジネス目標に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。
カルーセルだけでなく、ウェブサイト全体のユーザーエクスペリエンス向上とコンバージョン率最適化について、データドリブンなアプローチでサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。
今本 たかひろ/MarTechLab編集長
料理人→旅人→店舗ビジネスオーナー→BPO企業にてBtoBマーケティング支援チームのPLを4年半経験し、2023年2月よりギャプライズへジョイン。フグを捌くのもBtoBマーケティングを整えるのも根本は同じだという思考回路のため、根っこは料理人のままです。家では猫2匹の下僕。虎党でビール党。