海外事例から学ぶ、インフルエンサーマーケティングにおいてのメッセージ性の重要さ #WakeUpBetter
インフルエンサー施策においての【成功】とは、エンドユーザーにとって興味をそそる、有益になる情報をインフルエンサーが伝達し、行動を起こしてもらう事です。
日本のインフルエンサーマーケティングでは商品のPRが表に出すぎてしまい、広告だと察知され、普段の投稿程のエンゲージメントが得られないという逆の現象が起こってしまうこともあるようです。
今回はインフルエンサーのオーディエンスを分析し、的確なメッセージの伝達を成功させた海外事例をご紹介します。
1.Tuft&Needleの#WakeUpBetterキャンペーン
10年前であれば、アメリカでもマットレスをオンラインで購入することは躊躇されていました。現在は販売方法が多様化し、直販を行ったキャスパー(Casper)や、ユーザーからのレビューを活用したリーサ(Leesa)、独自の技術で勝負に出たパープル(Purple)などの奮闘や、スタートアップ企業のマーケット参入などを経て、マットレス市場は成長し続けています。
Tuft&Needleはアリゾナの企業で、求めやすい価格設定とシンプルな購買プロセス、箱に入れて家に送るシステムでこの市場に参入しました。
ジレンマ
強い競合達が飽和しているマーケットで、 Tuft&Needleはひときわ目立つ必要があります。
解決方法:#WakeUpBetterキャンペーン
ニッチな業界でファンを持つ多様なインフルエンサーを活用し、それぞれのインフルエンサー達がTuft&Needle製マットレスと彼らの生活を結び付けてPRを行いました。
エンドユーザーの範囲が広く設定されたこの施策にて、インフルエンサーの選定基準は【自身のオーディエンスから信頼されている人】でした。
選定されたインフルエンサー達
ライフスタイル、ファッション、ビューティー、料理家、子育て中の親、起業家、ダンサーなどの様々な分野で影響力を持っている75人です。
インフルエンサー達とのコラボレーションを行い、「ここのマットレスは、あらゆる人が様々な状況で使える製品である」というメッセージを戦略的に伝えたことでTuft&Needleは他社との差別化に成功したのです。
この#WakeUpBetterキャンペーンは今も続いているキャンペーンです。
2.起用インフルエンサー
Antuan Byers,ダンサー
オーディエンス:アクティブな若者, NYに住む人
NYにてプロのダンサーとモデルとして活躍している彼は、25,000人のフォロワーがいます。
彼の1投稿あたりのTrue Reach(実際のView数)は8,700で、同じくらいのフォロワーを持つ他のインフルエンサーに比べ、エンゲージ率が優れているのが特徴でした。
そんな彼のオーディエンスは、59%が女性、33%がニューヨーカー、14%がダンサーかダンスに関係している人々です。
彼のネットワーク内のトップハッシュタグは#artであり、これは彼のフォロワーは彼が制作するアートコンテンツのファンが多いという事を示していました。
Tuft&Needleは彼を通じて、ダンスをしていたりアクティブなライフスタイルを過ごしている若い男女へ【休息と回復が必要な人々に最適なマットレスであること】を伝えたのです。
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Kamille Magette, デザイナー
オーディエンス:インテリアデコレーター、デザイン好き
アリゾナでインテリアコーディネーターをしている彼女は、35,500人のフォロワーがいます。自身のアカウントでは自宅や、今まで取組んできたプロジェクトの作品をシェアしています。
彼女のオーディエンスは94%が女性、利用されているハッシュタグ #homedecor #boho #interiorsから、エンゲージメントはほぼ彼女からインスピレーションを受けているファン達からであることを示していました。彼女はインテリアデザインに情熱を持っている人々のネットワークと親密に関わっているのです。
多くのフォロワーは彼女のチョイス(投稿内容)を自身のインスピレーションのヒントとして見ているため、彼女が慎重に選んだチョイスの中に登場することでTuft&Needleは単なるマットレスではなく【センスのあるマットレス】として認知されました。
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3.キャンペーンのメッセージ #WakingUpBetter For Everyone
様々な年齢・性別・関心の垣根を超えて良いと思ってもらえるブランドメッセージを作成することは困難です。
そんな中、Tuft&Needleは、小さい子供がいる親・ダンサー・起業家であろうと、誰もが毎朝心地よく目覚め、リフレッシュして一日を始めたいという共通の希望を見つけました。そんな希望を汲み取り【Tuft&Needleのマットレスを使えば誰もが可能】と表現するためのハッシュタグが#WakingUpBetterだったのです。
Tuft&Needleはインフルエンサーそれぞれの今までの生き方を尊重し、自社製品をその生活の中に組み込んでもらいメッセージを伝えました。この方法で競合が多いマットレス業界の中でも、地位を確立することが出来たのです。
4.キャンペーンの規模/インパクト
起用インフルエンサー数:75人
合計投稿数
Instagram:150投稿、7ストーリズ
Facebook:9投稿合計エンゲージメント(いいねとコメント):229,200
施策全体でのリーチ(Unique Views):1,900,000
Klearのレポーティング機能では施策全体の効果だけでなく、起用したインフルエンサー達の各自のPR投稿と、そのエンゲージメントなども把握することが可能です。
Tuft&Needleの#WakeUpBetterキャンペーンレポートの全てをダウンロード頂くことが出来ます。
この記事は#WakeUpBetter With Tuft & Needleの抄訳記事で、データは2019年7月時点のものになります。
海外のインフルエンサーマーケティング成功法にご興味がある方はこちらの記事もご参照ください。
インフルエンサーマーケティングを成功させる3つのガイドライン

MarTechLab編集部
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